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私のお気に入り〜カフェ編vol.1〜

私はコーヒーが苦手だった。苦いし、どう味わったら良いのか分からないし、楽しめるものじゃなかった。一生縁のないものだと思い込んでいた。

近所に、北欧系のカフェが出来てそこは私のお気に入りの場所になった。こじんまりとしているから、混んでいる時は本当に「混んでる!」って感じるぐらいの広さだけど、お家に居るような感覚で過ごすことができるのが気に入っている。

そこのお店は、ワッフルやオープンサンドが売りらしいんだけど、私は北欧ミートボールを激推ししたい(笑)普段、食べているあの茶色い色のミートボールではなく、ここのお店は何て言うんだろう、クリーム色?(写真参照)をしている。スパイスが効いているのかご飯は進むし、ソースを一滴も残さず食べた。最近は、甘いものばかり頼んでいるからまた食べたいな~。まだ、食べ方が分からず頼んだことのないオープンサンドも食べたい。とにかく、食べたことのないものも全部美味しそう。

あ、忘れていた本題に入ろう。カフェには絶対と言っていいほど、コーヒーが圧倒的な割合でドリンクメニューを占めているように思う。実際、このお店もそうだった。慣れない私はしばらく、カフェラテでもなくハーブティーを頼んでいた。

でも、「ちょっとここのお店のコーヒーを飲んでみたいな」とふと思い立った。季節のコーヒーが書かれていたからだ。
”限定ブレンドコーヒー「薫風」”
それが初めて自分の意思で頼んだコーヒーだった。「薫風?何それ?」と。知識のない私がばれてしまうがまあよしとしよう。

”初夏の若葉や青葉の香りを含んだ穏やかな風。”

暑かったり寒かったりするこの季節に、アイスの気分ではないけど少し軽めのコーヒーが飲みたい方にお勧めです、と書かれていた。
何より「限定」という文字に弱いし、それ以上に季節を感じる風味がとても気になった。コーヒーを普段飲まない私でも、飲みやすいのかな?と勝手に解釈した私は、ドキドキしながら初めて自分でコーヒーを頼んだ。

「え、飲みやすい・・。」私の記憶の中にある、誰かに勧められて飲んだコーヒーは苦かった。それか、記憶の中の私が苦いと感じたのかもしれない。爽やかだけど深い香りと、優しいまさに穏やかな苦みが広がった。コーヒーを飲むと胃が痛くなったりなんとなく胃もたれをしてしまう私だが、時間が経っても心だけでなく胃の中も穏やかなままだった。

「薫風」というコーヒーに出会ってからは、コーヒーを楽しむという何ともお洒落な余裕が出てきた。なんだか、大人の仲間入りをした気分で嬉しい。そうやってはしゃいでいる私はまだまだ子どもなのかもしれない(笑)
あれだけ避けていたはずなのに、コーヒーの香りや味をゆっくり堪能する時間の幸福感を感じることができるのは本当に嬉しい。
コーヒーには色々な種類があってどの系統のコーヒーが私に合っているかもだんだんと分かってきた。どうやら、アメリカやブラジルなどのコーヒーは私には、刺激が強かったのかもしれない。

自分に合っているものと出会ったことで、苦手だったものが好きに変わった。これは、人生の色々なことに言えるのかもしれない。

(追記)
後から気づいたのですが、"コーヒーが好き"というよりは、このお店で飲むコーヒーが好きなのかもしれません。店主の方が、基本的にブレンドしているので、その方のセンスが私に刺さったのだと思います。いやー、しかし、私は豆には全く詳しくないので、数ある中からピックアップしてブレンドするなんて…、本当に凄いです。


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