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16 カリキュラムデザインってなんだっけ?

コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されて来週からの登校が決まったことに納得いかないなぁと思いながら、労働者の権利の弱さを実感しています。

最新のオンライン授業のアンケート成果でいうと、受講している学生の6割がオンラインが良い。3割がオンラインも変わらない。1割が対面の授業が良いという結果になっています。残り1割の攻略目途が付いたので、たぶん次回はほぼ全員がオンラインが良いというんじゃないかなと思っています。

そんな中、緊急事態宣言も解除されたし今まで通りすぐに戻しましょというのは、ちょっと待ってって思った訳です。
そもそも何のために授業しているんでしょうか?
オンライン授業の良い点・悪い点まで理解してますか?
学校ってなんだっけ?
と、色々考えても今この状態で考え無しに戻す理由が理解できませんでした。
これが、コロナ発生者0人が2週間続きました。
さあ元に戻しましょう!
という話であれば別なのですが
現在住んでいる北海道では先日15人の患者が出ていました。
まだ道知事も自粛を訴えている中の決定の理由が良くわからないのです。

色々な立場の色々な考えの人がいるので
一つの正義だけを訴えるわけにはいきませんが
もう少し柔軟に移行するフェーズが必要かなと考えています。

今の環境で言うと、来たい人は来る、来たくない人は自宅で
という事が可能なのですが
この声が届く事はなさそうです。
学生からも先生からの視点でも今学校に集まって授業をするという事は

  『 不要不急の行動です 』

という認識になってきています。
しかし現場の声は届かない様です。。。
こうしてnoteに書くだけじゃなくて出来る範囲の訴えはしますが、とても残念に思いました。


カリキュラムデザインを考える

前置き長くなりだんだんとコラム化してきていますが、本題のカリキュラムデザインについて考えてみようと思います。
先日、授業内容についての相談をうけたときに感じたことです。

  それって受講したら何の役に立つの?

勿論その答えは答えられませんでした。
何でその質問をしたのかというと、端的に言うと

  ・ 先生の技術自慢
  ・ 先生の自己満足

という匂いしか感じなかったからです。
そんな授業を受けて一体どれくらいの学生が満足して納得してくれるでしょうか?大事な部分がすっぽりと抜け落ちているような感覚に襲われました。

そもそも学校自体が
世の中で生きていくための術を身に着ける場所
と定義すると
授業は
その術が身についたのか確認をしていく機能が求められます
俗にいうテストですね。
そのほか作品評価会なんかもそうでしょう。

話を聞いていると、先生がやりたい事を学生が聞いて同じように動かすだけでした。しかもそれは学生がやりたそうな事と大きく離れていたのです。

それって自分が好きな事をネットで調べてやる事やyoutube動画に沿ってやってみるでいいしそれ以上に時間がもったいないよね?って思ったのです。

  その授業が何のための授業なのか?

という事が抜け落ちている
そう感じました。

大体の専門学校や大学では、学科ごとに〇〇〇ポリシーというものを設定しており、そのポリシー(コンセプトやゴールの役割)に沿って年間の授業を決めています。
そうした全体の流れの中で、その授業の役割を意識しながら授業の内容を決めるという基本的な事が抜けていました。

特に注目を集めやすく分かりやすい部分は

  コミュニケーション能力

ではないでしょうか?
コミュニケーション能力と一口に言っても色々な要素が絡み合ってくるので説明は難しいのですが、その能力自体がすぐには身につかないことくらい多くの人達が強く意識していると思います。
という事は、必然的に継続してこれらを成長させる要素を各授業にちりばめておく必要があるのは感の良い人ならばすぐに気づくと思います。

間違っても
  コミュニケーションの授業を受けた
からと言ってすぐに身につくものではありません。
それはきっかけに過ぎず、全体の中でその小さな芽を育てていかなければ生かしていくのは難しいでしょう。

分かりやすいのがアクティブラーニングでしょう。
教育関係に関わる人であれば間違いなく耳にしたことがあると思いますが、何が良いのかわからずにやってみただけの人も多い気がします。

  何でアクティブラーニングなの?

って事がしっかりとコミュニケーション能力をつける為の勉強に結び付けられるかが重要になります。

更に言うとそれがしっかりと
  世の中を生きていく術
にまで昇華出来ていると良いです。

こういった全体の流れを理解せず
個々の授業の役割を無視して
自己満足に一方的な授業をする事

それが良くない理由が分かって頂けたかと思います。

じゃあどうするのかというと

  カリキュラムデザインをしましょう!

