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C05イギリスで働くための「いろはのい」

ブライトンには外国の学生のために、必要経費を払えば労働許可証を発行してくれる公的な機関があります。今までいくつかの国ですでにバイトの経験済みでしたが、労働許可証がないため、すべて違法労働でした。バレれば、逮捕、日本への強制送還にもなりかねないヤミの労働でした。なかなかヨーロッパで働くにはハードルがたかかったのですが、旅の途中で出会ったある人から「イギリスでは夏休み期間中、アルバイトをする学生のために数ヶ月間だけ有効の労働許可証を出してくれる」という情報を手に入れたのです。そこで今回のイギリス行きを決めました。

労働許可証の発行手数料は数千円。自分の手持ちは、6000円。ギリギリです。ブライトンのその住所になんとか辿り着き、許可証の発行を依頼しました。多分それが、初めてのイギリス人との会話(昨夜の悪夢は「初めての…」にはカウントしない)でしたが、なんと聞きやすい英語なんだろうというのが、第一印象でした。私が、今まで学習の際に聞いてきた中学校~大学までの英語にしても、こちらに来て会話した英語にしても米語であったり、英語を母国語としていない人たちの英語でした。もちろんイギリスでも地域によっては、かなり訛りがキツくて聞きづらい英語もあるので、この生の正調イングリッシュとの初遭遇は、不思議な感動すら覚えました。まあそれはさておき、必要書類にパスポート情報などを書き込み、発行をしてもらうと、「働く場所は決めているのか?」と聞かれたので、まだだと答えると、では働き口を紹介しようかという話になりました。私は、今回こそ渡りに船ということで、リンゴ農園の夏季アルバイト生として働ける手続きをしてくれたのです。電話でその農園に問い合わせると、2~3日後から働けるということになり、とんとん拍子になんと働き口まで決まってしまいました。最後に必要経費を支払って、出口を出てきたときには、胸を張ってイギリスで働ける就労学生になれたわけです。

ブライトンはイギリスの有名な保養地であることを新たに知りました。何か決まると、周りの景色が一層明るく感じられます。イギリスの夏の日差しは湿度が低いためか、とても心地よく感じました。これまで経験したことのある爽やかな晴れの日とは異なり、今日の晴れは少し誇らしげです。暑さに誘われてアイスクリームを手に取り、駅のコインロッカーにバックパックを預けた後、観光客で賑わう街を散策しました。ドーバー海峡の白い絶壁を見たい一心で海岸線を歩き、丘を登るとそこから望む絶壁が目の前に広がりました。人目を引かないこの場所で、カモメが上昇気流に乗りながら舞い上がる様子を眺めました。カメラを岩に置き、セルフタイマーで記念撮影を試みました。一人旅の中で新たな勝利を手にしたような、そんな充実感を味わいながら、長年の憧れであったヨーロッパでの自分探しの旅が、次の段階へと進んだのを感じました。



7月のイギリスはとても過ごしやすい気候だ。上着を一枚脱いでドーバー海峡を渡ってくる潮風に吹かれてしばし休息だね。

【補足情報:ブライトンの観光情報】 ブライトンはイギリス南部の海辺の街で、長いビーチと文化的な活動で知られています。特に有名なのはブライトン・ピア、これは多くのアトラクション、アーケードゲーム、食べ物の屋台がある長い桟橋です。また、ブライトンはアートと若者文化が盛んで、多くのギャラリー、ライブミュージック、ビンテージのショップがあります。毎年開催されるブライトン・フェスティバルは、音楽、ダンス、劇場、映画が一堂に会するイギリス最大の芸術祭の一つです。歴史的建造物も多く、特に注目すべきはエキゾチックなロイヤル・パビリオンで、そのユニークなインド風の建築と豪華な内装が観光客を魅了しています。ブライトンはまた、LGBTフレンドリーな都市としても知られ、活気あるゲイコミュニティが存在しており、年間を通じて多くのプライドイベントが行われています。

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