見出し画像

食事とエッセイ未満、6月(下)

こんにちは、アーティストの新造真人(@makotoshinzo)です。

淡々と、日々の料理の写真を貼り付けるnoteを書きます。何故なら「うわ、おれ、こんなに料理したんだ!」と積み重ねたら楽しい気持ちになりそうなので。「一体誰がこんなのを見るんだ」と自分でも思うけど、世界には物好きな人がいる。さらには、私はこうやって過去のこと・作業を蓄積すると、元気が出てくる。下のが6月の上半期の記録。こちらは下半期6/16-6/30の記録なので、タイトルは「(下)」です。

また、「美術家と料理」という自主連載をnoteでやっています。こちらでは一生懸命書いて、写真も頑張っています。一方でこちらの「食事とエッセイ未満」シリーズは、気張らずに文章と写真を載せるnoteです。自分に読ませるための、日々の食事周りのことを淡々と綴ります。



食事とエッセイ未満、6月(下)



2020.06.16(火)朝

画像1

珈琲と赤バー

朝4時半に起きた。昨日は0時くらいに寝た。まだ眠いので、目覚めの珈琲ーを飲む。しかし、私はカフェインを体内に入れたからと言って、目がぱっちりするような感じはしない。でも、珈琲の香り、「珈琲」という漢字の組み合わせ、ハンドドリップという作業が、好きなので、飲んでいる。私は珈琲を入れるときに、全てのグラム数と時間を計っている。お湯は粉に対して16倍、最初の蒸らしに使う湯量は粉の2.5倍、蒸らしは30秒、注ぐのは全部で2分。これが基本だ(※1)。敢えてこの基準から外したり、スケールやタイマーを使わない時もある。けれど、こうやって毎回の作業を計ると、なんだか落ち着く。

赤いバーは最近KALDIで買ってきた。商品名は「DANVITA BBET  ROOT crisp bread」という。ビーツの色素でこの素敵なREDが出ており、可愛くて購入した。朝は同居人が寝ていることもあって、調理で音を立てたくない。


2020.06.16(火)昼

画像3

水餃子とビール

ぼくの作る餃子は美味しい。数日前にたくさん餃子をつくって冷凍しておいた。毎回作る時に味を変えているので、毎回新しい発見がある。冷蔵庫の中には時には100個以上の餃子が食べられる日を、今か今かと待ち望んでいる。

料理が面倒な時には、過去の自分の頑張りにおんぶしてもらう形で、冷凍庫から餃子を取り出し、熱湯で4分半くらい茹でる。餃子が浮き上がってきてから1分くらい茹でると4分半くらいになる。そして、最後の1分くらいのタイミングでキャベツだとか、何かしらの野菜を一緒に茹でる。それをさらにあげる。ビールを注ぐ。食べる。うまい。


2020.06.18(木)昼

画像6

焼うどんとともコーラ

クラフトコーラ作りにはまっている。だから、他の人が作ったコーラをもれなくライバル視している。セレクトショップの準備をしていて、そちらでもコーラを売る予定。ともコーラと一緒にいただいたのは、あご出汁をつかった焼うどん。



2020.06.19(金)朝

画像6

明太子マヨトーストと牛乳

明太子の皮が好きだ。色々なレシピで、毎回毎回国民の義務なのかというレベルで「皮を取り除きましょう」などど言うが、それは一種のレイシズムではなかろうか。簡単に排除するな。ふざけるな。と言いたくなるくらいに皮が好きだ。明太子、マヨネーズ、バター。そして隠し味に白だしを加えて明太子マヨペーストを作り、トーストに塗る。そんな素晴らしいものには牛乳があう。大きなワイングラスに注ぐだけでなんだかおおらかな気分になれる。



2020.06.19(金)夜

画像5

トマトすき焼きで宴

久しぶりに友人M宅に行った。彼は料理仲間である。晩御飯は彼のすすめでトマトすき焼きになった。これが非常にうまい。トマトとすき焼きは仲良く手を繋いでいる。そこにバジルやニンニクといった、普段のすき焼きでは登場しない選手を何人か投入するのだが、彼らの見事な連携プレーに、食卓も、心も、宴になってしまった。幸せになってしまった。

その予感は、すき焼きの準備をする段階であったので、つぎつぎと副菜をつくった。新潟名物の栃尾のあぶらげを二つに切り、間にネギ味噌とカマンベールチーズをいれてトースターで焼いた。本来はピザチーズなどでやる予定だったが、なかったのでカマンベールで代用したが、あたりだった。小さなチャレンジが、このように功を奏すとご機嫌になる。ホタルイカとワカメを酢味噌で和えたものを言わずもがなである。そして、何よりものダークホースはえのきで作った即席ナムル。ごま油、塩、ニンニクで味付けをし1時間ほどほおっておいて味を鳴らした。Mはすき焼きよりこれがうまいと言った。


