ちゃむ

初めまして こんにちは ちゃむです ヨロシクね!

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田舎の猫 街に行く 閑話(1) キャティの独り言

 「惜しかったわね~音子ちゃん。ニアピン賞まで後1歩だったのに……」  私はキャティ。猫人たちの守護神のようなものだ。アンドロイドではない。でも当たらずとも遠からずって言えなくもないわね。この世界には私のようなのがいくつも在るから。    正直『私以外の者たち』が今何をしているかは知らないし、知ろうとも思わない。でもまあ……一部を除けば多分元気なはずだ。    「この世界に転生した者は記憶が封じられている……か。見え見えのウソに気づかないなんてねぇ。だったら、洗浄トイレも

    • 田舎の猫 街に行く 第三十四話

      田舎の猫 語り始める  スパッ……スパパッ……スパスパッ    「……ねぇ……アレって大丈夫なん?」    スパッ……スパスパッ……スパパパッ    「大丈夫とはどういう意味ですの?」  「あー、エネルギー切れで止まっちゃったりとか?」  私は上空の空飛ぶ円盤を見ながら言った。  「それはないですわ。アレは周りの魔素を取り入れながら動いてるので、止まることはありませんわ」  夕食のニンジンソテーをフォークに刺しながらラビィは言った。  あれから何度も何度も……鬱陶し

      • 田舎の猫 街に行く 第三十三話

        田舎の猫 ダンジョンを進む  殴る、蹴る、切り裂く、射る。それぞれ敵を狩り取って行く。およそ100体程倒した頃だろうか、敵が湧いて来なくなった。  「ようやく止まったわね……」  私がそう言うと  「まだ油断しちゃダメですよっ!」  と相変わらずリーシャから檄が飛ぶ。  「そうね……でも一旦休憩して作戦会議しない?」  私はそう提案して座り込んだ。そして周囲を取り囲むように『フィールド』を展開する。  ラフィにも舞うのを一度止めるように言ったのだが、沸き上がるパッシ

        • https://www.instagram.com/reel/C9MmxNtPW3M/?igsh=bzRoejgzdzU0Znps

        田舎の猫 街に行く 閑話(1) キャティの独り言

          田舎の猫 街に行く 第三十二話

          田舎の猫 接敵する  ダンジョンに突入した私たちはその異様さに驚いた。覚悟はしていたつもりだったけど、そんなのは根底から覆るような異常さである。  ダンジョンは大きく分けて2通りに分けられる。一つはオーソドックスな迷宮型、もう一つは塔型である。分かりやすく説明すると、前者は前の世界の有名なゲーム『リザードリー』の世界であり、地下迷宮を彷徨い最下層を目指すタイプだ。  それに対して塔型とは、文字通り『ラベルの塔』のような巨大な建築物の最上階を目指すタイプ。前の世界では

          田舎の猫 街に行く 第三十二話

          田舎の猫 街に行く 第三十一話

          田舎の猫 ダンジョンに突入する  そのダンジョンはファティマ村から北に2時間程離れた所にあり、帰らずの森とは隣接している。マーシャさんとリンクした後彼女をインドアに招き入れた私は、ダンジョンにへ一瞬にして跳んだ。そこでマーシャさんを放出した途端彼女が顔をしかめた。  「これは……こんな……」  「どうしたの?」  私が聞くとマーシャさんは絞り出すような声で呟いた。  「ダンジョンから瘴気が漏れて周りに広がっています。スタンピードの兆候が……。まだ1年しか経ってないの

          田舎の猫 街に行く 第三十一話

          田舎の猫 街に行く 第三十話

          田舎の猫 捜査する  「は? 今なんて……」  マーシャさんからその報告を聞いた私は我が耳を疑ったわ。どういうこと? もう一度ぷりーず……  「ですから『世界樹の若木』がなくなりました。正確に言えば盗まれたようです」  待って待って。『世界樹の若木』ってリーシャの話では『帰らずの森』の中に植えられていたはず。誰が、どうやって盗めると言うの?  帰らずの森の中に入って目的の場所にたどり着けるのはエルフに縁のある者だけのはず。このファティマ村でもエルフとハーフにしか

          田舎の猫 街に行く 第三十話

          田舎の猫 街に行く 第二十九話

          田舎の猫 村の生活を謳歌する  さて…… こんな物の存在を知ってしまったらやることは一つだろう。そうだ、世界樹の葉の大量生産である。覚えているだろうか? 私のインドアには植物を超促成栽培できるという能力があることを。 私は早速リーシャに事情を話し、世界樹の苗木を手に入れられないか相談した。するとリーシャは難しい顔をしてこう言った。  「葉から苗木を生み出すのには最低でも数ヶ月はかかるのです。今世界樹の木は若木で、幹を傷つけたりすると枯れてしまう恐れもあるので……」  

