見出し画像

クレープ屋さん事業がめっちゃ黒字だけど失敗だったこと。

こんばんは。
品川区大崎駅近くで「おおさきっちん」というクレープ店をワンオペ経営している渚です。
(他にもいくつかフリーランス的な感じでお仕事しておりますがそれは今回関係ないのでスキップ)

2021年11月20日にオープンして、現在8か月目。
売上はというと、おかげさまでまぁまぁ順調でして、初期費用はそろそろ回収できたかな?という感じです。(初期費用が安かったのもありますが)

今回は、そんなクレープ店で成功していると思うことと、その成功を踏まえてもこの店舗が「私にとっての失敗」だなと思うことをお伝えしたく、Noteを書き始めました。

ぱっと見成功しているように見えるし私もそう考えられると思うこともあるのですが、やはり違うな…と思うことも多いので、そこを詳しく文に起こしておこうと思います。

今回の「失敗」は、直結でイコール「ネガティブ」「後悔」とかではないです。

クレープ店で成功していること

成功していることは、「売上」「ニーズとの合致」「自己実現」の3つです。

〇売上が好調

これはシンプルに、売上がオープン以来ずっと好調、というところです。
12月頃の売上は店頭とデリバリー、EC等合わせて50万円くらいだったのですが(それでも黒字スタート)、今年の4月5月はとても売上が好調で、合わせて100万円/月を超えたときもありました。ワンオペで5坪のキッチンで、かつ営業時間は6時間×週5日という短時間営業なので、とてもいい売上だったのかなと思います。

要因としては、

  • リピーターさんがついてきた

  • 近くの大学の授業が対面で再開された

  • 様々なSNSやWEBサイト、媒体で紹介していただいた

  • できる施策は全部やってきた

あたりかなと思います。

リピーターさんは会社員の方が多いのですが、会社帰りにご家族に買って行ってくれたり、おやつに食べに来てくれたり、会社のみんなのために買いに来てくれたり。
11月から地道に営業してきた甲斐があった+疲れているお勤めの方々の癒しになっているのかな・・・と思うと嬉しくなります。

また4月から近くの立正大学が対面授業を完全復活されたみたいで、たくさんの大学生が「こんなところにクレープ屋さんできたの?!!」とみんな足を運んでくれました。

さらに、WEBニュースの品川経済新聞さん、RETRIPさんのYoutube、ヴィーガン系のインスタグラマーさん、等様々な方が当店を取り上げてくれたことも大きな要因です。
知り合いや友達がわざわざ来てくれたり、さらに友達に紹介したり連れてきてくれたりも多くあって、そのたびに感動しています…!

あとは、私がなるべくコストを掛けずにできることを目いっぱいしてきたことも一役買っている気がします。
例えば

  • お菓子のガチャガチャを置いて話題性を作る

  • LINE公式アカウントを作ってクーポンを配布

  • 分譲マンションでやれることは限られているけれど幟など可能な限り視認性を高める

  • メニューチラシを作って24時間取れるように店頭に置いておく(SNSだけでなく紙媒体も強いので)

  • 寒い時期にはホットクレープ導入、夏にはアイスを導入

  • デリバリーでは「豆乳ホイップ」「抹茶クレープ」など特色を強調した展開をする

などなどです。
まだやってきたことは山ほどありますが、細かすぎると記憶にないので…

売上についてまとめると、

  • リピーターさんがついてきた

  • 近くの大学の授業が対面で再開された

  • 様々なSNSやWEBサイト、媒体で紹介していただいた

  • できる施策は全部やってきた

という要因の結果、最高100万円を超える売上を完全ワンオペ経営で達成できたということです。
まあ運がよかったのもありますね、間違いなく。笑

〇需要(ニーズ)に合っていた

2つ目の成功は、その土地にクレープ屋さんを求めている人たちが多くいて、ニーズにマッチした事業ができているということです。

それまで大崎駅にも隣の五反田にも、クレープ屋さんは個店ではなくて、近くても渋谷や有楽町などに食べに行くしかなかった、とお客さんから聞きました。
クレープ屋さんってマイナーなので、飲食店を開業するときの候補になかなか入らないというのと、大崎/五反田はサラリーマンがやはり多いので出すなら居酒屋系の方がニーズがある、ということで出されていなかったのかなと思います。

男性でも甘いものが好きな人はかなりたくさんいて、さらに原宿などの女子がたくさんいるような場所には行きにくい、という会社員の方々の需要には、ぴったり応えることができているのかなと思います。

この間まで大学生だった私からしたら、大学の近くにクレープ屋さんができたら嬉しいですし…笑

ここに関しては予想以上のニーズがあって、開店してから私もびっくりしています…!

