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1万円をにぎりしめて

最近、ちょっとした習慣をつけた

数週間前にTwitterで流れてきた おしゃれな貯金方法を取り入れたのだ

原稿料が入ってくる月末
必要経費や息子の教育費を支払ったあと
1万円だけ封筒に入れて、シーリングスタンプで封をする

100円屋さんで売っている、チープなものだ

”わたし えらい”
”今月もおつかれさま”
”締め切りキツかったなー”
”いい作品書けた”
”あれはもっと計画的に書いたらちょっと違ったな”

息子が眠りについて静まり返ったリビングで
熱にとけてぽとぽと垂れるシーリングを見つめながら自分で自分に話しかける

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目的は貯金ではない

これは、私がライターとして
人に求められた証
私が必要とされた勲章

箱の中が増えれば増えるほど
私はライターとしての誇りを持てるのだ

この封筒を使う目的はたった1つ

新たな出会いと発見を求めて
カメラ片手に旅に出る

持っていくのは封筒1枚だけ
つまり、1万円

”1円も残さず使い切る”

これが私のルール。

開けた封筒には、写真を入れて
再び封を閉じて別の箱に入れる。

お金は消えるけど、それ以上の価値が手元に残るのだ。

誰かを思ってお土産を買うのか
自分に何かを買うのか
素敵な体験をするのか
美味しい食事をするのか
それとも募金をするか

すべては、その時の自分次第

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この封筒は次の旅先で
何と縁を繋いでくれるのだろう

そんなことを考えながら
今日も1日原稿を書く

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