2020.06.19(金)深夜

画像7

ウイスキー、蜂蜜クラッカー

すき焼きの後、気分が完全に出来上がっていた。すき焼き中は、オールフリーと養命酒ばかり飲んでいた。酒らしい酒が飲みたくなったので、ウイスキーを飲むことにした。緑色のボトルとラベルが可愛い。ダッシュでクラッカーらしきものを近所から仕入れ、そこにチーズをちぎり置き、蜂蜜を垂らす。頭が幸せになってしまった。


2020.06.20(土)昼

画像14

すき焼き、オールフリー、135ml缶ビール

最近、ビールを飲むときに、ミニ缶を選ぶ。135ml。350ml缶は大きい。お店で頼む時は、ミニグラスでもちょっと多いなと思う。全然飲めるんだけど、楽しく飲むためには2、3口で飲み終えるミニ缶で十分だと思う(などと言いながら、数日前はビールを10杯くらい飲んできた)。写真奥にみえるのはオールフリーで、最近は、オールフリーも美味しいものとしての認識が、わたしのなかで根強くなって来た。というより、美味しいものを、楽しく飲みたいだけで、必ずしもアルコールである必要はない。緑茶も美味しい、紅茶も美味しい。ハーブティーも、ほうじ茶も。

昨日の残り、という形で、軽率にも土曜の昼からすき焼きをしてしまった。案の定とても美味しかったのだが、「今日が人生最後の日だったけど、わかってたよね?」と神様に言われても、文句の言えないくらい、ご機嫌だった。冷奴には大量の生姜醤油と山形のだしをかけて味わった。今日が命日にならず、よかった。


2020.06.20(土)3時のお茶

画像15

冷茶とサクランボ

氷がうつくしかった。事前に画面に映っている全てのものを氷水に浸しておいた。急須の中に茶葉を敷いて、そこに氷を置く。水無し川をゆらりと水が流れるように、氷が溶けて、それがお茶となる。見ても涼しく、舌にのせても涼しい。


2020.06.21(日)昼

画像8

海鮮BBQ

ビーチクリーンのご褒美に、海鮮BBQが始まった。わたしは案の定遅刻したので、BBQから参加したのだが、久々に見知らぬ人との食事をした。海。BBQ。酒。肉。魚。野菜。単語を羅列するだけで、ぼくの気持ちが伝わりそうだ。筋肉モリモリのトルコで企業予定のお兄さんとともに肉を焼いて、談笑しているマダムに肉を届けた。「階級社会はまだ生きていた、ルネッサンスですね」と適当なことを言いながら、だんだんと頭の中が仕上がっていった。

途中でスイカ割りをすることになり、2番打者としてバットを振った。まず、目隠しして10回転する間に7回くらい転んだ。スイングは空転だったので、わたしは自分の酔いを自覚した。誰にも迷惑をかけないように、と、トイレを済ませてから、テトラポッドの影に行って、眠ることにした。おそらく1時間ほど眠ったところで、起き上がると皆様が片付けをほぼほぼ終えていた。ぼくは遅刻するわ、寝るわ、に加えて、財布も忘れていた。筋肉のすごいお兄さんが「これは俺と俺の分だ!」といい感じに酔っ払い、謎に2人分のBBQの会費を払ってくれたので、ぼくは支払いを免除された。お礼を伝えて、1時間歩いて帰宅。帰宅すると、BBQの主催者である早瀬の干物のお兄さんからメッセージが届いた。さらには、彼はnoteのサポートもしてくださり、さらには、ぼくのやろうとしているネットショップにも関わってくれることになった。男前な方々が多いBBQだった。


2020.06.22(月)夕方

画像9

プラム、珈琲

Tさん宅に、同居人Sと行った。Sの岩手土産をわたしにいくため。案の定娘さんが「家来てー!あそぼー!」と言うので、家の中へお邪魔した。このご時世、気軽に人の家にあがるのは気がひける。入ってから手を洗って、意味があるかわからないが、マスクもしていた。そしたらTさんが「何もないけど」と言いながら、プラムを出してくれた。これがすごく美味しい。こんなに甘くて、ジューシーで。木にかじりついているような強い甘みがある。そのあとも、何もないはずなのに、畑でとれたブルーベリーや、とうもろこし、焼きそばをもらう。