という事になります。
一方的に先生がやりたい事をやった方が良い場合もありますが、まずは頭を使って考える所から始めます。

  ・ 学科全体のコンセプトやポリシーの理解
  ・ 授業の目的や他の授業との連動性
  ・ 授業で得たい具体的な結果

これらを明確にします。
間違っても先生としての自分が得たい事 = 学生が得たい結果じゃない事を理解する必要があります。
個人的には一方的に教えすぎるのもNGだと思っています。

まずは自分なりに考えて自由に作品を作ってもらう。
自分なりに上手くいったところや上手くいかなかったところを見直す。
先生からの技術的なアドバイスを経てその知識を活かしていく。
友達同士の情報交換やコミュニケーションを通じて更に作品を良くする。

全く知らないものは作りようがないので、まずは最低限の道具や知識を与えますが、教えすぎる事により思考を停止して工夫をしなくなってしまうので意図的に教える情報を絞っています。
タイミングや順番も重要ですので、そのあたりも含めて考える。
一連の事を考えて改良していく作業を

カリキュラムデザイン

と呼んでいます。
基本的な事なのでもっと沢山考えなければいけない事もありますが
最低限自分の頭を使って先生が考えていない限り学生達も中々頭を使って成長していかないので、まずは自分たちがしっかりと考える。
このことを忘れない様にしていきたいと思っています。


カリキュラムデザインの重要性

優秀なプロや講師がいても
カリキュラムデザインが無ければすべて無駄

僕はそう考えています。
先日打ち合わせをしたある学校のベテラン先生の言葉がとても印象に残っています。

『先生をやる以上3・5年先の事を見て教育が出来ないのなら辞めるべき』

という事を仰っていてとても共感した。

カリキュラムをデザインしたところで、実際に実施するには1年先、学校によっては2・3年先なので、少し先の事を見透かせるようなひとじゃなければすぐに時代遅れになってしまいます。
ましてや思考停止して改善もされない時代遅れのカリキュラムデザインの上に優秀な先生だけを準備しても結果はでません。
実務ですごい結果を出している先生の学校が中々結果を出せないのは、先生が悪いわけではなく、こういったカリキュラムのデザインやもっと言うと学校のシステムが上手く回っていない可能性が非常に高くて、実際に拝見させて頂いた学校もいくつかありますが、この辺りの考えには割と確信を得ています。

学校が人体だとしたら
カリキュラムデザインは血管
先生たちは酸素を運ぶ赤血球

学校システムが大事なのはもちろんですが、カリキュラムデザインもかなり重要で、先生の重要性は少し低めです。
しかし世の中的には広告効果目的で、名誉講師的なアピールをしている学校が少なくない状態で、学生もそれにつられて入学。
そして内情を知って後悔する学生も多くいます。

しょうがないといえばしょうがないのですが
見るべきポイントとして
カリキュラムデザインは一番簡単で評価がしやすいのでお勧めです。

数年前からハイブリッドな教育に取り組んでいて
対面の授業の他にwikiサービスなどを使った予習復習が出来る環境を提供しています。今回のオンライン授業ではそれらの環境がそのまま活かされているので、対面で行っていたコミュニケーションをzoomやslackで補っただけで割と良い反応を頂いています。

実際にオンライン授業をしていて気になったのは対面授業の意義とは何かがすごく曖昧になったことです。
具体的な事を書くと

  全部オンラインで十分じゃん!

となったわけです。

少し他の学校の事も調べてみると
ライバル校の他にも以前からオンラインスクールを行っている学校もあり、明らかにオンラインスクールの方が安いんです。

ちょっと考えると
今は完全にすみわけがされているのですが
一度オンライン授業を経験した学生からすると
これから明確な選択対象になるかもなと感じています。

オンライン授業の方が安くて今までと変わらないのであればオンラインスクールに行く人が増えると思います。
もっと言うと通学スタイルの学校はオンラインスクールとの違いを明確に求められていくのではないかと感じました。

そこで重要なのがカリキュラムデザインです。

そもそもオンラインで対応が難しい部分を考えていくと、対面でのコミュニケーションやコミュニティ機能です。
通学スタイルでは自然にコミュニケーションが行えるので、それらの部分をより改善していく必要性が出てくると思います。(置き換えですね)

逆に通学スタイルの学校ではオンラインでは出来ない細かなサポートや施設や設備の提供が必要でしょう。(埋められない差ですね・・・)

少し思い付きで書いただけでも差は探せます。
ビジネスとして考えるともっと色々な点が考えられ宇土思います。

施設・設備なんかは置き換えが難しいので差は出しやすいですが
教育内容やコミュニケーションの方法はオンラインでも改善の余地は十分あります。そうした改善部分をカリキュラムデザインとして授業内容に落とし込むことが重要だと考えています。

後は価格面での安さはこのまま武器になりますので
オンライン独学者が抱える情報の取捨選択での悩みなんかはカリキュラムデザインがしっかりされたオンラインスクールととても相性が良いと思います。

まだ全然動けていないけど
僕個人としてはnoteを使って3DCGに興味を持った多くの人に無償で学びを提要する場を作ってみたいと思っています。
どういう形にするかは裏で色々模索中ですが、自分自身もこれからの動きを楽しみに考えていますので興味がある人は参加してほしいと思ってます。


今回はカリキュラムデザインについて自分の考えている事を書きました。
自分自身日々成長していっている(と思う)ので考えが変わるかもしれませんが、今回のコロナウイルスの影響でオンライン化したのはとても沢山の考えるべき課題や事例を提供してくれる結果となっています。
教育自体誰から教えてもらった訳でもなく、独学で改善や検証をしていますので間違っていることもあるかもしれませんが、あまり気にせず発信続けていこうと思います。
未来の自分や読んでくれた人へ何か残せたら幸いです◎

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