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品質保証領域のキャリアステップとは? 〜プランナー転身など幅広い選択肢のある環境づくり〜

前回の記事では、アカツキ CAPS(Customer And Product Satisfaction、読み:キャップス)チームの育成環境づくりについてお話しました。今回は、「品質保証領域のキャリアステップ」について、今年4月に再編された組織やキャリアステップ事例のお話を交えてご紹介します。

入社後の伴走、キャリアステップの環境が整うアカツキ

―おふたりの現在の役割を教えてください。
八谷:アカツキには約7年間在籍しており、現在はゲームのQR(Quality Refinement:品質改善)や法務チェックの体制を改善する役割を担っています。これまでも、さまざまな企業でゲームテストを行ったり、品質管理を推進するための便利なツールや必要なプログラムを作成するなど、品質保証領域に幅広く関わってきました。直近では、ゲーム以外の事業にも視野を広げ、体制を整えています。

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Think@ Guild 品質管理 PJT QR チーム 八谷正美

赤羽:アカツキ入社前はデバッグ専門の企業に在籍しており、アカツキに参画して今年で5年目になります。現在はQRチームに所属しており、ゲームテスト以外にも、新入社員向けの検証手順書やトレーニング環境の構築など体制づくりを行っています。

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Think@ Guild 品質管理 PJT QR チーム 赤羽優希

―チームならではの体制や雰囲気などはありますか。
八谷:他社と比較してアカツキはコミュニケーションしやすい環境で、エンジニアやプランナーなど他職種との壁が少ない
という印象があります。疑問点などを直接聞きに行き、すぐに改善に向けて動けるので、ゲームの品質を担保するには非常に重要だと考えています。

また、品質保証領域を外部へ依頼している場合には、他プロジェクトのことはわからない状態となることが多いです。一方、アカツキの場合は他のプロジェクトと横連携も図れるので、そこで共通した不具合や潜在的な課題などの話ができるという雰囲気があります。

赤羽:やりたいことにチャレンジできる環境が整っているというイメージがあります。プランナーへの転身やQRチームへの異動など、やりたいことを遠慮なく意見することができ、応援してもらえる環境になっています。

―新メンバーの入社後の環境について教えてください。
赤羽:現在は在宅勤務のため、ビデオ通話で顔合わせを行い、各プロジェクトの検証をする上で必要なツールのセットアップを一緒に行います。その後、各ゲームをプレイして仕様を把握してもらい、質疑応答の時間を設けています。

実際に検証作業を進めるにあたり、検証工程がノウハウ化された「検証手順書」を用意しています。これを用いてチェックの流れや観点、項目ごとにどういった法令に関連しリスクがあるのかを説明します。その後は、チェックシートを用いて過去にリリースした施策での練習をしてもらい、質疑応答の時間を設ける形を繰り返して行い、徐々に実務へ合流します。このように、全てのプロジェクトにおいてトレーニング期間を設けています。

八谷:実はこの「検証手順書」は赤羽さんが作成されたんですよね。検証観点のノウハウが蓄積した資料がまとまっていない状態や各プロジェクトで検証を行うまでの準備や方法が大きく異なるという課題を解決してくれました。

赤羽:
整備された効率的なやり方が存在しない場合があったのですが、八谷さんが検証がスムーズに行えるようシェルスクリプト(チェックするために必要な複数のプログラムの実行順番を定義するもの)を作成してくれたんです。ただ、シェルスクリプト自体も聞きなれない言葉なので、実際の使用方法などを今後入社する方のために工程を全てノウハウ化すべきだと思い、検証手順書の作成に着手しました。
通常業務と並行して推進したため完成に3カ月ほどかかりましたが、これによって、その後の新入社員教育がスムーズになりました。

2021年4月に再編されたQRチームとは?

―QRチーム(Quality Refinement:品質改善)の組織体制について教えてください。
八谷:QRとは「Quality Refinement」の略で、品質を再定義したいというところから始まり、現在は最終防波堤として第三者の立場から法令遵守チェックを実施しています。元となる組織はCAPSチーム内に存在していまして、今までの検証に足りていなかった法的観点やユーザー目線という部分を検証していましたが、今回新たに、業務改善プロジェクトを推進したり、法務チェックを徹底したり、リスクマネジメントの役割に比重を高めるため事業部横軸でリスクマネジメントや品質管理を行うThink@(シンカ)チームに異動しました。

現在、QRチームには6名在籍しており、業務上関わりの深いプロジェクトの知見を生かして推進できるメンバーが集結しています。

―他の組織の方とはどのような関わり方をされているのでしょうか。
八谷:アカツキには「ケルベロス」というバーチャル組織が存在します。品質保証チーム「CAPS」、リスクマネジメントや事業企画を担う「Think@(シンカ)」、法務観点で事業を支える「法務チーム」の集合体です。

QRチームは、前述の「Think@(シンカ)」配下のチームで、基本的には何らかの問題が発生した際に、ケルベロス内でリスク判断を行い改善を推進します。また、定期的なケルベロスのミーティングでは、顕在化しているものだけでなく潜在的な課題を創出するところからコミュニケーションをとり、複数組織をまたいで迅速に改題解決していく体制を整えました。例えば、直近では、アプリの利用規約の共通化などを進めています。

プランナー転身など幅広いキャリアステップの選択肢がある環境

―CAPSからのキャリアステップの事例にはどのようなものがあるのでしょうか。
八谷:プランナーへの転身をはじめ、スクリプトを作るスクリプターへの転身、シナリオのプロットを書き起こして監修へ出すシナリオへの転身
など、数多く存在します。

今回再編されたQRチームに関しても、ゲーム検証を担うチームからリスクマネジメントを担うチームへの異動は、これまでのスキルに加えて法律的観点も必要とされるので、非常に珍しい事例だと思います。

―アカツキ内でのお二人の今後の方向性について教えてください。
八谷:
私はQR組織の設計や改善を行う役割に軸足を置いていこうと考えています。また、他プロジェクトでの法的不具合への対応方法の事例を共有するなど、他チームへの啓蒙活動も行っていきたいと思っています。

赤羽:QRチームで第三者としての目線を持ちつつ、よりもっと深くゲームにまつわる法律やガイドラインを順守したチェックができるよう整備をしていきたいです。最近取り組み始めたこととしては、ガチャから出る期間限定カードの登場日を管理し、復刻期間が社内ガイドラインに違反していないかを検知できるような仕組みを導入いたしました。
今後もさらに視点を広げていき、安全を担保できるよう活動していきたいです。

ーQRチームとしてのミッションや今後のロードマップについてお聞かせください。
八谷:現在は各プロジェクトからの質問内容が重複していることも多いので、QRチームでノウハウを蓄積し、最終的には蓄積した情報をみるだけで対応ができるようになる、という仕組みをつくることが理想ですね。

また、ゲーム事業以外にもQRの役割を拡大したいと考えています。ECサイトやファンアプリなどへ視野を広げていきたいです。

赤羽:「Think@(シンカ)」配下になったことで、よりクロスファンクショナル部門として事業を支える役割が求められると思っています。チーム内だけでなく、各プロジェクトが他のチームとやりとりしやすいような仕組みをつくったり、ノウハウを横展開できるような仕組みづくりを推進したいと考えています。

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今回は、「品質保証領域のキャリアステップ」にについてお話しました。今後アカツキでは、品質保証やリスクマネジメントをテーマとしたイベントを開催する予定です。ご興味のある方はぜひご参加ください!

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