見出し画像

[徒然]好きな子ができた。でもたぶん、片想い。その子とガストに行ってきました。

「恥を晒さずして何を晒すのか」

僕は最近、この精神を大事にしている。大事にしている手前、恥を少しでも感じたら晒すことにしている。晒すと言っても、限られたフォロワーさんのみが見てくれているこのnoteでだ。


最近、好きな子ができた。彼女ではない。おそらく僕の片想いだ。そんな気がしてる。その子はLINEの文がちょっと変だ。予想の斜め上をいくような返信をしてくる。スタンプも変だ。全然可愛げのないスタンプを送ってくる。でも、それがなんだか面白くて、最近はなんだか愛おしくも感じて。そんな彼女が好きになった。

(あ〜、きもい、自分でこんなこと言うとかキモすぎる、冷や汗と謎のニヤケが止まらないが、同時にタイピングも止まらない。読んでくれる人は、冷笑ではなく、微笑みながら読んでほしい)

また、そいつはとにかく、例え話やいちいち発言がぶっ飛んでいるのだ。「奇跡的な共通の趣味」を「お互いがアルマジロのマニアであること」と例えたり、線路沿いの夜道を2人で歩いている時、僕が彼女の重たそうな荷物を持ってあげたら、「そのまま線路に放り込まないでね」と言ったりする。

しかも、彼女は自然なトーンのままそんなことを言う。だから、別に2人で大笑いする必要はない。ただ静かに穏やかに、2人の奇妙な会話を楽しんでいる。僕はそんな時間がすごく好きだったし。この時間がもっと続いてほしいなんて柄にもないことを思うようになっていた。

ある日、そんな彼女と大学の放課後にガストで夕飯でも食べようと約束をした。なぜガストなのか。それには2つ理由がある。

まず一つは、金がないからだ。お互い大学生。口を開けば二言目には金がないと言う、あの大学生である。だから僕らはファミレスでご飯を食べることで意見が合致した。それに別に付き合っている訳でもないし、デートって訳でもない。お店に変に気を使う必要はなかった。ガストなんて嫌だと言うような子は、そもそも僕は苦手かもしれない。しかも、その子はファミレスの中でガストが一番好きだという。ちなみに彼女の一番好きなHUNTER×HUNTERのキャラはヒソカである。そんなところも好きだ。

ガストを選んだ二つ目の理由は、安くお腹いっぱいになれるからだ。というのも、彼女は僕の体を心配してくれている。(というかいじっているのか)

僕は最近、夕飯を食べない1日2食生活をしている。自分の体は夕飯を抜くことで、体調が良くなるということが判明したのだ。だからそれからは、基本的には家で夕飯は食べない生活をしていた。そのことを彼女に話したところ、絶句された。そしてそれから僕にご飯をとにかく食べさせようとしてくる。お母さん並みに食事に関して、しつこい。でも、彼女に言われるのは嫌じゃない。むしろ嬉しい。さっきから俺、彼女にデレデレすぎるな。きもいな。ああ、タイピングする指と指の間の汗腺という汗腺から冷や汗が流れ出る。だがここまで書いたのだ。僕は自己開示を途中で投げ出すような男ではない。

まあ、そんなこんなで2人で夜にガストへ行った。2人で入るガストは、まるで高級レストランのように特別に感じた。なんて訳のわからない恋愛小説みたいなことを言おうとしてやめた。トイレに近い奥の席に案内されて、向かい合って座った。彼女は理系。僕は文系。彼女は猫派。僕は犬派。そんなんだから会話がひっきりなしに続き、盛り上がり続ける訳ではない。でもそれでいいんだ。少なくとも僕はそれでいいと思っていたから、無理矢理会話を続けようとはしなかった。それは向こうもそうだと思う。いや、やっぱり今思うと、彼女は頑張って話を振ってくれていたのかもしれない。僕は雑談の領域において難があるから、彼女には頭が上がらない。

そしてガストのメニューを開く。彼女は「私は選ぶの早いよ〜」とか言うけど、すごい迷ってた。ネギトロ丼とハンバーグを一体何往復したのか。やっとのことで彼女はハンバーグに決めたらしい。僕はといえば、ドリアを注文することにした。

「僕はドリアにするよ」

そういうと彼女は「じゃあ3個ね」と言った。どんだけ僕に食わせたいのか。

「3個はきつい」

と返すと、「じゃあ半ライスを頼もう」と言い出した。

おいおい、ドリアに半ライスつけるやつがどこにいるんだよ。炭水化物はちょっとで十分だ。それよりヘルシーなサラダを頼もうとしたら、サラダを謎に禁止されたので、僕はドリアだけを頼み、彼女はハンバーグと半ライスを頼んだ。

それからどんな会話をしたのかは鮮明には覚えていない。覚えているのは、彼女は冬の寒い日に吐いた息が白くなるのが好きだということ。僕が今日1日で飼い犬を撫でたかどうかが気になるということ。大学の実技で使うハンダゴテをYouTuber風に商品紹介してくれたこと。そのくらいだ。

彼女との思い出はどれも奇妙で、それでいて優しい色をしていた。

そんなガストでの夕飯を終えて、僕らは現金で割り勘をしてレジへと向かった。僕がまとめてお金を出していると、何やら後ろで彼女のテンションが上がっているようだった。

するとガストのドアのすぐのところにある。ガチャガチャのコーナーに目を輝かせていた。聞いてみると彼女は重度のガチャガチャコレクターらしい。普通に1人でガチャガチャのために外出するそうだ。僕にその気持ちは理解できないが、子供みたいにはしゃいでいる姿がなんだか嬉しかった。

「このイチゴのやつが可愛い!」

そんなことを言っていたが、お金がなかったのか、僕の前でガチャガチャを回すのが憚られたのかわからないが、結局やらずに店をでた。でも店を出た後もしばらくはガチャガチャを語られた。相当好きなのだろう。実際にLINEで彼女のガチャガチャコレクションがちゃんと仕分けボックスに入っている写真が送られてきた。自分の趣味を惜しげもなく披露してくれて嬉しかった。

その日は、なんだか駅で別れるのが物寂しくて、彼女の最寄り駅まで二駅分歩いて帰った。

「ねえ、ちょっと遠回りして帰ろうぜ」

嫌な顔をされると思ったけど、案外快諾してくれた。元々歩くのが好きなのだそうだ。僕は高鳴る胸を全体重かけて抑え込みながら、星の降る東京の住宅街を彼女と一緒に歩いた。

彼女は夜空を見上げて星を見つけてこう言った。

「まだ死にたくないな」



今日はここまで、もし書く気になったら、その後の彼女との進展について書こうと思う。

ああ、恥ずかしい。恥ずかしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?