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阿波和紙のオリジナル和紙、「紙麻」リブランディング・プロダクト開発について。

1300年の歴史を持つ阿波和紙のブランド総称であるアワガミファクトリーのオリジナル和紙、「紙麻」(かみお) を使ったファッション雑貨シリーズのリブランディング・プロダクト開発を担当させて頂きました。

徳島。紙漉きの現場、 ペーパーレス化で日本の紙の需要が下がりつつありますが海外のアーティストからは支持されてるアワガミファクトリーさん。

手漉き和紙の現場は海外からも体験や作品づくりのために皆さん来られるとか。
手工芸としての和紙の現場。

そして、

機械で抄紙する現場もあります。産業工芸の一面もある。

その設備から生まれた、、

めちゃめちゃ再現度におどろきます

今ではインクジェット用の和紙もレザーを再利用した紙も。
和紙に印刷したとは思えないレベルの質感。


01.同業文脈の事業分析・ターゲット確認と設計

市場にある和紙のプロダクトやファッション雑貨の傾向の調査、アワガミファクトリーさんの技術、これまでの納品先調査やSNSサーチでアーティストや写真家にもファンが多かったりなど、アート業界でも評価されてきた実績(Mission)を整理し、和紙の持つ柔らかい印象ではなく、自身の個性を表現するようなデザインを好むターゲットが好ましいと仮説し、アートが好きな人、アーティストやクリエイターをターゲットに設定しました。

現場もリサーチ。

02.プロダクトデザイン

紙漉きと同じくアワガミファクトリーさんの伝統的な技術「藍染め」

貴重な材料であることがわかります

藍染の技術も活かしながら、さまざまな形状でスリーブケースのデザインを検証。


紙麻は強く揉んだり引っ張ったりしても破れづらく、紙とは思えないほどの高い強度を保ち、かつ柔らかくしなやかな質感。日常的に使い続けることで、時間の経過と共に表情が変わり、より柔らかな風合いへの変化を楽しめます。


03.ロゴデザイン

ロゴマークは、強さとしなやかさを持つ紙麻の紙の特性を込めたデザインに。
タグなどに展開し、紙麻のモダンなデザインをより引き立てるよう設計しました。

紙麻は各地催事で現地販売を開始し、近日中にアワガミファクトリーさんの公式通販サイトでも販売開始予定です。強くてしなやかという言葉通り、紙とは思えない強度と、あらためて、手漉きの技術とその表現力に驚かされます。


一味変わった和紙プロダクトを持ちたい方は、是非チェックしてみてください。

個人的に気になるのは、こういう皆さんが勝手に作ったまかない的な現場道具。

ここまで有難うございます。

最後少しだけ。

和紙に限らず、工芸な素材や技術の定義は業界でもしっかり示されているところもあるけれど、「和紙」には定義があるのかないのか、気になるこの頃。

この仕事に携わる際に、和紙業界の方から色々と聞きました。

今は和紙の生き残りをかけて、新たに生産拠点や次のことを考えている会社もあれば、その考えと相反する会社もあって、ある工場や現場とお付き合いしていると、他のある現場から考えの違いもあり、あのやり方はダメだとか、アレは良いとか。色々と言われたりすることもあります。

たとえば、海外で日本の製品を作る会社も今は出てきている。一方で日本で製造しているけれど、製造現場に外国人を沢山雇っている会社もある。海外に住む日本人が海外で作った場合は含まれないのか・・・。

色々精神性も踏まえ考えさせられる。

深く考えていくと、工芸の聖地、京都で生まれた工芸品だから全てが
素晴らしい工芸品とは限らない。職人の腕と地域は関係ない。

「日本製」って「日本性」なのかとも思うこともある。
日本の性(さが)が日本のものづくりを支える根幹なのかなと。
(ユーズド・イン・ジャパンなんて言葉も日本人の性からきている気がします)

ただ、これから売ることよりも、作ることが難しい時代になってきているのは間違いないんで、揉める前に話し合えることを考えていかないとと。そもそも何のためにやっているのか、それは誰のためか。

現場と会社と職人とスタッフとお店や取り組み先と行ったり来たりしていることで考えることが減らないこのごろ。

工芸に絡む、定義のお話はSNSでも色々賑わせている。
時代が変わり、持つ意味も変わってきたなと思います。

でも日本の工芸に携わる人達は皆さんの根っこは同じなのにといつも思います。
どっちがダメとか良いとかより、どうやって生き残るのかを議論と考動に移さないとと。

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