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ASDにとってアナログは辛いよ…[※個人差あり]

少し歴史のある零細企業になると、何かと化石が存在します。
社長の年齢が高ければ高いほど化石が存在し、それは時として発達障害(グレーゾーン含む)を苦しめます。

現在の会社に入って最初にビビった事が「営業職にパソコン無いの?!」ということでした。
パソコンが無いので当然グループウェアもありません
じゃあ何で管理しているかと言ったら紙とペン。
この「紙とペン」の文化は曲がりなりにもコールセンターやITの業界に勤めていた私にとって、極めて厳しい状況に置かれることとなりました。


🚙発達障害の苦手な3動作

発達障害で有名な2つは注意力欠陥障害(ADHD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)ですが、両者の間には一部、苦手なことが被る部分があります。
そのため、併発していることも決して珍しくはありません。

ADHDとASDには被る部分がある

私自身、ADHDを疑って精神科に行ったら「お前は多分ASDやで」と言われたもので、セルフ診断やっても片方の特性が強いと、もう片方の特性も強くなりやすいのではないかと思われます。

そのため、仕事に於いても苦手な動作が3つほど被るものがあります。
それが整理整頓、メモ取り、運転です。

❖ADHDやASDが苦手になりやすい3動作


⓵整理整頓
⓶メモ取り
⓷車の運転

この3動作はADHDとASDが苦手になりやすい3動作かなと思います。
お恥ずかしながら私自身、整理整頓が得意でなく、小さい頃から度々母から叱責を受けておりました。
なので仕事において、紙の管理は極めて苦手で、その点では前社はペーパーレス化が進んでいた点は本当にいいところでしたね(あくまでその1点だけを見ての話しです)

💳忘れる・失くす・落とす

紙の管理に限りませんが、発達障害の場合は「忘れる・失くす・落とす」が茶飯事です。

「どこに置いたか忘れる⇒失くす」
「肝心な時に忘れる」
「ちょっとしたことで落とす」

ということが本当によくあるんですね。
なのでペーパーフルな環境というのはストレス絶大です。
特に名刺を忘れて叱責を受けることが多いですね。
前任者の置き土産の名刺入れを支給されたのですが、上司からは「自分で買った名刺入れじゃないから名刺忘れるんや!」と言われる。

じゃあ名刺入れを自分で買うじゃないですか。
で、やっぱり忘れる。
根本的に「会社のホームページ見れば連絡先なんてわかるから名刺無くても仕事できるんちゃう?」という感覚がありまして、名刺交換なんてしなくても何とかなる(単なる形式主義でしかない)的な感覚があるんですね。

と言っても日本の商習慣では名刺交換は神聖な儀式です。
それはもうお経を唱えるのに経典、木魚、数珠をフルセット用意し、黒魔術を唱えるのに魔法陣が必要な如く神聖な儀式と化しております。
謂わば名刺は神具なわけです。
その神具を度々忘れるものですから、まぁ怒られます。
ちなみに日本で生活するにあたって、もう一つ嫌いな神具が印鑑です。
もう名刺も印鑑も物理ではなく、電子で管理したいですね。
できるだけ物を持ちたくないのです。
忘れてしまうし、失くすから。

📓メモ取りがただただ苦痛

実はメモ取りもただただ苦痛を伴うんですね。
分かりやすくするため、大魔王バーン様の超必殺技・天地魔闘の構えで説明します。

天地魔闘の構えは究極のマルチタスク

ダイの大冒険がラスボス、大魔王バーンの天地魔闘の構えは究極のカウンター技です。

フェニックスウイングで攻撃をはじき返し…
手刀出した反対の手で魔法攻撃を同時に繰り出す

この原理により、敵が1度に複数人攻撃を仕掛けて来ても、難なく対処できます。
そして、この1動作1動作の全てが必殺技の威力を出すため、一応溜めが必要になるので、出した後には硬直時間が微妙に存在します。

とは言え、実は通常者の場合、1度に2動作くらいは難なくやれています。 その代表例がメモ取りです。 「話を聞きながらメモを取る」というのは、普通の人は1動作として処理しています。
ところがASDの場合は「話を聞く」と「メモを取る」を2動作として認識しているのです。 つまり「話を聞きながらメモを取る」というのはそれだけで必殺技を繰り出しているのに等しいわけです。
ココから「要点だけを抜き出す」を加えると3動作になります。
要は通常者の1(連)動作がASDには3動作になってしまうのですね。
なのでメモ取りは超必殺技を繰り出すのに等しく、相手の話が終わった後は硬直時間(偉い疲労感)が発生してるわけですな。

で、いざ「話を聞きながらメモを取ってみる」じゃないですか。
するとね・・・聞こえないんですよ。
いや、音としては聞こえているんですが、喋っている内容が文字化できないんです。
なので話を聞くときは「聞く」に全神経が使われるため、手が動きません。
そして手書きのメモは「書いた文字を自分が読めない」ので解読の手間が発生してしまいます
そのため、書いたメモを読むのが苦痛になり、メモを読まなくなってしまうのです。

反面、パソコンなら自分がブラインドタッチでき、機械的に書かれた文字は読めるため、アナログが苦痛⇒デジタルでないと耐えられないということになります。

🚗車の運転は絶対に事故る

そして極めつけが車の運転です。
極論言うと、道路の脇道にピーチ・ジョンの広告でもあろうものなら、十中八九事故りますね。
いや、まぁ道路わきにワコールやピーチ・ジョンの広告あったら通常者でも事故りそうですが・・・。

ADHDは注意力散漫、ASDは一点集中&融通が利かないことが運転に支障をきたします。
先輩社員は「普通の会社なら運転しない条件で入るのが筋やないの?」と怪訝な顔をするのですが「すみません、そういう条件で入ったんです・・・」とは思いつつ、口にはしないでおります。
まぁ先輩社員もまさかASDが営業職として入ってくるなんて、夢にも思ってないでしょうから(泣)

💻テクノフォビアとアナログフォビア

残念ながら今の会社のトップ2名は70代以上でデジタルフォビアです。
一方、ASDにとってアナログは楽なことより辛いことの方が多いです。

昨今は少しずつ「以心伝心が通じなくなってきて言語化が必要」と言われるようになってきましたが、それは社会のグローバル化と情報化社会のもたらした影響かと思います。
特に不文律の理解が難しいASDにとってグローバル化や情報化の恩恵は大きいですが、やはりアナログな会社ほど以心伝心文化が強く残っています。
まぁそれでも男性社会で私が最年少になったのでやれてますが、女性社会だったら死んでたかもしれません・・・。
前社や川崎勤務時代は女性だらけの会社で苦労したので。

お医者様からASDグレーゾーンと判定されたのは現職が決まった後の話ですが、それでも営業職をやっているのは「いざ自分がフリーでやらんといけん状況に追い込まれた時に営業力は必要だろう」と考えたからです。
なので、何かしらの事情で現職を離れることになった場合、もう会社員として営業職をやるつもりはないです。
ただまぁ、営業職は賃金を得ながらビジネスを学べるという意味では良い仕事です。
なので将来独立予定(独立に追い込まれそうな未来が見える含む)人は、一度はやってみるのも良いかと思います。

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