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「逃げるが勝ち」ではないと思うのだ

ふうーーーつ!うううーーっ!

と、スゴイ勢いで猫が唸っていた。どうやら喧嘩の前段階、猫と猫で睨み合っていたようだ。

だが、よくよく見てみると少し様子がおかしい。

1匹の猫は、徐々に体制を変えながら方向転換をしようとしている。まるでコマ送りの動画のように姿勢を変えていく。それを見守るもう1匹の猫。

喧嘩には発展せずに済みそうだ。

◇◇◇

人の世には、いろいろな言葉、格言やことわざがある。私は、そのような言葉を集めるのが好きだ。

そして、日常の中で目にする情景に、その言葉を当てはめては、フフッと笑みを浮かべてみる。一方で、非日常の悲惨な状況に当てはめて、涙することもある。

この猫の騒動は一見「逃げるが勝ち」のようだ。

だが、これには裏があるようにも思う。

逃げる猫は飼い猫。

睨みあいに勝った猫は野良猫だ。

「金持ち喧嘩せず」という言葉も頭に浮かぶ。

「ここでケガするような冒険を侵さなくても別にいいや、家に帰ればご飯食べられるしね。」by にゃんこ

そんな負け惜しみとも取れるような言葉が聞こえてきそうだ。

◇◇◇

喧嘩しなくても生きていけるなら喧嘩しなくてもいいのだという考え方は、とても賢い選択だと思う。

ここぞというときは戦うこともあるだろう。権利、命、プライド、エトセトラ、守りたいもののために戦うこと全てを否定するわけではない。

とはいえ、無用な争いはあえて選ばないという道を残しておくと、とても生きやすくなると思う。

相手に道を譲ることを「逃げるが勝ち」とせず、「金持ち喧嘩せず」だからと気持ちをゆったり持てたなら、もっと平和な世になる気がするのだ。