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NPBは本当に90周年なのか?

 歴史というものは非常に曖昧なものである。我々が習った時は「イイクニ」の1192年で覚えた鎌倉幕府成立は、今の教科書では「イイハコ」の1185年となっているようだ。こうなった経緯は、平家滅亡によって守護や地頭を任命する権利を獲得したからだそうである。このように、歴史は編纂者の主観が大きく影響するものだ。今回はその野球版。NPBは本当に今季で創立90年なのかを考えていこう。当然のことではあるが、この投稿も僕の主観なので、意見が合わない人がいたら是非ともコメントを頂きたい。

「プロ野球」は、今季で104周年

 今季に限らず、NPBのアニバーサリー・イヤーでは毎度曖昧な表記や報道をすることが多い。「プロ野球90周年」なのか、「NPB90周年」なのか。まずは「日本のプロ野球90周年」なのかを考えると、答えは間違いになるだろう。

 遡ること104年、大正9年に日本のプロ野球は産声を上げた。「日本運動協会」というシンプルな名前ではあるが、この球団は朝鮮や満州でも試合をして大変な人気だったようだ。その後、関東大震災の悲劇に呑まれ日本プロ野球は1度死んでしまった。

「NPB」は、今季で88周年

 日本運動協会の解散から10年後、MLB代表を迎え撃つためのプロ野球団として結成されたのが大日本東京野球倶楽部である。この球団こそ、今も我々アンチ巨人を苦しめてやまない東京読売巨人軍にあたる。この球団の誕生年がNPBの誕生年となっているが、NPBというリーグが誕生したのはペナントレースを開始した昭和11年のことであり、そこから計算するとNPBは今季で88周年なのだ。

 従って、そのシーズンからペナントレースに参加していた巨人軍、大阪、名古屋軍、阪急軍の後進球団にあたる東京読売巨人軍、阪神タイガース、中日ドラゴンズ、オリックス・バッファローズは「NPB版オリジナル10」にあたるわけだ。ただ、吸収という形とはいえ近鉄バッファローズの血を継いでいるオリックスをここに入れるべきかについては、一考の余地があるだろう。

 結論を言うと、今季創設90周年なのは巨人軍のみで、ただ1つのチームが誕生したに過ぎないのだ。他競技のプロを見てみると、Jリーグはサンフレッチェ広島が昭和13年に東洋工業蹴球部として結成されているが、リーグ誕生年は一貫して平成5年。これが正しいのではないか。ただ、良くも悪くも個々を大切にするNPBと、同じく良くも悪くも足並みを揃えたがるJリーグの特徴を見ているようで面白く感じる。

最後に

 このタイトルを見た方の中には、「コイツは山に行って土器を埋めてきたのかな?」と思った方もいるだろうが、一応無い脳みそで考えた結果がこれである。是非皆様も、身近なものの歴史を紐解いていただきたい。

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