〇自己実現(夢を叶えること)ができた

開店する一番のきっかけ、理由がこれです。
”将来自分の飲食店を開いて、自分が作るお菓子を食べてもらいたい、そしてそれを仕事にしたい。そしてお金を気にせず経営したい。”
というのが私の高校生からの夢でした。

まさにそれを23歳で叶えられたというのはとても有意義だったと思うし、やれてよかったと思っています。

お店のほかに仕事をいくつかやっているので、個人として赤字になる心配もあまりなく、当時描いていた理想の働き方ができているような気がします。

実際友達にも来てもらえたり、店舗を持っているからこそできることは山ほどできています。
なので自己実現の場所として、申し分ないくらいに夢を叶えられたというところはあります。ありがたい限りです…

ではなぜ「失敗した」と思うのか?

上記で成功した点をいくつか挙げましたが、ではなぜこのクレープ店が「私にとっての失敗」なのか、ということですよね。

結論を言うと、
「これを続けた延長線上に自分のなりたい未来像が浮かばなかったから」
です。
ぼやっとしていますので少し細かく説明します。

クレープ店で「失敗」したと思うこと

クレープ店経営で失敗したと思うことをいくつか挙げます。ただここでいう「失敗」は、”学べてよかった”という「教訓」のようなものです。後悔しているわけではありません!

〇自分がコンセプトのお店なので離れられない

これが正直一番大きな失敗(学び)です。
「自分のお店を持つのが夢」という人にありがちですが、自分のお店は自分が立ちたい、となってしまいますよね。
商品に愛がある、というより、自分がお店を開く/立つということに情熱がある、という感じです。

でもこれは悪いことではなくて、小さなお店を持つにははやり「そのお店のファンを作る」ということが重要なので、ファンが”オーナー”についているお店、というだけです。

実際小さなワンオペのバーやスナック、小売店などはそのオーナーさんの人柄ありきで成り立っているところが多々あります。全然それも正解だと思います。

ただ私の場合なにが失敗だったかというと、
「店舗開業/経営が夢のゴールだと思っていたけれどそれはゴールではなかった」ということです。

店舗を持って長く続けるということがゴールであれば、このまま地道に営業していけばある程度のファンも付いて、いい感じに経営していくことができる気がします。

私も高校生~オープンして経営するまではそう思っていました。

ただオープンして経営していくうちに、
「このまま5年10年続けて35歳とかになって、どんな人生になっているのか?」
という問いに答えが見いだせなくなってしまいました。(現在進行形)

正直、このまま店頭で週5日立つのはつらいです。

「誰かに任せればいいじゃん」と言われることもあるのですが、そこは「自分がコンセプト」の障壁で、めちゃめちゃ大変なのです。
自分以上に責任感をもって売ってくれる人なんて正直いません。そこを仕組みで何とかしたとしても、懸念点は山ほどあるのです。

あと最近話題になった「ワンオペ問題」というもので、バイトで1人だけで回すのは色々と問題があるのです。(安全面や体力面等)うちのクレープ店だと2人以上が同時間帯に入るのは面積的にも無理があるし、第一、そこまでの売上は私でもあがっていません。

ということで、自分のお店を誰かに任せられないので自分が週5日×6時間(仕込みと片付けを入れると8時間とか)拘束されてしまうのはきつすぎました…
「自分がコンセプト」というのは今の私には、”できてしまう”からこそやらないほうがよかった気がしています。(自画自賛?ですみません)

〇店舗で感じた感情や体験を共有できる”仲間”がいない

飲食店のアルバイトは何年も色んな所で行ってきたので、店頭に立って製造販売する、というのは慣れっこです。

接客に関しても、どう話したら楽しく話してくれるのか、少しでもいい気分で食べてもらえるのか、は普通以上にはできているつもりです。

ただ、「自分のお店で1人で店頭に立つ」ということは、営業時間が6時間であれば6時間、1分も気が抜けないのです。
バイトは1人ということはなかったですし、褒めてくれたり注意してくれる、ともに愚痴を共有出来る仲間がいます。

そんな中感情を共有できる仲間がいない、というのはかなりのデメリットだなと思いました。
上記でもお伝えしたように誰かを雇うということは難しいし…。

例えば1人で店舗にいるときにちょっと怖い思いをしても、それを知る人は自分だけ。
正直他の人に相談する、というのもおっくうです(自分で最後はどうにかするしかないので)。

・・・ということで、今回失敗したのは

  • 自分がコンセプトなのでお店を離れられない

  • 店舗で感じたことを共有できる仲間がいない

ということでした。


ただ、上記の失敗も後悔しているわけではありません。
これを学んだことを踏まえて、次の行動を決めていこうと思っています。

やっぱりお客さんに喜んでもらえる瞬間が救い

そうはいっても、今まで店舗を継続してこれた理由はやっぱり確実に

お客さんの笑顔が見れるから

です!!
億劫な日でも、常連さんが来てくれるかもしれないし頑張ろう!と今まで頑張ってこれています。

本当に、自分は一人が好きとかいいながら、みんなに支えられているのだなあ。としみじみしています。

久々にNote書いてこんなに長くなってしまいました。
お付き合いいただいた皆様、ありがとうございます🙇

これからは暑さと台風の季節!!!戦っていきましょう!!!🔥笑


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?