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【鑑賞記録】「金屏風の祭典ー黄金の世界へようこそー」

岡田美術館で開催している「金屏風の祭典ー黄金の世界へようこそー」(6月2日まで)を拝見しました。

岡田美術館には伝俵屋宗達筆「源氏物語図」の団家本(絵合図)と藤井家本(明石図)それぞれ1点ずつが所蔵されています。今回は藤井家本が展示されているので拝見に伺った次第です。

明石図は源氏が明石入道の誘いを受けて夜更けに馬で訪れる場面が描かれます。源氏一行は画面下側に描かれ従者たちは半身で描かれます。右上に銀で月が描かれていて、人物を半身で描くことで空の高さを意識させます。掛軸ではなく額装でした。

展覧会は金箔や金泥など絵の下地に使われている金に着目して作品が選ばれています。近世から近代までそれぞれが見ごたえのある作品でした。川合玉堂の「冨嶽」や神坂雪佳の「燕子花図屏風」などデザイン性の強い作品と金地はよく合うと思います。

展示品で目をひいたのは「洛外名所遊楽図屏風」です。中屏風という大きくない画面に細緻に建物や人物が描かれていて、顔の表現からは土佐派または住吉派に近いように感じました。いわゆる住吉具慶筆と言われている一連の「洛中洛外図屏風」よりも建物の描写は丁寧で整った印象を受けました。

岡田美術館は展示品が多く1日楽しめる美術館です。