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【if】名古屋近鉄バファローズ

 東京、大阪、名古屋は日本の三大都市圏だ。東京には巨人軍とヤクルト、大阪には阪神とオリックスがあるのだが、名古屋は中日が唯一無二のフランチャイズ・チームである。ただ、'60年代には近鉄が名古屋に移転するという話があったようだ。この話は中日の反対により頓挫してしまったが、もしも近鉄の名古屋移転が実現していたらどうなっていただろうか。今回は、そんなパラレル・ワールドを書いていくこととしよう。

実は名古屋人にとって…

 名古屋以外に住んでいらっしゃる方には驚かれるかもしれないが、名古屋人にとって近鉄線は非常に身近な存在だ。名駅よりも西から難波までの地域へ行くには近鉄線が1番なのだ。近鉄球団もナゴヤ球場やドームを準本拠地として年間数試合は必ず行っており、その名残からか名古屋でパ・リーグを見ている方は少ないもののオリックスファンが多い印象だ。それでは、近鉄球団が完全に名古屋に本拠地を移したらどうなっていたかを考えよう。

ナゴヤ球場からは…

 恐らく、ナゴヤ球場からは中日との日程調整が難しいので早い段階で撤退するだろう。デーゲームをやるにしても、集客が見込めるのは土日だけ。更に夏のナゴヤ球場は灼熱地獄なので昼間から野球をやるにはかなり厳しい環境なのだ。また、ナゴヤ球場は近鉄沿線ではないので、観客の運賃からなる収益は見込めないだろう。

 従って、近鉄沿線に新球場を建てるのではないか。現実的なラインを考えると、弥富や八田の辺りだろうか。立地を考えると八田がいいだろう。地下鉄沿線でもあり、近鉄沿線でもある。名古屋からも三重からも行きやすい環境だ。もちろんナゴヤドームへの移転もなし。全天候型球場と空の下でプレーできるボール・パークという対照的な環境で差別化もできるはずだ。

合併もなし

 恐らく、平成16年に起きた近鉄オリックスの合併もこの世界線では行われていない。近鉄は名古屋のどこかの企業に買収され、バファローズとブルーウェーブの名前が残ったままこんにちに至ることだろう。

 こう断言出来る理由は名古屋の土地柄だ。名古屋には球団を持ちたくても持てない企業がたくさんある。中日に興和製薬や愛知トヨタ、矢場とんやデンソーなど多くのスポンサーがいるのはこれが理由なのだ。近鉄球団はこうした企業に買われて、今もなお存続していたことだろう。

名古屋ダービーも

 昨季、在阪のセパ両雄である阪神オリックス間で日本シリーズを開催したことが「関西ダービー」として、更に遡れば昭和56年の巨人日ハム間で開催された日本シリーズは「後楽園ダービー」と呼ばれたが、もしも中日近鉄間で日本一を争うことがあれば「名古屋ダービー」となるはずだ。

 それに1番近づいたのは昭和63年。中日は優勝し、近鉄は僅差の2位。いわゆる最終戦の「10.19決戦」を近鉄が制していたら、この世界線では名古屋のチーム同士で日本選手権を争うこととなったのだ。また、史実で近鉄は平成13年に優勝していたこともあり、ローズ、中村紀洋を擁したいてまえ打線が平成16年以降もそのままの状態で機能していたら中日の黄金期と被り、セパに分かれてライバル決戦が盛んに繰り広げられていたかもしれない。

最後に

 もしかしたら、エスカにはドラゴンズショップ、近鉄パッセにはバファローズショップという時代が来ていたかもしれない。次回は平成26年の球界再編について、パラレル・ワールドにご案内する予定だ。

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