08パリの微熱 3月18日

朝から微かに頭痛がしており、他の同行者たちとは別に、この日はホテルに留まることにしました。異国の地で、一人毛布にくるまりながらうとうととしていると、室内の電話が鳴りました。外国での電話応答は初めてでしたが、恐る恐る「ハロー?」と応答すると、日本人の女性の明るくはっきりとした声が聞こえてきました。彼女は岩崎さんを訪ねていたものの、不在だったため、電話が私に転送されたのでした。

身支度を整えてフロントに降りると、野田さんと名乗る女性がロビーにいました。まだ岩崎さんたちは外出中であることを伝え、少しの間ソファで話をすることにしました。野田さんは、20代後半で目が大きく聡明そうな印象の女性でした。彼女はパリの日本人向け土産物店で働いているとのこと。フランスで働くには労働許可証が必要であるにも関わらず、彼女はそれを持っていないと告げました。パリでひとりで働く彼女の美しさと堂々とした態度に、私は大人びた印象を受けました。

野田さんとの会話は、一人で困難を乗り越えて働く女性の強さを感じさせるものでした。彼女の話から、私は少し勇気をもらいました。この出会いは、私が感じていた不安や萎縮を解くための、神様からの応援メッセージのように思えました。

一歩を踏み出すことの重要性を改めて感じさせられました。見えない先に対する恐怖はよくあることですが、何も行動しなければ何も始まりません。リスクを恐れずに、一歩踏み出すことで新たな発見や成長があります。そして、もし犬の糞を踏んだとしても、それを拭き取って前に進むことが大切です。

夕方、同行者たちが帰ってきた時、彼らは私のことを心配してくれました。彼らからのクロワッサンの差し入れをいただきながら、パリでの初めての食体験を楽しみました。初めて味わう本場のクロワッサンの味は、甘さとほのかな塩味が絶妙でした。


パリの一つ星のホテルの中でも一番安いのがいわゆる屋根裏部屋だ。ひたすら螺旋階段を上った先にその部屋はある。でも窓を開けると眺めが良いのでお気に入りだ。

【パリのホテルの格付け】
パリのホテルは星の数によって区分され、その快適さ、アメニティ、サービスの質が示されます。それぞれの星のレベルは以下のような特徴を持っています:

  1. 一つ星:最も基本的な宿泊施設。小さな部屋(最低9平方メートル)と限られたサービスが提供されます。受付は日に最低8時間開いています。

  2. 二つ星:少し快適なホテルで、やや広い部屋があります。受付は少なくとも1日10時間開けられ、スタッフはフランス語以外の他のヨーロッパ言語を話すことが求められます。

  3. 三ツ星:より快適な宿泊施設で、最低13.5平方メートルの部屋に専用バスルームが備わっています。インターネット(公共エリア)やバーなどの追加サービスが提供されることが一般的です。

  4. 四つ星:高品質の宿泊施設で、最低16平方メートルの部屋があります。デスク、国際的なテレビチャンネル、エアコンなどの設備が備わっています。大きなホテルでは受付が24時間開けられています。

  5. 五つ星:最高の贅沢を提供するホテルで、複数言語を話せるスタッフ、24時間のルームサービス、ホテル内ダイニング、スパやプールなどの高級アメニティがあります。部屋は広々としており(最低24平方メートル)、設備が整っています。

さらに、「パレス」と呼ばれる特別なカテゴリーがあり、ファイブスターの基準を超えたホテルに与えられます。これらのホテルは独自の特徴と非常に高いレベルの贅沢を提供します。
これらのカテゴリーは、基本的なものから豪華なものまで、さまざまな旅行者のニーズに応えることを目指しています。それぞれの好みや予算に合わせてパリでの宿泊が選べるようになっています。


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