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【D】影のキーマンは元G戦士?

 今季の中日最大の見どころは、昨季立浪和義監督が我慢の登用を続けた石川昂弥、村松開人、龍空といった若手選手が殻を破ることが出来るかという所にあるだろう。しかしながら、オフに掻き集めた自由契約となった他球団の主力選手達が影のキーマンとなるだろう。今回は、その中でも期待する3人にハイライトを当てよう。

中島裕之、ここぞの場面で

 まずは今季42歳を迎える中島から。オリックスから巨人へ移籍した当初はセ・リーグの緻密な野球に苦戦していた印象を持ったものの、それ以降は一昨年まで安定した成績。今季は若返りを図る巨人で出番はなかったものの、少ない出場機会でしっかりと結果は残していた印象だ。「野武士」という言葉が似合う、パ・リーグの荒波にもまれてきた選手である。

 この選手は気持ちを全面に出すことが信条と言えるだろう。時に空回りをして乱闘騒ぎになってしまうが、その戦う姿勢こそが現在低迷している中日に最も足りないものなのではないか。時代の流れによって精神論は淘汰されているさなかではあるものの、仲良し軍団のお嬢様野球ではここ一番の勝負どころでは根負けしてしまう。中島が輝くのは、まさにそのここ一番の代打の切り札であろう。

中田翔、真の4番

 中田の代名詞といえば、大本塁打。渾身の力を込めたフルスイングは、ナゴヤドームや札幌ドームといった広いフィールド、高いフェンスを擁する球場でプレーしてもスタンド中段まで運んでしまう真のパワーヒッターである。この圧倒的な破壊力から、「日本の4番」の座を欲しいままにしてきた男である。

 しかしながら、僕が思うに彼の1番の魅力は勝負強さにある。得点圏走者を還す能力は、右に出る者はいないはずだ。こうした場面では軽打をして、前進守備の敵軍内野陣を嘲笑うようなテキサスリーガーズ・ヒットを見せるのだ。こうした技術を石川昂弥や細川成也といった若手たちに継承して欲しいものである。これだけで中田を獲得した意義があるのだ。

伏竜・山本泰寛は奇跡を呼ぶか

 もう1人、阪神を経由して元巨人の山本が加入。この選手は井端弘和現侍ジャパン監督が叩き上げた秘蔵っ子である。内野を全て守ることができ、試合を決する場面であっと驚くような守備、走塁をする優れた野球脳の持ち主である。

 この選手は本当になんでも出来る。クリンナップ以内の打順であればどこでも輝き、また内野を守らせるとどこでも素晴らしい身のこなしをする。唯一心配なのがそれが裏目となったチョンボである。ひとつ先の塁を狙った結果走塁死をしたり、走者を殺そうとして欲張った結果の悪送球も見られる。それ以外は本当に素晴らしい選手なのだ。今季、阪神が遊撃手を固定できていなけれは確実に獲得できなかった選手であることは間違いない。

最後に

 この3人に共通することは、数字以上の物を試合で発揮してくれるということだ。数字、印象共に悪い中日野手陣のいいカンフル剤となることに期待しようではないか。

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