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冨樫由美子
2024年7月6日 11:34
歌集『とく来りませ』は2021年(令和3年)4月3日発行。砂子屋書房の「令和三十六歌仙」シリーズの一冊である。横山未来子(1972年~)の第六歌集にあたる。横山の第一歌集『樹下のひとりの眠りのために』(1998年)、第二歌集『水をひらく手』(2003年)は相聞歌の多い歌集であった。初期から完成された文語によってうたわれる「君」への思いが瑞々しい。第三歌集『花の線画』(2007年)、第四
五十子尚夏
2022年11月5日 02:04
櫛というさびしきかたち思うとき仮名にひらきてゆうぐれは来る 「好きな歌人は誰か?」という問いには、なかなか答え難いところがある。誰に、どのような状況で訊かれているかで答えは変わり得るだろうし、 実作者であればこそ、それほど不用意に自身の好みを明かしたりはしない。実際のところ、自身の作風に直に影響を与えた歌人ももちろんいるけれど、作風の変化に呼応するかたちでその都度、贔屓の歌人も移り変わ