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【140字/空想】花咲く季節の宝物

岬からの風に目を閉じた。
頬を撫で耳をくすぐり髪を優しく梳いて。
温かな手を、指を、声を思い出す。
荒野を埋め尽くす甘い吐息のような花たち。
岩盤に触れれば遥か遠く蹄の音が聞こえた。
巡りきた祝福の季節の中に蘇る一頁。
尊きものとは何かを私は知っている。
奇跡のような出会いは今日も色褪せない。

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