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花粉症にオススメの漢方薬

漢方では花粉症の原因は「水滞」と考えています。水滞とは体の中の水の代謝が悪くなっている状態です。

花粉症の代表的症状は鼻水で、これは、水の代謝ができずに鼻からあふれ出ている状態と考えます。漢方では少しねばりのある代謝できずに余った水分を『痰』といいます。

この『痰(水)』に関わる五臓は、『肺』と『脾』です。

脾と水

脾は消化吸収機能を主っているところで、ここが健康であれば、水はさらさらと巡り、代謝が正常に行われますが、何らかの原因で機能が衰えると、水はどろどろと痰化して、身体のあちらこちらにこびりつきます。

肺と水

脾が作った水(痰)は肺が引き受けて全身に呼吸、汗、尿として代謝、排せつされますが、痰化した余分な水分は、肺と通じる鼻を通してあふれてきます。
これが鼻水です。

鼻水を大まかに2つのタイプに分けると、

白くサラサラした鼻水タイプ

身体が冷えている人に多い鼻水で、このタイプには【小青竜湯】が効きます。 肺を温めて停滞している余分な水(痰)を除去する構成の漢方薬です。
身体温めの生薬が【乾姜、細辛、麻黄、桂皮】で、水によるむくみ等を取り去る生薬が【麻黄、細辛】、胃の水を抜く生薬が【半夏】、あたため過ぎて発汗しすぎを予防する生薬が【芍薬、甘草】、発汗を抑制する生薬が【五味子】です。

【小青竜湯】に近いもので【苓甘姜味辛夏仁湯】がありますが、
これは、症状が長く続いている人に向いている漢方薬です。麻黄、桂枝抜いて(麻黄は高血圧の人は長く使えない)、水(痰)の巡り、除去をさらに強化する茯苓と、咳を改善する杏仁を加えたものなので、虚弱の人にも長期に使える漢方薬です。

鼻が詰まっているタイプ

ストレスが多く、熱がこもりやすい人に多く、色は黄色みががることもあります。このタイプには、【辛夷清肺湯】が効きます。肺の熱を冷まし、炎症を取る生薬の構成でできています。
鼻通りを良くする【辛夷】以外は、炎症などの熱を冷やす生薬が使われています。【びわ葉、麦門冬、知母、百合、升麻、石膏、黄芩、山梔子】
副鼻腔炎の治療にも使われる漢方薬です。

これらは、対処療法としての漢方薬ですので、根本的に花粉症を改善した方は、『脾』働きを上げられるような生活習慣、食習慣が大切です。
そのことによって、アレルギーが改善しますし、水の代謝もよくなり、水滞による不調も起こらなくなります。

今年は花粉の量がとても多いそうですね。食習慣を見直しながら、もう少し頑張りましょう♪

 





五臓
脾と肺

鼻ー肺
「肺は痰を貯めているところ」「脾は痰を作るところ」
脾で痰を処理できず → 痰が肺にたまる 鼻からあふれる (鼻の病気は肺の問題)


花粉症に効く漢方薬を構成している生薬から花粉症はどのようなものなのかを知ることができます。

①白い水のようなサラサラした鼻水がよく出るタイプ
 身体が冷えている人に多い 

 【小青竜湯】(表)
 肺を温めて停滞している寒性の余分な水分(水毒)を除去する構成の漢方薬
 身体温めの生薬(乾姜、細辛、麻黄、桂皮)
 とくに水によるむくみ等を取り去る生薬(麻黄、細辛)
 胃の水を抜く(半夏)
 あたため過ぎて発汗しすぎの予防(芍薬、甘草)
 発汗を抑制する(五味子)

 【苓甘姜味辛夏仁湯】(裏)
 (解表の桂枝と麻黄が入っていない、もっと症状が進んだ状態に)

②鼻が詰まっているタイプ
 ストレスが多く、熱がこもりやすい人に多い。

 【辛夷清肺湯】
 鼻がつまっている、少し黄色い鼻水が出る人。→熱がこもって炎症になっている。
 辛夷 以外は肺熱を冷まし、炎症を取る生薬 の構成
 辛夷→鼻腔を通す働き

(※ 征夷大将軍)
 
③風邪症状のような鼻づまりに近い

あと10分です

【葛根湯加川きゅう辛夷】

漢方薬の利点:
眠くなる薬剤は入っていない


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