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健康食品の歴史から今を紐解いてみる

こんにちはチャボです。
すごい仰々しいタイトルになってしまいましたが 笑、今回は健食の歴史について紐解こうと思います。

今回実は、内容作成しながら感じたことを画像にしてます。
温故知新という諺がありますが、本当にそうだな。。と今回の内容を作ってみて本当に感じました。それでは内容に入っていきましょう。

この章の全体

市場カオス時期 まともな健康食品なんて存在しない(〜1980)

だいたいどんな産業も、初めはカオスな時期があるものです。
日本でも1980年まではそのような状態でした。あぶない健康食品の産業が続いており医薬品の代わりになるような広告、宣伝が続いてました。薬機法の制定や46通知が出たのもちょうどこの辺で、まさに健食カオスの時期だったと言えると思います。
YouTubeの薬機法の回でも紹介した、いわゆるカオスな健食時代だったと言えます。

YouTube 2回目 薬機法会の内容

市場創生期 制度化されてきた健康食品(1980〜)

この時期から健康食品がようやく足下をつけ始めます。
その要因は大きく2つです。

①厚生省に「健康食品対策室」が創設
もともと上記の規制の意味合いで生まれましたが、それと同時に産業育成の指針もここの部門が制定することになります。健食の産業は、医薬品のような広告表現で顧客を騙すことがなければ健全に産業となりうることを当時認識されていたのかもしれません。

②JADMAの創立
ちょうどこの頃、アメリカからのサプリ流入が多く訪問販売が猛威を振るう時代でした。この時期に現在の通販における業界団体のJADMAが設立されます。
訪問販売ではできないことを、通販ビジネスがここから行いながら大きな成長を遂げていきます。(余談ですが、現在海外ビジネスを実務で担当しており、やはり健食の導入期は訪問販売、口コミが中心になるんだなぁ。。とあらためて感じました。)

上記2点があり、少しずつ健康食品が産業化されていきます。
これがまず1つめの転機になります。

市場拡充期 テレビ番組で企業の在庫を消す時代(1990〜)

1990年に入り、市場の枠組みが変わる大きな出来事が起きます。
1991年の、特定保健用食品の制度設立です。当時の栄養改善法の改正に伴い、「国」が健康機能を評価し表示を許可する制度として誕生しました。
これによって、健康食品の市場がやや安全というイメージを持たれつつ、さらに市場を押し上げる大きなムーブメントが起きます。

1995年のためしてガッテン、1996年にあるある大事典が放送開始。
これくらいの時期から、空前の健康食品ブームが生じます。

カテキンが風邪に良い、ダイエットに唐辛子、コエンザイムが若返りなど、さまざまな素材が健康に良いことがニュースになり、その商品が市場で大きなトレンドとなる時代の幕開けとなります。(時期は少しずれますが、あるある大辞典で納豆が取り上げられた翌日にスーパーから納豆が消える。なんてこともありましたね笑)
ある意味では消費が活発と捉えつつ、企業側からすると安定生産なんてあったものじゃない、とんでもない時代だったと思います。
(私の上司の方から聞いた話だと、コエンザイムQ10の取り上げがあるとわかると、前週から製造部門に掛け合って作りだめをすることなどもあったらしいです。すごい時代だなぁ。。。と思いますね 笑)

当時の転倒画像 〜おかだよしひろーぐより引用〜

こういった健康食品ブームが10年以上続き、健康食品は経済を引っ張っていくような動きが当時ありました。しかし、、、

大きな市場転換期 〜安全性・機能性への警鐘〜 (2006〜)

2006年以降、健康食品への警鐘となるような事件が立て続けに起こります。

アガリクスショック(2006年)

アガリクスの発癌作用について厚労省が発表を行いました。
もともと癌予防のためにとられていた健康食品でもあり、これによって一気に健康食品の安全性について注目が高まります。
これに輪をかけるように「大豆イソフラボン」でも目安を30mg以内に抑えるべきというような公表があり、健康食品への安全性について暗雲が立ち込めます。

4.13事務連絡(2007年)

当時健康食品業界に従事していた方であれば、知らない人はいないと思います。
当時厚労省が各メーカーのうち効果効能を暗示するとした製品名一覧を公表し、改善要請を出した内容です。
法的拘束力はないとした上で、お上が企業の製品名を個別に挙げて要請を出したのは初の事例と言ってもいいでしょう。それだけ匂わせの健康食品が市場氾濫していたという事例となります。
当時の資料がもうほとんど上がってこないですが「4.13事務連絡」と
検索すれば少しは見つかるかもしれません。以下が一覧ですが面白いですね。これが普通に売られてた時代はなんだかんだでカオスです・・・。

当時厚労省からの提示文章

エコナ事件(2009年)

花王の食用油「エコナ」について、含まれる「グリシドール脂肪酸エステル」が動物試験において、体内で発がん性物質に変わる可能性をドイツの研究機関が報告。
これによって企業は販売中止に追い込まれるなどが生じました。

市場は一度振り出しに

こういった世の中の影響を受けて、今一度市場の流れは「食」に戻ります。
オルニチン、乳酸菌飲料、トマトのリコピンなど、いわゆる食品の素材の健康効果が着目されはじめます。そこにうまく入り込んだ企業が、この時代は身長を果たします(協和発酵バイオ・・・オルニチン市場のパイオニア/明治・・・R-1で免疫市場のリーダー/カゴメ・・・野菜産業でリコピンの拡大牽引)

市場再拡大のきっかけ 機能性表示食品(2015年)

市場の再拡大のきっかけとして、2013年安倍さんが機能性表示制度の宣言を行い15年から制度が始まりました。
16年に日本サプリメントがトクホでやらかしたことも相まって、機能性表示が順調に拡大を見せていきます。

ただ、機能性表示もこれ以降市場の拡大やコロナの影響、小林製薬の問題で大きな影響を受けていきます。これ以降の内容は別記事にて紹介してますので、よろしければそちらをご覧ください。

最後に

この記事を書いてて感じたこと。
それは「歴史は繰り返す」です。

サプリメントは何かしらの目的を持って摂取する反面、その品質について担保する仕組みが他の食品産業ほど担保されていない実情から「安全性」「機能性」のどちらかがぐらついた時代に大きな変遷が来るのかなとこの記事を書きながらあらためて感じました。

おそらく24年は、機能性表示の制度へのメス入れが入るため、また大きな市場変革期となると考えられます。
市場の動きに注目しながら、現状のビジネスをうまくローリングしていくことが求められていますね。
それではまた、次回お会いしましょう。

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