週刊セブ島留学＆起業日記（第55回）

この記事は2019年10月26日に配信されたメルマガのバックナンバーです。

＜今週のトピック＞
・ フィリピン人の給料：求人票からリアルな金額をピックアップしてみる
・ セブで起業したい方からの的外れな質問や勘違い
・ 年末年始のフィリピン留学
・ セブの超有名校「サウスピーク」で不穏な動きが
・ マクタン島にできた美味しいスペイン料理屋さん『MESA』
・ 世の中が変わる？グーグルが量子コンピューターの開発に成功？

＜フィリピン人の給料、求人票からリアルな金額をピックアップ＞
まずはIndeedという求人広告のウェブサイトより、今日時点で掲載されているものを幾つかピックアップしてみます。検索条件としては、場所はセブ市（Cebu City）で、雇用体系はフルタイムです。記載されている金額は月給です。ざっくり２倍すれば「円」になります。

＜販売系＞
Store Supervisor
KIMSTORE ENTERPRISE CORP.
PHP 14,000 - PHP 15,000 a month

Sales Executive for Cebu (Basic plus Sales Commission)
Wegen Distributed Energy Philippines, Inc.
PHP 14,000 - PHP 16,000 a month

＜データ入力＞
Data Encoder
AVASIA INFORMATION SYSTEMS INC
PHP 10,000 - PHP 15,000 a month

＜英語の先生＞
ESL - ENGLISH TEACHER
Ringteacher Spain S.L.
PHP 15,000 - PHP 25,000 a month

＜コールセンターのオペレーター＞
Call Center Agent
Pan Asia Resources 3.3
PHP 15,000 - PHP 23,000 a month

＜会社の管理部門＞
Front Office Admin
Orbit Telerservices
PHP 22,000 a month

＜銀行の窓口＞
Bank Teller/ Insurance Agent
Orbit Telerservices
PHP 24,000 a month

＜ホテルの受付＞
Hotel Receptionist
Orbit Teleservices - Cebu City
Cebu City
PHP 27,000 a month

いかがでしょうか？この圧倒的な安さ。月給で4万円を超える人はほとんどいません。ドゥテルテ大統領が就任してから、すぐに個人所得税が劇的に下げられ「年収25万ペソ未満の場合は所得税なし」となったのですが、これにより所得税を収める労働者の割合は１割程度になったとの噂も聞いたことがあります。ネットで調べたのですが、この「１割」については裏は取れませんでしたが、感覚的には合っていると思います。

例えば、フィリピンの花形産業の一つ、コールセンターのオペレーター。アメリカ企業からのアウトソースを受け今ではインドを抜いて最大のアウトソース先ですが、給料は上記の通りです。私も何人かに聞いたことがありますが、アメリカの営業時間に合わせるので勤務体系は夜間でありながら、給料は2万ペソ弱というのが相場です。厳しいです。

夜間なので家族と過ごす時間が減る、アメリカ人には電話口でどやされる、ということで実はとっても離職率の高い職業なのです。何はともあれ、セブの人件費の安さはお分かり頂けたと思います。マニラは２〜３割セブより高いと思いますが、それ以外の地域は、間違いなくセブより給料相場は安いでしょう。フィリピンってすごい格差社会なのです。

次に、最低賃金についても簡単に解説しておきます。下記は現時点の地域別の「日給」の最低賃金です。「時給」ではないのでご注意ください。

マニラ 537ペソ
セブ　386ペソ
ダバオ　396ペソ
ジェネラルサントス　311ペソ

Source: https://nwpc.dole.gov.ph/

あくまでも「最低賃金」ですが、圧倒的に高いマニラ首都圏ですら1日約1,100円です。そして、セブとマニラの間には約３割もの格差があります。調査した中で最安であったミンダナオ地方南部（ジェネラルサントス）にいたっては、1日たったの650円です。驚異的です。この数字を見て信じられない方もいると思うので、確たる証拠を下記に提示します。

