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2万回

ほっチーLANDで1年前にあげていた口唇口蓋裂の動画が再生回数を2万回突破していた。きっとYouTuberとされる方からしたら少なすぎる数字なのかもしれない。が、私からすれば小さなチャンネル発信の動画がここまで見ていただけていることはとても嬉しく思うものである。これを機に当時の動画を見返してみた。

この動画で私が伝えたかったこと、そして今見返して思うことがある。動画でも話しているが当事者の私としては福岡の田舎町で生まれて、同じような先天性の知り合いが近くにいるわけでもない。そんな中で心無い言葉や自身の歪んだ顔に鏡を見るたびに絶望しては指で形を固定したりもしていた。

どうすれば治るのか…思春期になりいろいろなことが気になる年頃。私の場合ただでさえ鼻や口、歯並びでネガティブな感情になっていたのに、性自認の葛藤でもまた苦しめられるのだ。声変わりや体毛、さらには筋肉で太くなるふくらはぎ。だれにも聞けないし話せない。親には心配もかけたくなかった。一部の心ない人から浴びせられるオカマや鼻ぺちゃなど内面も外面もどちらも否定されてる気がした。

私なんて…って言うように癖づいたのはこの経験があるからかもしれない。死のうかなとも思った。でも死ねなかった。それは父の死が大きく影響してる。死なれた側の気持ちを体感してしまったから。話は逸れたがそれから腸骨の鼻移植により、少しだけ自信がついた。高すぎる鼻ではあるが軟骨がなかったときの潰れた鼻よりは自身を見つめることができた。そして今、社会を体験してきて培った少し強い私がいる。もちろん異物のような冷めた眼差しで見られることも、顔を指摘されることも多かった。でも、その痛みが麻痺してなのかあまり響かなくなったのも事実。心無い言葉に慣れるなんてこんな悲しいことがあるだろうか。

そして友達の勧めで始めたYouTube。私はどうしても口唇口蓋裂について語りたかった。思春期に悩んでいた私が同じ症状の方の体験や人生を知りたかったから。そして何より先天性といわれるこの病と性同一性というなんとも生きにくい時代の申し子は私かいても数人いるかいないかだと思っていたからだ。同じように悩んでる子たち、親御さんに今の私が伝えられること、そしてなかなか話題にも更新もされない事例だからこそ身体を張った体験やなりたい自分を晒すことによって少しでも勇気を持ってほしいから。そんな数年前に撮影した動画に私自身勇気づけられた。まだ伝えたいことがある。私にしか話せないこともある。

口唇口蓋裂で、性同一性で、父親の自死を体感して心を閉ざしてなかなか開くことはないけれど、その1つ1つが今の私を作り上げたと思うから。歩みは遅いけどこのテーマに関してはこれからも私なりの体験を伝えていけたらと思う。

最後に改めてYouTube2万回視聴ありがとうございます。コメントも励みになるしなにより私自身勇気を皆さんに頂いてます。

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