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夏の甲子園、「愛知2校」待望論

 夏の甲子園に向けた各都道府県大会で、続々と優勝校が出揃ってきた。今年の愛知県大会は我が母校・愛工大名電高が新興校の名古屋たちばな高に負けてしまうという波乱が起きたので直ぐに見る気が失せてしまったが、甲子園には私学四強の中京大中京が出るので見る価値がありそうだ。今回は、そんな野球王国愛知から、夏の甲子園に2校出して欲しいという提言をさせていただくことにしよう。

現行制度はあまりにも不平等

 皆様ご存知の通り、夏の甲子園は原則各都道府県から1校ずつ出られる。何故か東京都と北海道は2校出られるが、10年に一度の記念大会以外はこの2地区以外の全ての都道府県が1校ずつしか出られないのだ。この制度、見ている側からしたら都市対抗のような雰囲気で盛り上がるが、やっている球児達からしたらあまりにも不平等な制度である。

 各都道府県の高校野球参加校数には、当然差異がある。人口が過密している地域には高校が多く、逆に田舎には高校が少ない。なんと鳥取県では参加校数が22しかないのだ。反対に、野球王国として知られる愛知はなんと173もの高校が優勝旗を奪取するために死闘を繰り広げている。これは南北に分割されている北海道の168校を上回る数字なので、こちらも同じように分けて欲しいものだ。また、この北海道と同数である神奈川県やそれに近い校数を誇る大阪府や千葉県にも2校枠を設けて欲しいものだ。

投手の負担も考慮して

 今回この内容を書こうと思った大きな理由の2つ目は、現行の愛知1枠では投手に負担がかかりすぎてしまうということだ。

 夏の甲子園では、以外にも愛知代表はすぐ負けてしまう。近年でいい所まで行ったのは令和4年大会の愛工大名電高くらいではないか。最後に優勝したのは10数年前。現広島の堂林翔太が4番投手で旋風を巻き起こした中京大中京高から出ていない。休養十分に臨むことができる春のセンバツ大会ではいい所まで行くので、県大会の試合数の多さが影響していると言わざるを得ないだろう。特に投手は酷暑の中投げ抜くのでへばってしまうのは当然のことだ。

 記念大会のように、尾張と三河で上手いこと分割すると県大会の試合数もおよそ半分にすることが出来る。その分、球児にかかる負担も半減するということだ。

帳尻合わせは過疎地域の「2県1枠制度」で

 ここまで読んで下さった方は、恐らく「闇雲に2枠の地域を増やしたら、甲子園の日程がパンクしてしまうのではないか」ということだ。ただでさえ過密日程の夏の甲子園で、これ以上出場校数を増やす訳には行かないだろう。

 そこで使いたいのが2県1枠制度だ。戦後まもなくから昭和中期までの記録を見てみると、静岡県と山梨県で1枠だったり、四国で2枠だったりと必ずしも1県1枠では無いことが分かる。出場校数を考慮すると、こちらの方が正しいのだ。この制度を現代に蘇らせて、できるだけフェアな条件で甲子園を争って欲しいものだ。

最後に

 愛知県には私学四強に隠れてはいるが、豊川高や愛産大三河高といった素晴らしい三河武士がいる。愛知2枠になったら、必ず全国区の高校になるに違いない。

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