Sales Staff for Robinsons Galleria Cebu
UNITED STITCHES GROUP INC.
PHP 386 a day

上記はIndeedという求人サイトに掲載されている求人広告です。ロビンソンというセブではかなり高級なスーパーの販売員の募集賃金は「日給386ペソ」なのです。他にも、某英語学校ではバイトの講師に１時間の授業料として50ペソを払っているという噂を聞いたことがあります。1時間100円です。おいおい安すぎだろ！と言いたくなりますが、最低賃金をベースに考えると、それほど酷い待遇ではないのです。

本メルマガをお読みのフィリピン在住の方！宜しければ、お住まいの地域の人件費について、差し支えない範囲で情報＆コメントを頂けますと嬉しく思います。

＜セブで起業したい方からの的外れな質問や勘違い＞
私は普段、セブでビジネスをしたいという方からの質問をよく頂きます。ということで、ここからはよくある質問＆相談と絡めて、フィリピン人の実力についても語っていきたいと思います。

（１）フィリピン、人件費安くて最高ですね！夢があります！！
いえいえ、夢なんてありませんよ（苦笑）。とにかく、フィリピン人の仕事の出来なさは圧倒的です。常に日本人の想像を超えてきます。２つ頼んだら必ず１つは忘れます。つまり「マルチタスク」ができないのです。そして、残った一つも失敗します。更に失敗すると報告しません。理由は、怒られるのが怖いから。お願いした以上のことはまず帰ってきません。フィリピンで仕事をする上で「期待」をしてはいけません。

以前、アダルト業界の方がセブに視察に来られました。映像の編集を人件費の安いフィリピン人を使ってやろうと考えていたのですが、結局彼は台湾に行きました。そして、彼が最後に言った言葉が印象的でした。セブではひたすらモザイクをかける仕事くらいしか発注できませんね。。

もちろん、中には優秀なフィリピン人もいますが、そういう人は海外に出稼ぎに出てしまうのです。日本でも多くのフィリピン人が働いていますが、彼らは一握りのエリートなのです。

（２）日本人を大量に現地採用で安く採用したい
これも実際に何度かあった相談です。雇用者からすれば「現地採用」は美味しいですからね。同じ日本人を格安で採用して酷使できるわけですから（笑）。しかし、これは不可能です。海外在住者には当たり前のことですが、日本人が海外で合法的に働くためにはビザが必要です。そして、ビザの発給条件として、フィリピン人の雇用があります。

おそらくフィリピンでは明文化されていませんが、経験上、フィリピン人社員が4人いて外国人を1人雇用できるといったイメージでしょう。タイの場合は、分かりやすく「4人に1人」と明文化されています。つまり、日本人を10人雇いたければ、フィリピン人スタッフを40人雇う必要があるのです。

まあ、そんなにうまい話はないということです。

（３）1年以上たっても会社ができない

こんな相談も多いですね。現地の日本人に法人設立を依頼したところ遅々として進まない、といった話もよく聞きます。最悪のケースとしては、そのまま開業資金を持ち逃げされてしまうケースです。残念ながら、こういう話を聞くのも少なくありません。

フィリピンで会社を作るには、英語力とそれなりのビジネススキルが必要です。そんな日本人はセブにはほとんどいません（多分）。ですから、現地でコンサルのようなことをしている日本人はフィリピン人弁護士に丸投げするのです。そして、彼らがボラれている金額をそのまま顧客に請求するのです。

更に最悪なのが、弁護士だからといって法人設立に詳しいとは限らないことです。弁護士ってそれぞれ自分の専門分野がありますよね。というか、会社の設立は弁護士でなくてもできるのです。普通に考えたら当たり前のことなのですが、海外に出るとそんな「当たり前」の判断が不思議とできなくなるのです。

際限なくなるのでこの辺で。。。

要は、安い人件費に釣られて安易にフィリピンビジネスに手を出さないことです。「フィリピン人が得意なことは何か？」をしっかり見極めて、それがあなたのビジョンと合致すれば、是非フィリピンに進出なさってください。

