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地方移住をするには、子どもと早く別れる覚悟をしなければならない

3番目の子が生まれてすぐの頃、東京から福岡へ移住することに決めた。キャリア、QOL、教育のこと、プライベートの過ごし方等々考えた末の決断だった。この決断は良かったと思ってるし、実際、「良かったと思える」ように、努力もしている。けれど一つだけ、あまり目を向けないようにしてるけど、ずっと心にチクリとささっているモヤモヤがある。

それは、地方移住した私たちは、おそらく思ったよりもすぐに、子どもが巣立ち夫婦2人だけの生活になるんだろうな、ということ。今は、小学生に保育園児にと毎日うるさいくらい賑やかだけど、大学生くらいになったら、ここではないどこかに行くんだろうことを、覚悟しなくてはと思っている。

別に、「長男は家を継ぐべき」なんて微塵も思ってないし、息子も娘も、東京でも海外でも行きたいところへ行ってほしいと思っている。ここじゃない場所には、また違った価値観があると知ってほしいし、どこに住んでどんな仕事をするのも自由なんだよと伝えたくて、自分たちが地方移住を選んだ、という一面もある。

それは本心なんだけれど、「みんなずっと近くに住んで、ずっと仲良くできてれば楽しいのになぁ」という気持ちも、本当は、ある。あるけど、ふたをしている。子どもたちには、親のことなんか考えず、自分の思う道を進んでほしいから。

いつかくる、ていうほど遠くない未来の子離れのために、少しずつ準備を進めている。自分だけの楽しみを見つけること。10年間どっぷり、「子どもと一緒にできるな」「子どもの教育にいいかも…?」という思考につかってしまっている自分を、自分の手に取り戻さなくてはいけない。これが、もうびっくりするくらい、思いつかない。自分が何をしたいのか、何が好きだったのか。

将来住むかもしれない、ここではないどこかのことを知るために、本を読もう。遊び呆けて卒業してしまった大学生活を取り戻すために、もう一度大学に入ろうかな。入学のために、鬼門の英語を勉強しなおさなくては。文章の幅も広げたいし、今手伝っている仕事の成果も出したい。

それから、毎日子どもに笑顔を向けたい。すぐ巣立ってしまうなら尚更だ。


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