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思春期の子どもが体調を崩す3つの心理的背景

子どもの自主性の発達を抑圧する社会的な傾向(同調圧力、出る杭を打つ)などが見られる中、思春期・反抗期を迎える子どもは、『親元から自立したいという欲求』と『親元から離れることへの不安』という相反する気持ちが同時に存在します。

そこで、自分の願望、意見、感情を表現することが苦手な子どもは、症状という手段を借りて表現します。

抑圧された感情や不快な感覚は、心的加重として作用し、自律神経系、内分泌系を介して、器官へ影響を及ぼし、症状となって現れます。

その要因となる出来事をみると
《家庭環境》では、
・両親の離婚や再婚
・家族や身近な人の死
・受験や異性問題に関する家族の無理解
・家族内の不和
などが挙げられます。

また、
《学校環境では》
・進路の転換
・周囲からの過大な期待(部活動など)
・交友関係、いじめ
などが挙げられます。


精神的にも、社会的にも未熟な成長期には
・自己顕示としての内的葛藤の表現化(承認欲求)
・直面した問題からの逃避
・過度の期待に対する心理的防衛
など、不安を軽減するための無意識的な心理メカニズムが働き、様々な症状を誘発します。

そこで、子どもの症状(=子どもの苦悩)に隠された意図に気づき、適切に対応することが効果的です。そうすると、子どもはそれ以上、自分の感情を病気で表現する必要がなくなります。

そのためには、親が子どもの話を友好的で支持的な温かさをもって十分に受容し、それまで抑圧していた不安や怒り、憎しみ、罪悪感、抑うつ感情などを発散させることが重要です。

試験当日の朝、お腹が痛い、頭が痛いだのそれらしい理由を付けて学校を休んだことある人は、このような子どもの心境に共感する部分があるのではないでしょうか?


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