最後に、

感覚的ですが、セブにある日本人の会社で上手くいっている会社は少ないと思います。きっと赤字経営の会社は多いと思います。やはり、フィリピン人のマネジメントは本当に大変なのです。一方で、日本で商売をされていて、それが儲かっていて、フィリピンの商売は「道楽」という位置付けの人も少なくないように思います。要は経営者が「出張」とう名のもとに「ひとときの自由」を得るための手段と言いますか。。。

すみません、夢のない話をしてしまいましたが、中には猛烈に儲かっている人もいます。何はともあれ、もしフィリピンビジネスに興味があれば、まずは現地にどっぷり浸かって観察してみることですね。

それでは、いつものコーナーに行きましょう。

1. 読者さんからの投稿

＜Oさんからの質問＞

年末年始にタイ英語留学を考えています。学校はやっていますか？以前、フィリピン留学をしたことがあるので、できれば今回はバンコクが希望です。

＜KGの回答＞

残念ながら、私が業務提携しているタイの英語学校はお休みです。下記が休日の詳細です。

インターナショナルハウス＠バンコク
12月28日（土）〜1月3日（金）

インターナショナルハウス＠チェンマイ
12月28日（土）〜1月3日（金）

インサイト・イングリッシュ＠バンコク
12月29日（日）〜1月3日（金）

インサイト・イングリッシュ＠ホアヒン
12月21日（土）〜1月5日（土）

一方でセブ留学。

まず下記の記事に、各校の年末年始の対応が纏められています。

『フィリピンセブ島語学学校 年末年始スケジュール（2019-2020年）』
https://ceburyugaku.jp/111141/

最近では、年末年始も授業を行う学校が増えてきましたね。その影では涙ぐましい経営努力があると推察します。まず、年末年始に従業員に「出社してくれ」とお願いするのは簡単な仕事ではありません。誰だって年末年始は休みたいですから。

次に、祝日出勤をしてもらった場合は当然に割増賃金を払う必要があります。仮に定員100名規模の学校であれば、この割増賃金だけでかなりの負担になります。ですから、祝日に授業を提供する学校の中には「追加料金」を請求するところも多いのです。

最後に、こんな努力をして「祝日授業」を提供しても、感謝されないということがあるのです。信じられないことかもしれませんが本当です。

私が経営するセブ英語倶楽部は年末年始を含め「カレンダー通り」の営業です。今年の8月には多く大学生が来てくれたのですが、祝日に授業を行うことを伝えると数名から不満の声が。理由は単純、祝日は休みたい、勉強したくないというのです。

実は彼らは自分の意思で留学したのではないのです。親の意思や、大学の意思（留学が単位取得の条件）で留学している学生は結構多く、韓国人の学生の大半はこのタイプです。スミマセン、決めつけていますが私の経験から言ってそうなのです。まあ、これが韓国人学生を私の学校が受け入れない理由です。やはり、やる気のない学生がいると学校の雰囲気って崩れるのです。

話を戻します。

フィリピン人の先生に祝日出勤をお願いし、割増賃金まで払い、自分も当然出勤し、挙句の果てに感謝されるどころか不満を耳にする。最悪ですね。つまり、学校の本当の顧客は生徒の親であって、生徒ではないのです。

まあ、このような経験をしたので、今後は祝日の授業は「希望者のみ」にしたいと思っています。そうすることで、フィリピン人講師のモチベーション低下を防ぎたいと思います。低いモチベーションの生徒を相手にすれば誰だってモチベーションは落ちますので。こういう小さな思い遣りを忘れては経営はうまくいきません。

最後に、セブ英語倶楽部は年末年始も平常営業です、詳しくは下記をどうぞ。

【2019-2020年】年末年始のセブ島英語留学はセブ英語倶楽部へ
https://cebuec.com/2019-2020holiday/

2. フィリピンのビジネス＆生活あるある

フィリピンに限らず共同経営者の仲間割れってよくありますよね。それから、創業者が自分の作った会社から追い出されたり。あのスティーブ・ジョブズだって、一度は自分が作ったアップルから追い出されているわけですから。

で、そんなすったもんだが、セブ留学の超人気校「サウスピーク」で起こっているそうです。かなりの極秘ネタですが、読者限定のメルマガであることと、少しずつネット上で情報が漏れてきたので、ここで触れることにしました。

