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怒りを鎮めるスキル

「人は誰もみな明日をも知れぬ命なのだから、ここで波風を立てるのは止めよう。」

これは、目の前にいる人に対して怒りを感じたときに、私自身が自分にいい聞かせている言葉です。

怒って喧嘩して、嫌な気持ちで別れたとして。次に会うまでの間に、相手が死んでしまったら、寝覚めが悪いでしょう。それが逆の立場であっても、つまり、私が死んだとしても相手の心に何かしこりを残してしまうのではないかと危惧するからです。

だから、拗れた何かを抱える相手とは、「これが最期の別れだ」と思って、その場を円満に収めようと努めます。



目の前に相手がいて怒りを感じている時ばかりではありません。

楽しく会話をしていたはずなのに、なんとなくモヤモヤとした気持ちが後からふっと思い出されることがあります。そういうとき、つい「不穏な空気」を増すような疑問を自分に投げかけることをしてしまってしませんか?

どうしてあんなことをいわれたのか?

相手は、一体どういうつもりだったのか?

堂々巡りの一問一答を繰り返し、疲れ果ててしまうこともあるでしょう。

原因を知りたい気持ちになるかもしませんが、おそらくは、原因も真相も藪の中です。

相手も私も、ぞれぞれ別の人生を生きていて、全く違う思考回路を持っている。全ての人が独立した個の存在。

つまり、自分の頭で「他人」を理解することは簡単ではない。分析して分かった気になることは、ある意味傲慢な考え。

このような視点を持って、自ら一歩下がること。

別のいい方をすれば、よい意味で「お互いが他人同士」だという認識を持つこと。他人との距離を取ることが唯一の選択肢なのです。



人は誰もみな明日をも知れぬ命。

自分の中で怒りを鎮めるスキルは、気持ちよく生きるためにはとても重要です。

怒りの理由を誰のせいにもしないこと。

相手のせいにしない。と同時に、自分のせいにもしない。

お互いが他人であるという前提と、お互いが尊重されるべき「個」である事実を認める。

そういう考え方をすることしか「狭い社会」で気持ちよく生きる方法はないだろうと考えます。