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映画感想 #1 | 劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE

 法とは何か、正義とは何か_
これらは普遍的な問いでありながらも、社会に馴染んでしまえば、改めて問い直す機会は滅多にないと言えるのではなかろうか。その貴重な機会を与えてくれる作品こそが『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズなのである。

 シビュラシステム統治下に置かれた世の中は、窮屈そうにも思われるが、感情的な人間に介入されずに社会秩序が保たれるという点において、人々はある程度の納得感を持って生活を送っているように見える。その真の姿を知る者は作中でも僅かではあるのだが...。

 槙島聖護をはじめとする敵役の描かれ方はいつも印象的である。砺波告善の思想は、公安が守りたい社会秩序に適合しないというだけで、果たして間違いであるかと問われれば、決してそうとは言い切れず、議論の余地があるということに気付かされる。

 価値観が多様化し、益々複雑になっていく上に、技術革新による進歩が目覚ましい現代社会。我々が指針とすべきものは何であるのか。追い求めるべき理想像とはどんなものであるのか。明確な答えが出ずとも、思考するチャンスを与えてくれた、この作品に出会えたことを幸運に思う。

補足:
やっぱり今回も狡噛さんはかっこよかった。
私は個人的に喫煙を迷惑に思ってしまうが、狡噛さんならもう仕方ない。どうぞ空気を汚染してください!!と思ってしまった..。

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