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【D】名古屋の国歌・燃えよドラゴンズ50年

 「いいぞ、がんばれ、ドラゴンズ、燃えよドラゴンズ!」というサビの部分は、野球に興味のない人でも名古屋に住んでいたら1度は耳にしたことがあるのではないか。中日の歴史と共に歌い継がれてきた「燃えよドラゴンズ!」が今年で50周年。名古屋の国家と言っても過言ではないこの歌について、50年のうちのたった10数年程をリアルタイムで聴いてきた僕が思いを綴ることとしよう。

竜戦士の「履歴書」である

 コテコテの中日ファンには、それぞれ思い入れのある選手がいるものだ。僕にとってのそれは昨季引退した堂上直倫コーチである。彼が初めて燃えよドラゴンズに登場したのは平成19年、まだ僕が野球と出会っていない頃である。その当時は現在球団職員を務めている兄の剛裕氏とまとめられ、「堂上兄弟竜の華」と歌われている。そして月日がたち、平成22年の「燃えよドラゴンズ2010」では「6番野本だ剛裕だ、7番直倫竜の華」として、兄弟揃ってレギュラー選手として歌われるようになった。しかしその翌年の連覇記念バージョンの際は井端弘和氏の復活があり、再びレギュラーを手放してしまったが、「チャンスに堂上剛がいる、明日に堂上直がいる」と控え選手ながらも兄弟それぞれへの期待が込められた歌詞で歌われているのだ。

 その後守備固めに定着した彼が最後に登場したのは一昨年のもので、ここでは「堂上、ブライト竜の華」と歌われている。カンのいい方はお気付きだろうが、ここで初登場を果たした平成19年の「堂上兄弟竜の華」へと見事な着地をみせるのだ。最初から最後まで、地元の選手として愛された彼にはピッタリな「履歴書」である。そして「竜の華」を受け継いだブライト健太が、どのような野球人生を辿っていくだろうか。少し注目してみようではないか。

ファンにとっての「燃えドラ」

 今回この投稿を推敲するにあたって、やはり僕以外の中日ファンの方にも印象に残っている歌詞を伺うことにした。まずはやはり、中日球団史に精通されているゆう氏(Twitterネーム)から。

「私は1999年の「攻めよ愛甲守れ久慈」と「八本柱の竜の城」が好きですね!
人生初めての優勝アンド燃えドラでしたが、控え選手も入るんだ!というのとこういう選手がいるから優勝できたんだと気付かせてくれた歌詞ですね〜」

 やはり、控えの選手にもハイライトを当てるのがこの歌の良さである。毎試合スコアボードに名を連ねずとも、中日のユニフォームを着ている全ての選手が球団にとっての戦力であり、ファンにとっての宝物なのだ。この当時の愛甲猛氏、久慈照嘉氏のようなベテランの味を、現在中日に属している中島裕之や山本泰寛に期待しようではないか。続いてベイのお膝元・横須賀から中日を応援されている横須賀ドラゴンズ氏も、燃えよドラゴンズ'99から。

「1999年度バージョンの「今でも今中愛してる」ですね。

肩を故障して投げられないかつてのエースのことを忘れてないぞ、俺達は待っているぞという当時の中日ファンの気持ちが伝わってきてなんかいいなと

個人的に好きなのは2005年度バージョンです。理由は簡単。私個人が初めてお小遣いで買ったCDだからです(笑)」

 この今中慎二氏も燃えよドラゴンズが履歴書となっている選手の1人だ。初登場では「強く今中育ったぞ」、エース格になった平成5年バージョンでは「エース今中弓のよう」そしてこの11年バージョンに落ち着くわけだ。最後の登場は12年バージョン。「きっと今中甦れ」である。その思いは虚しく、平成13年に「悔いは、あります」という名言と共に30歳の若さでユニフォームを脱いでしまった。この曲にはこうしたファンの思いを代弁する歌詞も多い。そして僕と同い年の野球女子の方(匿名希望)は、

「1番心に残ってるフレーズは野球あれこれさんと全く同じところです笑
他だと2014版の『八番 谷繁愛で打つ』も個人的に好きです♡」

 との事だ。お家騒動の末に誕生した青年監督・谷繁元信氏の中日愛を表す歌詞にしては、出来すぎているだろう。「雇われ監督」と批判された彼だったが、NPB史上最高の捕手と言われることもある彼の手腕をもう一度見たいものだ。

この人に歌って欲しい!

 一昨年、燃えよドラゴンズを20年近くにわたり歌ってきた水木一郎氏が亡くなられて以降、新しいバージョンは出されていない。しかしながら、その時々をときめくスターたちが歌ってきたのが「燃えドラ」だ。いずれ次の歌い手が出てくるに違いないはず。その中で、僕が歌って欲しいのは次の3人だ。

 まず1人目はCBCの光山雄一朗アナウンサー。今春から中日応援番組「サンデードラゴンズ」の司会者に抜擢された実況アナだ。透き通るような綺麗な声をしているので、歌唱力もさぞ素晴らしいことだろう。同様の理由で、若狭敬一アナウンサーにも歌って欲しいものだ。

 2人目は峰竜太氏。彼も長い間、東海テレビの中日応援番組「ドラHot」で司会をしている。筋金入りの中日ファンであり、中日ファンからの人気も高い人物だ。

 3人目はサカナクションの山口一郎氏。この人は辛抱強く中日を応援していることで有名で、中日の負け試合ではTwitterのタイムラインに彼の名言「何の心配もしていない。一生かけて応援するわけだから」が踊ることが多い。若いファンの知名度も抜群であり、中日の御家復興に一役買ってもらいたい存在だ。

最後に

 まさにこの歌は、名古屋っ子をじいんと痺れさせてきた素晴らしい歌だ。今季は久しぶりに中日が開幕ダッシュ。だからこそ、この歌を歌おうではないか。

ボクもアナタも願ってる
祈る気持ちで待っている
それはひとこと優勝だ
立浪監督の胴上げだ
いいぞ!頑張れ!ドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!
頑張れ!頑張れ!ドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!

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