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前世での誓い 〜ある難病の子のお話〜


今回は、ある親子のお話をご紹介しようと思う。

出逢ったころじゅんくんは、13歳だった。
難病で寝たきりのじゅんくん。
鼻からは、栄養の管が入っている。
カールの利いた睫毛の下からまっすぐで澄んだ瞳が見える。
言葉は喋れないけどお母さんが、時々、じゅんくんの思いを代弁してくれていた。
排泄のお世話も全てお母さん担当。

お母さんの名前は、明るい子と書いて明子さん。
名前の通り、とにかく明るくていつもにこにこしているお母さん。
ケラケラと笑うお母さんを見るとこちらまでつられて笑ってしまう。
社交的でかっこいいお母さん。

そんなお母さん。
「じゅんが、私のもとに生まれてきたことを後悔していないだろうか?」
この思いは、心の奥のほうにずっとあったけど13年間、誰も聞くことはなかった。
言葉として発してしまうと一気になにもかも崩れてしまいそうだったから。

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明子さんが、前世の話を聞くまでは、ずっとずっと自分を責め続けていた。

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それは、おとぎ話のような前世のお話だった。
じゅんくんは、ある国の王子様。
そして、明子さんは王子様のお世話係の中の一人だった。
やがて、若い二人は恋におちたのだった。
当然ながら身分の差があり結婚は決して許されなかった。
来世は、身分の差なんてない世界で二人でずっとずっと一緒にいようと泣きながら誓った。

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そして、今世、二人は、親子という形で再び出逢った。
王子様だったじゅんくんは、前世でも体のことはすべてお世話係だった明子さんにしてもらっていた。
だから、誰かに体のお世話をしてもらうことは、慣れている。
何よりも明子さんと一緒に居られることが自分が望んでいたこと。
「だから今、とても幸せ。寝てるのだって全然辛くないよ。ママとずっと一緒にいられるから嬉しくてたまらない」とじゅんくんは言っていると知った明子さん。
大粒の涙が、明子さんの頬を途切れることなくつたった。

いつもは明るい明子さんだけど…。
実は、ずっとずっと苦しかった。
自分を責め続けたり、罪悪感で押し潰されそうだったと。
「これで、これからも生きていけそう」と明子さんは、笑った。
じゅんくんも「やっと通じたか~」やれやれ…という表情に見えた。

これをソウルメイトと言うのだろう。


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不思議な話ですね。
私にとっては、すごく腑に落ちたお話でした。
これが明子さんの生きていけるチカラになるのだから前世療法が果たす意味も深いなぁと思います。

仕事の中で沢山の寝たきりのかたに出逢います。
この前世のお話とのつながりを知り、一概に「大変だなぁ」という同情の気持ちが解放された部分もあります。
この親子は、このご夫婦はどんな物語があるのだろうと思うようになりました。

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