まずサウスピークのウェブサイトを検索しても出てくるのは、創業者の個人ブログです。学校のウェブサイトには辿りつけません。もうこれだけでも、異常事態であることは分かりますね。

https://souspeak.com/

そして、twitterでサウスピークと検索してみると不穏なツイートが散見されます。

https://twitter.com/search?q=%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AF&src=typed_query

ここでこれ以上は書きませんが、サウスピークに留学を考えている方がいたら、今はやめた方が良いと思います。こんな噂が広まっては、学校の経営がどうなるか不安ですから。

同業の経営者として、留学生の味方として、被害者が出ることなく早期に解決することを切に願います。同業者としてセブ留学の評判を一緒に高めたいと思っていますので。

3. セブのレストラン

セブには珍しい美味しいスペイン料理屋さんを発見したのでここに紹介します。下記ブログ記事をお読みください。

【セブ島グルメ】マクタン島に本格スペイン料理レストランが登場『MESA』
https://cebuec.com/mesa/

セブには落ち着いてワインを飲めるお店は少ないのですが、このお店なら大丈夫です。

一方で、マクタン島のスペイン料理と言えばシャングリラ・ホテルの目の前にある「オラ・エスパーニャ」が有名ですが、オススメしません。おそらく、あらゆるガイドブックに載っていますが、確実に美味しくないのです！誇大広告に気をつけてくださいね。

4. 今週買ったもの

EasyJoy レザー ウエイト リフティングベルト 【筋トレ トレーニング 腰 ウエスト バーベル】

https://amzn.to/2JlNXKK

今回は筋トレで使うベルトを紹介します。9月に帰国した際に購入してきたものです。アマゾンで１位であったので購入したところ、作りもしっかりしていて使い心地も上々です。

ベルトは、スクワットのような縦軸運動で高重量を扱う際に使用します。他にはデッドリフトやパワークリーンのような種目ですね。ベンチプレスのような種目では着用は不要です。

一番の目的は怪我の防止です。とにかく、筋トレで一番気をつけるべきは怪我です。筋トレができなくなるだけでなく、日常生活でも支障が出てしまうこともありますので。怪我の防止のための投資と考えれば安いですね。今後長期に渡って筋トレを続ける気のある方は、是非購入を検討なさってください。

私個人としては、高重量でスクワット等を行う場合は、ベルトがないと怖いです。というかやりませんね。

5. 筋トレ

今回は、インクライン・バーベル・ベンチプレスの紹介です。

https://www.youtube.com/watch?v=6lOgtYdUwSk

角度をつけることで、通常のベンチプレスに比べ、大胸筋の上部を刺激することができます。要はバストアップですね（男も女も）。

勿論、バーベルではなくダンベルでやっても良いでしょう。胸を鍛えたい日に、通常のベンチで３セット、インクラインで３セットなんてのもありです。

こういう相違工夫がまた楽しいんですよね。

筋トレ最強！

6. 経済＆投資

日経平均　（年初来 13.91%）
ダウ平均　（年初来 15.56%）
フィリピン平均 （年初来 9.83%）

今週も3カ国とも続伸ですね（嬉）。日経平均は年内に23,000円まで戻すという声も聞こえてきましたね。

「年末に２万３０００円＝東洋証券マーケット支援部長佐藤隆人氏」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019092700794&g=myview

最後に超ビッグニュース！

「グーグルは本当に量子コンピューターの開発に成功したのか？」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13265.php

これが本当だったら世の中変わりますね。Game changerの出現です。その性能は桁違いです。

“グーグルの研究チームは、同社の量子コンピューターが、従来のスーパーコンピューター（スパコン）で約1万年かかる計算を「わずか数分」で解いたと発表した。”

最近のビットコインの乱高下はこのニュースが引き金との噂もありますね。要は量子コンピュターがあれば、簡単に「暗号」が解かれてしまうということで。もう少し詳しく調べて、次号で続報を書きたいと思います。

それでは、また来週お会いしましょう。