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ワールドカップの陰で起きていること

ワールドカップもいよいよ佳境に入り、
決勝のカードはアルゼンチンとフランスになりました。
決勝は日本時間の19日午前0時開始予定です。

一方で、こういった世界的なスポーツイベントが開催されている陰で、
世界情勢が大きく動く、なんて事はよくある話で・・・

実際今回のワールドカップの期間中にもさまざまな出来事が起きておりますので、それらをまとめていきます。

◆ベラルーシの外相が急死

ベラルーシと言えば、ルカシェンコ大統領の独裁政権や露国の同盟国であることで有名ですが、その外相であったマケイ氏が急死したというニュースが報道されました。
地元メディアでは心臓発作が原因とされているものの、宇国側のメディアなどでは露国の関与を疑う声が上がっています。

確かに、マケイ氏はかつて西側との関係改善に取り組み、露国を批判する立場を取っていました。
しかし、2020年のベラルーシ大統領選を受けて大規模な反政府デモが起きると「西側諜報員が誘発した」と非難するなど、姿勢を転換しています。
また、急死の2日後には露国のラブロフ外相と会談する予定もありましたし、同盟国の外相をこのようなタイミングで暗殺するような事は考えにくく、結局のところ真相はいまだ闇の中です。

◆NATO事務総長が露国の「冬の兵器化」を批判

先月28日に、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長がルーマニアの首都ブカレストで記者会見した際の発言です。

「冬の兵器化」というのはなんだ?と思われるかもしれませんが、
冬の厳しい欧州では、発電施設などを攻撃される事は死活問題だと言うことで、侵攻を受けている宇国でも、直接攻撃されるよりも民間人に犠牲が出る可能性があります。
そういった事をひっくるめて、「冬の兵器化」と呼んでいるわけです。

また、西村経産大臣が12月1日に会見を行い、

来年3月末まで企業や家庭に節電を要請しました。
冬の節電要請は7年ぶりです。

日本への直接の攻撃があるわけではありませんが、今年3月に始まった露国の宇国への侵攻は、間接的ではあるものの徐々に影響範囲が広がり、深刻さを増しているように感じます。

◆中国 日本に“警察拠点”設置か

中国政府が、日本を含む30カ国に「非公式警察署」の拠点を設置していたとされるこの問題ですが、

実は9月の時点でスペインのNGO団体「セーフガード・ディフェンダーズ(Safeguard Defenders)」が公表した報告書で明らかになっていた事でした。

ところが、欧米各国が主権侵害の疑いで捜査・調査に乗り出しているのに対して、日本では林外務大臣が外交ルートで中国側に申し入れを行っただけで、具体的な動きが見えない状態です。

◆スペインの宇国大使館で大使宛ての手紙が爆発

11月30日、スペインの首都マドリードにある宇国大使館で、大使宛てに届いた手紙が爆発し、手紙を扱った職員1人が軽傷を負いました。

宇国国内だけでなく、国外にある宇国政府の施設、政府関係者を狙ったテロというのは初めてではないでしょうか?

実は同時期にスペイン国内では、同様の事件が本件と併せて5件発生していて、

スペイン国防省とマドリード郊外の空軍基地にある欧州連合の衛星センター、さらに、宇国向けの手榴弾を製造するスペイン北東部の武器工場、11月24日にはサンチェス首相宛にも爆発物の入った郵便物が届けられていたそうです。

◆防衛省が陸自の沖縄部隊を大規模化

日本でも動きがありました。
陸自の部隊を大規模化するという事は、中国軍の空や海からの侵攻ではなく上陸を想定しているという事です。
そのくらい、事態は切迫しております。

◆那覇空港にドローンが侵入

その矢先にこのドローン騒ぎです。

宇国の侵攻でもドローン兵器は主力として活躍しておりますし、
日本の航空法でも、空港周辺などの空域でドローンを飛行させることは禁止されております。
11月にも、許可を受けないまま空港上空でドローンを飛行させたとして那覇市に住む30代の男が航空法違反の疑いで書類送検されていますが、どういった目的で飛ばしていたかなどは報道されておりません。
今回の犯人はまだ特定されておりませんので、国外勢力の関与も考えられます。

◆日本政府が、敵の基地「反撃能力」を保有する方針を固める

ミサイル防衛についても動きがありました。

北朝鮮からのミサイル発射が、まるで天気予報で雨が降りますというくらい当たり前のようになっている状況ですが、

これまでは他国からミサイル攻撃をされた際の迎撃のみが許されている状態でしたが、今後は打つ用意があるならこちらも容赦しないぞ、という姿勢を見せていくことになります。

◆防衛費増額へ、増税案了承

今月に入って防衛費の増額という話が出てまいりました。
予想以上に与党内での反発が大きく、「拙速に議論を進めるべきではない」などの意見が出てきていて、これは難航するかなと思いきや、
一転して、増税の具体的な実施時期などは来年改めて議論することで了承する形になりました。

恐らく防衛費を増額するというのはそもそも既定路線であるとは思いますが、急に反発の声がおさまったところを見ると、そのあたり見えない力が動いたのかもしれません。

◆ドイツでクーデター未遂、25人逮捕

ドイツ連邦検察庁は12月7日、国家転覆を計画していた右翼テロリスト集団を一斉摘発し、25人を逮捕しました。

この背景として、深刻なインフレや景気の悪化で国民の不満が高まっている中で、宇国からドイツへの避難民が100万人を超えていることが関係しているのではないか、という見方もあります。

◆露国が日本攻撃を検討していた?

衝撃的だったのは次のニュース。
露国が宇国侵攻半年前の昨年8月、「日本攻撃を真剣に検討していた」事が判明しました。

ただ、現段階では露国には日本を攻めるメリットも軍事的必然性もない為、日本の背後にいる米国を見据えていたのではないか、という見方が強いです。


◆第3次世界大戦はもう始まっている?

今年の5月、ローマ教皇フランシスコが、露国による宇国侵攻に関して、「私にとって今日、第3次世界大戦は布告されている」と警鐘を鳴らしました。

僕も、広義的に見れば世界大戦はもう始まっているとみるべきだと思っています。

例えば、太平洋戦争開戦に至るまでの間の米国による石油などの禁輸や在米資産凍結などの対日措置は、今日の日本では「経済制裁」と呼ばれる場合が多いですが、開戦当時の日本では「経済封鎖」又は「経済断交」と呼ばれていました。

つまり、当事者からすればこれは他国からの攻撃、侵略行為と捉えられるという事です。

露国からすれば、欧米側の経済制裁を経済的な攻撃と捉えているでしょうし、我々日本側からすれば、宇国侵攻によって起きている資源不足や景気の悪化は、欧米の同盟国であり、経済制裁にも参加している日本への間接的な攻撃と捉えることができると思います。

◆宇国を舞台とした世界大戦?

また、現在表面上で起きているのは宇国と露国の戦争ですが、実際はその水面下で複数の国が対立しているのが現状です。

例えば、今回の侵攻に関しては露国に対してイランが多大な軍事支援をしており、

また、侵攻の裏で露国の"友好国"が増えているという実情があります。

その為、今起きている戦争というのを表面上だけ見れば2国間の対立ですが、実情は宇国を舞台にした世界大戦、という図式が見えてきます。

今後この流れが広がれば、そのほかの地域でも争いが始まり、今この状況が大きな戦争の始まりに過ぎなかった、と言われる日が来るかもしれません。


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