ヨガと免疫
こんばんは
今日は、『ヨガと免疫』についてまとめてみました。
ヨガは、古代インド発祥の伝統的な宗教的行法で、心身を鍛錬によって制御、精神を統一し、心の働きを止滅させ、輪廻からの「解脱」に至ろうとするものである。とウィキペディアに記載されています。
ヨガには、さまざまな健康上の利点があることが言われていますが、免疫力を高める効果があるのか否か、その医学的根拠について調べてみました。
2018年に発表されたヨガに関する複数の論文をまとめた報告によると、ヨガによって炎症誘発性マーカーであるIL-1やIL-6およびTNF-αが低下し、免疫力を強くする可能性が報告されています。*論文1
*論文1 Falkenberget al.J Behav Med 2018 41(4), 467–82
また、ヨガによって、
口、鼻腔、気管支や肺、胃腸の表面をコーティングしている免疫蛋白である分泌型免疫グロブリンA(IgA)が増加し、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少します。
つまりヨガはストレスを軽減する事により、免疫機能を高める効果があるようです。*論文2
*論文2 Eda N et al. J Women Aging. 2018 May-Jun; 30(3):227-41.
英国の国民健康局(National Health Service:NHS)は、すべての年齢の健康に効果的で安全な治療法としてヨガを推奨しています。
■ヨガはどんな病気の治療に応用されているのでしょうか?
366の論文を解析した結果が下記のグラフです。*論文3
*論文3
Cramer H et al. BMC Complement Altern Med, 2014. 14, 328.
代表的な病気や症候をピックアップすると、下記の通りです。
*論文4 関節炎
*論文5 ストレス
*論文6 メタボリックシンドローム
*論文7 喘息
*論文8 痛み
*論文9 うつ病
*論文4 RheumDis Clin N Am, 2011 37:33—46.
*論文5 Altern Ther Health Med, 2011.17:32-8.
*論文6 Evid Based Complement Altern Med, 2007 4:469-86
*論文7 J Asthma, 2011 48:632—9
*論文8 Complem Ther Med, 2011 19: 281-7
*論文9 J Psychiatr Pract 2010 16:22-33
いろんな病気に効果があるのですね。。
■どんな種類のヨガが医療に応用されているか?
調べた結果が下記のグラフです。
上から順に、分類不能なヨガが最も多く、その他、下記の3つが多いようです。
ハタ・ヨガ、
アイアンガー・ヨガ、
プラーナーヤーマ(ヨガの構成要素の1つ)
■ヨガをどれくらいやると良いのか?
調べると下記の2つの論文がありました。
①介入ヨガの期間または期間において、ヨガは毎日4週間定期的にヨガを行った後に効果を示し始めました。*論文10
②最長6か月または24週間ですが、週3時間および週2〜3回の介入では良い結果が得られないようです。*論文11
*論文10 Rao RM et al. Int J Yoga, 1(1), 11-20.
*論文11 Long Parma D et al. Springerplus, 4, 143.
複数の論文をまとめると *論文12
①ヨガの医学的効果は徐々にあらわれ、ヨガを取り入れた初期段階では、柔軟性と姿勢の改善が得られ、ストレスの軽減と平和的感覚が高まる。
②ヨガの継続時間と強度をより長く、頻繁に行うと、免疫システムが徐々に強化され、体に多くの利点がもたらされる。
③免疫システムが向上する最も効果的なヨガの構成要素は、アーサナ、プラーナーヤーマ、ディヤーナの組み合わせで、その恩恵を受けるためには、少なくとも連日4週間が必要である。
*論文12
Juanamasta IG et al. ISBN: 978-979-796-276-0
International Conference on Nursing
⭐️付属の知識
ヨガには8つの構成要素があります。
1. ヤマ/Yamas 【禁戒】
2. 二ヤマ/Niyamas 【勧戒】
3. アーサナ/Asanas 【坐法】
4. プラーナーヤーマ/Pranayama 【調気】
5. プラティヤハーラ/Prathyahara 【制感】
6. ダーラナー/Dharana 【集中】
7. ディヤーナ/Dhyana 【瞑想】
8. サマーディ/Samadhi 【三昧】
新型コロナ対策として、ヨガを取り入れてみましょう!