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昨晩は
夫の口から清らかに立ち昇る寝息を
ぱくりぱくりと食べてから眠りに落ちました

夫も詩を書く人ですが
この世の日本で
詩だけを書いて生きてはゆけないので
本日
十ヶ月の求職期間を終え
新たな職場へと向かって行きました
そもそもふたり同じ職場で働いていましたが
会社が経営困難に陥り全員が解雇され
ふたり仲良くハローワーク通い
失業保険を支給されながら
それはそれは楽しい失業時代
だって、ずっと一緒に居られるんですもん
とは言え
受給期間の短かった私は
数ヶ月後に職場を見つけ労働開始

夫は
夫は詩を書く人なのでゆっくり
仕事を探しながらゆっくり
詩を書く日々でした
その間に書いて出した詩がある文芸誌で佳作を受賞
夫の人生で初めての受賞
五十一年で初めての
だからと言って当然何かが変わるわけでもなく
ただひたすらに詩と向き合いながら
違うな
向き合うでもなく常に
常に詩を纏いながら
生活を営む為の職場を探す日々

まあ、そんなこんなで
夫がドキドキの十ヶ月ぶり労働なのです
容貌にそんな雰囲気は微塵も感じられないが

おーい、大丈夫かー?と
息子を送り出した母の気分


詩を書いたって
お金にはならない生きてる世界
けれど書くんですよ、いいじゃないね?
信じてるんですよ、ふたり
同じ夢、見てるの笑われても
それはもう現実なのだと同じ事
死ぬまでずっと信じてる
そんな夫婦が
南の日本の片隅にぽつねんと
あくびをしながら手を繋ぎ
行ってらっしゃいとただいまを繰り返しながら
頁をめくっているところです



その後の話が此方に。







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