2020.06.22(月)夜

画像12

焼きそば、味噌汁、ごはん

Tさん宅にいただいた焼きそばに、目玉焼きをのせた。夏祭りの屋台みたいでとても楽しい。味噌汁には、味噌と、山口名産のしそわかめを入れた。わたしが生まれ育ったのは東京だが、両親祖父母の出身は山口県。わたしの本籍も山口県ということになっている。あとは、炊飯器に残っていたちょっとのご飯。

写真で見ると、全然おいしくなさそうだが、それがいいんだと思う。毎日、毎日、美味しいものばかりとか、映えるものばかり食べる必要はない。そして、見栄えと味は必ずしも一致しない。この写真には写っていないが、この時は縁側の近くで食事をしており、時折吹く風によって、風鈴が鳴く。虫の鳴き声、近づきゆく夏の本番。また、箸は去年の冬に小島くんからもらった若さ箸。四角く切り取られた世界には、実は、本人だけが知りえる様々な事柄が隠されている。うんちくをひけらかすようにする気はないけれど、一体何が愛着と言語化の対象になるかはわからない。



2020.06.22(月)夕方

画像10

かもめのたまご、紅茶

同居人が岩手の盛岡から帰って来た。そのお土産のかもめのたまご。やさしい、けど、ちゃんと甘い。これを食べるならちょっと強めにいれたお茶が欲しくなる。合わせたのはレモンガーデン。吉祥寺にある紅茶専門店G crefで買ってきたもの。10代の終わりにたまたま店に訪れて、何杯でも試飲させてくれるこのお店、ちょっと個性の強い店員さんのおかげでお茶が好きになった。吉祥寺に寄るときは、ここにもよく寄る。友人も何人か紹介したけど、半分くらいは気に入っている。別府くんも気に入ってくれた。


2020.06.23(火)昼

画像11

明太子パスタ

御近所さんにもらった玉ねぎが美味しい。Tさんの畑からくる、大根、ブロコッリー、玉ねぎ。ほかにも色々ともらったが、自家製の鰹節をもらった時は驚いた。冬に釣ったカツオを春先に燻製して、干して、鰹節にしたもの。鰹節って自分で作れるんだ、ってびっくりした。Tさんからもらうものは、本当にどれも美味しい。

画像13

玉ねぎを刻んで、バターと明太子とマヨネーズと炒めて麺と和える。仕上げに海苔とオレガノ。器は2年前の夏に鎌倉の古物屋さんで一目惚れしたもの。ブロッコリーみたいな木が可愛くて、好き。ちゃぶ台は、オール真鍮で作った特注品。ちゃぶ子。



2020.xx.xx(x)昼

画像2

イチゴジャムの準備

苺を買うと、嬉しくなる。なんだかお姫様になった気分だ。食べれる、ちいさな宝石を買ったような気分になる。そして、毎回、苺と書くか。いちごと書くか。イチゴと書くか。迷う。ストロベリーでもstrawberryでも可愛い。名前がいちいち愛おしい。決められないから変数aとでもしようか。そんなaを、砂糖にまぶして脱水する。1日か2日か放置しておくと、たっぷりの水分がaから追い出されて、すごく綺麗な色の液体が出てくる。それを火にかけて、ジャムにするんだ、と思うと、嬉しくて、切なくて。あらゆる過程が美しくて、そして、美味しい。(※2)



おおいなる補足、加速する蛇足

(※1)珈琲の淹れ方、そして

友人に珈琲狂いや、バリスタをやっている人がいる。ぼくはそこまで詳しくはないが、文献を何冊か読んだりテイスティング会などに参加したり、興味はある。なので、色々と豆を試したり、豆の挽き方、淹れ方を試している。現在のスタイル「お湯は粉に対して16倍、最初の蒸らしに使う湯量は粉の2.5倍、蒸らしは30秒、注ぐのは全部で2分。これが基本」は、吉祥寺にあるLIGHT UP COFFEEの川野優馬さんのnoteを参考にしている。

ぼくの地元は吉祥寺で、このお店は開店当初から知っている。はじめてお店に行ったときに、おそらく川野さんと会話をした。店主が大学生で、驚いた。吉祥寺の中道通にお店を出していると知って、びっくりした。だって、この通りは吉祥寺の中でぼくが一番好きなところで、ここは本当に(個人的に)めちゃくちゃいい立地!!というところに、ちょっと年が上くらいの人が店を出している。店内は絵が飾ってあって、机や椅子も、馴染みのない形(すごく細長いテーブル)だったりして、なんだかすごくいい感じだった。ぼくも絵を描いたり、作品制作をしているので、いつか飾っていただけたらら嬉しいなぁとか、そういうことも考えていた。笑