          田舎の猫 街に行く 第二十九話

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          虹猫シリーズ

          虹猫シリーズ

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          田舎の猫 街に行く 第二十八話

          田舎の猫 世界樹の葉を手に入れる  ファンタジー名物『世界樹の葉』。この葉っぱの効能には凄まじいモノがある。  前の世界のゲームでは、死者もHP満タンで甦るし、持ってるだけで魔力は常に補充され、体力も回復する。果てはお財布に入れておけば金運も上昇するという伝説級のアイテムなのである。  「これをどこで手に入れたのっ?」  私は思わずリーシャの襟を掴み、ワシャワシャと揺さぶりながら聞いた。  「ちょっ、待って待って。死んじゃう、死んじゃうぅ~っ!」  リーシャ、この娘も大

          田舎の猫 街に行く 第二十八話

          田舎の猫 街に行く 第二十七話

          田舎の猫 寛ぐ  「凄い……凄すぎる……。エルフの本気こえぇ~」  元の世界にもこんな恐ろしい施設はなかったんじゃないだろうか。温泉、休憩室、マッサージルーム、レストランはおろかバー、更にはカジノまで完備の複合施設。特に恐ろしいのは温泉風呂付きのご休憩施設があることだ。つまりはそういう事である。ここは男性諸君の職場でもあるのだ。  こんな施設が1日やそこらで建つわけがない。マーシャさんたちがキャンプをしている間に村人総出で造ったに違いない。今回の事は何から何まで計画的な

          田舎の猫 街に行く 第二十七話

          田舎の猫 街に行く 第二十六話

          田舎の猫 ファティマ村に戻る  村に着くと早速サーシャが出迎えてくれた。私がインドアから奴隷たちと移住希望の者たちを放出すると、サーシャは喜びの叫び声を上げた。 「すごぉい、男の人がいっぱいだ~。私サーシャでっす。ヨロシクね~」 うわ、思いっきり媚びってるわ。可愛いかよ……うん、可愛いね。  サーシャの可愛さに魅了されて、既に顔が蕩けきってる男もいる。ダメだぞ、触ったら逮捕だ。『いえす ろりーた のーたっち』はこの世界でも同じなんだからな。      そう思って身構えている

          田舎の猫 街に行く 第二十六話

          田舎の猫 街に行く 第二十五話

          田舎の猫 町を出る  男の家に着くといきなりラフィが土下座した。驚いて固まる男とその母親。私もラビィも驚きの余り声も出ない。  「わ、私勘違いしてて……」  そこからラフィが何故、どのようにして男の母親に『呪い』をかけたかという話が延々と続いた。  男と男の母親はラフィの話を黙って聞いていた。そしてラフィの話が終わると母親の方がこう告げた。  「ありがとね、お嬢さん。貴女のお陰で最近息子が私にとても優しくしてくれてたのよ。とっても嬉しかったわ……」  男も続く。  

          田舎の猫 街に行く 第二十五話

          田舎の猫 街に行く 第二十四話

          田舎の猫 遅い朝食を食べる  ここでの仕事は終わった。ファティマ村に帰ろう。その前に食事をしないと……  朝からてんやわんやで朝食を食べ損ねていた私は、人攫いの男と共に近場のレストランに入った。そういえば奴隷の彼等は朝食をちゃんと食べたのだろうか? ふと気になって男に聞いてみると、奴隷商人がちゃんと食べさせていたとのこと。ならいいかってことで私はボリュームのある朝食を頼んだ。  仕方ないじゃない。ただでさえ遅くなったのよ。お腹がペコペコなんだから。男は家を出る前に母

          田舎の猫 街に行く 第二十四話

          田舎の猫 街に行く 第二十三話

          田舎の猫 奴隷を手に入れる  命があるならば例え首から下がなくても元の体に戻るというチートさが売りの『リカバリー』。このスキルのチートさは、ゾンビでさえ生き返らすことができるんじゃないかと思うほど。ま、実際のところはゾンビは死んでるから無理なんだけどね。  その力で元の体に再生された奴隷たちは正に狂喜乱舞した。涙を流しながらお互いに抱きしめあい、大声で私に感謝の言葉を述べ……。ついでに私に抱きつこうとした男の奴隷は蹴っ飛す。どさくさに紛れて乙女に抱きつこうなんて考えは甘い

          田舎の猫 街に行く 第二十三話

          田舎の猫 街に行く 第二十二話

          田舎の猫 奴隷を再生する  「貴女がラビィ?」おもむろに私は聞いた。  娘は不思議そうな顔をすると  「えっと……どこかでお会いしたことありました?」  そう答えた。  「いいえ、貴女のお友だち……ラフィから聞いたの。最近ここの奴隷商で『働き始めた』そうね?」  そう言うと彼女は納得したというように笑顔を浮かべた。  「ラフィのお知り合いですのね。ラフィはお元気ですの?」  そこまで彼女が言ったところで奥から小太りの男が出て来た。  「ラビィ、どうした?」  「あ、マスタ

          田舎の猫 街に行く 第二十二話