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【D-G】両軍の差は投手起用

 中日は今季初のカード勝ち越し、対する巨人は開幕カード以降の4カード連続負け越しが決まった中日巨人3連戦を振り返ることとしよう。

「あと一死」で降ろした中日

 この試合のターニング・ポイントと言える場面は5回の攻防である。この回はまず巨人が2点を挙げたあと、中日も負けじと2点を奪い取りリードを保ったのだ。

 この回の表、中日の先発鈴木博志が2点を取られると直ぐに祖父江大輔へとスイッチした。本当にあと1人を打ち取れば勝利投手の権利を得ることが出来るという場面での交代は「非情采配」と言われてもおかしくないような傭兵ではあるものの、中日はチームの1勝を優先したというわけだ。これは様々な意見があるだろうが、ここで負けてしまったら来週の松山、神宮遠征をドンヨリとした雰囲気でスタートすることとなるので、ここでの勝ちに徹する姿勢は当然必要だったと言えるだろう。

巨人若武者・代木大和の使い方は…

 前述の中日傭兵とは対照的に、巨人の投手起用はワンテンポが遅れてしまいズルズルと行ってしまった印象を持った。まず初回に大崩れした赤星優志を降ろしたまでは良かった。しかしながら、2番手の代木大和を何故2.2回も投げさせたのだろうか。

 恐らく、代木を5回のアタマから代えていたら中日巨人の星色は逆転していたのではないか。この回の先頭打者は左打者だったものの、その次の石川昂弥から5者連続で右打者が並んでいたのだ。そこに敢えて分が悪い左投手、しかも直球とスライダー以外にほとんど球種のない高卒2年目の投手を当てたのは何故だろうか。この回はやはり、右投手の鍵谷陽平を二死からではなくアタマから使うべきだったのだろう。

岡林勇希、3番活躍は案の定

 ここまで長々と投手陣について書いたが、次は打者に主眼を置くこととしよう。この試合のキーマンとなったのが岡林。これまでは1番もしくは2番を中心に打っていたのだが、この試合ではアキーノを2番に起き3番に岡林といういつもとは逆の打順に就いた。

 結果は言うまでもないだろう。5打数3安打の固め打ちで勝利打点のオマケもついた。彼は本塁打が全くないので勘違いをされやすいのだが、二塁打や三塁打といった長打は俗に「強打者」と呼ばれる選手たちに引けを取らないものがあるのだ。それに加え、ここぞという場面では繋ぎの野球をする自己犠牲心も兼ね備えているので、3番にハマったらかなり心強い選手である。田中幹也が来季戻ってきたら、固定して欲しいものだ。

 また余談ではあるが、この試合のクリンナップトリオは3番に岡林が入り21歳、4番の石川昂が同じく21歳、そして5番の細川成也が24歳とかなり若い年齢層となった。この大胆な傭兵こそが、立浪監督の1番の魅力なのだ。

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