ぼくはまったくの常連ではないけど、年に数回くらいお店に行っている。今は小田原に移住したけど、近所にこんなお店があったらなと思う。10回にも満たないぼくのお店体験では、3種のコーヒーを飲み比べたりした。あとは、珈琲にラム酒をいれたものが(たしか)あって、それが好き。美味しかったなぁ。あと、スペシャルティコーヒーというのだろうか?そういうのもはじめて意識して飲んだお店だ。はじめて、珈琲を、舌で、果実として認識しはじめめた。珈琲は苦いもんだと思ってたけど、なんだか楽しい飲み物だな。嗜好品って、こういうことか、と、はじめて腑に落ちたきっかけをくれたお店でもある。

最近twitterで知り合ったNさんという方がいる。勝手になかよくなった気分でいるのだけど、そのNさんは、今、吉祥寺に住んでいるらしい。そして、そのNさんもこのLIGHT UP COFFEEが好きだそう。Twitterにお店の写真を投稿していて「もしかして、ここ、LIGHT UPさん?」とリプライを送った。話を聞いた感じだと、年に数回行くだけのぼくと比較すると、もしかすると、ちょうど100倍くらいはお店に通っているっぽい。もともとNさんは、いい感じのアトモスフィアをまとっている人。さらにその人が、(何回か行っただけだけど)ぼくの好きなお店を好きだと知って、お店も、Nさんも、さらに好きになった。

長くなりそうだから、この話は今度改めてnoteに書いてみようかな。


(※2)イチゴジャムの準備、そして

このイチゴジャムは、樋口直哉さん(作家・料理家)のnoteを参考にした。いちごは、その名の通り、1から5月にでまわるそうで。あとはクックパッドなどでイチゴジャム作りについて調べても、「どうしてこのような調理をするのか?」ということを書いてないのですが、樋口さんのnoteや書籍にはそれが書いてある。加熱時間を短くするその理由や、ペクチンや加熱温度など、そういった料理のなぜ?を知りたいぼくにとってはとても面白い。ただ、note通り作ったつもりでも、ぼくは火が強すぎたみたいで、カラメル化しちゃいました。それも含めて料理って楽しいなぁ〜と思うのです。



参考にしたもの、考え方、本

・自炊料理家の山口ゆかさんの一汁一菜記録

・坂口恭平さんの貯作業ノート、料理本cook

・おすすめの料理本まとめ


坂口恭平さんの料理本です。レシピブックというより、日々の彼の料理と、そこから膨らませた話が、手記のように載っけられている。やさしく読み進めることができる日記のような本。


この本を読んで「救われた」と思う人は、多いんじゃなかいかな。料理人の大御所である土井さんが「料理、適当でもいいんですよ」といいながら、お椀に味噌、鰹節をいれてそこにお湯を注いだ味噌汁(かちゅー湯)を大好きだと言っている。料理のハレとケなど、毎日の料理をがんばりすぎちゃってつかれちゃってたぼくは、この本にであって救われた。


代々木上原と二子玉川に「餃子屋」を開いた桉田さんの本。これも読んで気が楽になった。そこらへんの草をとってきて食べたりしているし、乾物への考え方など、愛おしい。この本を読んで僕がしたことは、丸々の大根を買うようになった。キャベツを1玉で買うようになった。だって、食べきれないものは干したり、漬物にすればいいんだもの。漬物、難しいと思ってたけど、塩をいれて冷蔵庫で放置するだけ。時間が勝手に美味しくしてくれる。絶妙に色々と"手を抜きながら"も、新しい料理への扉を開かせてくれた本。


平松洋子さんの料理エッセイ。読んでいるとお腹が空くし、毎日のなんでもない料理も、大好きな料理も、もうちょっと愛おしくなる。ごはん、ひと、食器、調理道具、いたるところに実はいろんな思いが染み付いていて、それを文字によって開いて、見せてくれる。キッチンか、寝室に、ぽかーんと置いて、時々ぱらぱらめくって読んでいる。



念のため

以下にぼくのAmazonほしい物リスト貼っておきます。どんな人が見てくれているかわかりませんが。今は餃子ネオン管が欲しいです。あと、本はいくらあってもいいですよね。

https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/1NDEFTVJ4L7TE?ref_=wl_share






この記事が参加している募集

noteの書き方

いただいたサポートは、これまでためらっていた写真のプリントなど、制作の補助に使わせていただきます。本当に感謝しています。