[読書感想文]日本企業のITは28年間進歩していなかった…💻
古本市場長居店にて80円だった本は28年前の本ですが、まぁちょっと会社から課せられた課題対応のため、ITに関わる本を読むことにしたのですが、選定した本から衝撃のことがわかりました。
ー企業を変えるグループウェアー
この本を読み進めていく内にわかったことは、日本企業のIT運用のイケてなさは90年代から何も進歩していなかったのです。
💻DX…28年前も同じことを言っていた
一応28年前とは違い、今はブローバンドが当たり前の時代ですし、ビッグデータやAIなどの技術進歩があるので『使用されるツール』は28年前とは格段にレベルアップしています。
28年前にスマートフォンはありませんでしたし、Twitterやインスタどころかパソコン通信が息をしていた時代かと思います。
なので『使用されるツール』は格段にレベルアップしています。
問題は思想の方で、こちらは28年間、全くと言って良いほど進歩しなかった。
多くの会社で起きている問題はITシステムが経営に最適化されていないということです。
今でこそERPという経営最適化のための統合システムがありますが、当時もEISという経営最適化のためのシステムが存在していました。
で、時はインターネット時代に入ろうとしているので、ここで重要とされたのは如何に情報の横展開(リレーションシップ)を強化し、業務を全体最適化するかというものでした。
そしてコレは90年代末期~2000年代初頭のIT革命時代にも言われており、そしてDXという言葉に変わって現在に至ります。
確か極言暴論で木村岳史氏が「IT革命時代にも今のDXと同じようなこと言ってたで」と言っていた記事があったのですが、遡ると28年前にも同じような議論をしていたわけです。
👾カスタマイズモンスターの現場最適化
少なくとも日経BPでは28年前から「システムは全体最適化をしろ」と書いていたわけです。
ネットを見れば至る所で「マスゴミ」なんて言ってる輩を見かけますが、やはり腐っても経済紙としての日経は確かなものがあります。
システムの経営最適化、全体最適化というのは、恐らくアメリカや中国、韓国と言った国々では、もう10年も前に終わっている議論なのです。
アメリカにしろ中国にしろ、基本的な考え方は「人がシステムに合わせて働き方を変えなさい」ですが、日本は「働く人に合わせてシステムを作りなさい」という方向に向かいました。
するとどうなるかって言うと、俺様仕様のカスタマイズモンスターが作られます。
このカスタマイズモンスターと言うのは本当に困ったもので、同じ会社が作った同じ名前のシステムの筈なのに、仕様が十人十色になってしまいます。
これはITの企業で働く保守側の人間からすると、非常に困るんですね。
とにかくカスタマイズと言うのは保守性が落ちるんです。
また、日本企業のシステムは働く人(現場)に合わせて最適化しているので横連携(リレーションシップ)が無いんです。
せっかくCRMを使っているのに営業以外は情報を知らないとかあるあるです。
CRMは「Customer Relationship Management」の略なんですけどね…。
ところがCRMも日本語では「顧客管理システム」と訳されてしまいました。
「Relationは何処に言ったんや(Relationの部分が肝なのに!!)」
と、まぁこんなことが珍しく無いわけです・・・。
📖28年前の本に古さを感じなかったヤバさ…
総評としてはもう「28年前の本なのに古さを感じなかった」ということですね。
つまり、日本のIT思想は28年前から殆ど進歩をしなかった。
ここにヤバさを感じますね。
28年前はSNSは無かったし、ノートパソコンすら殆ど無かったので、ハード面やソフト面は確実に進歩を遂げました。
しかし、肝心の使う人の思想面は殆ど育っていなかったとも言えます。
家庭レベルで見ればスシロー舐めプ事件が起こるほどには親世代がSNSの使い方を教えられず、企業レベルで見れば現場最適化されて横連携が全くと言って良いほどされていないカスタマイズだらけのシステムを目にするに、まだまだ利用者の思考が育ってないことがわかる一冊でした。
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