その7 スパイスは大事だと思うんです
バラやベリーが大きくなって、ある程度仕上がってきたローズガーデン。
う〜ん、やっぱり若干小さめだったか……と少々焦る。
カタログやサイトを見ているうちに、どうしても欲が出てしまって、
あれもこれも欲しくなってしまう病をすでに発症してますからね。
お茶を飲む小さなテーブルセットが置ければそれでいい♡なんて、
可愛いことを言っていましたが、すいません、謹んで訂正いたします。
そう、今こそ明かそう㊙️裏庭ローズガーデン拡大計画!(笑)
まずは隣の物置の前へ!何もバラばかりを植え広げるのではありません。
バラとともに別の彩りが立ち上がるのもまた、景色としては最高です。
ということで私、リベンジも兼ねて憧れのブドウ棚を作ることにしました。
4月、緑色のナイアガラ(手前)と紫色のMARS(奥フェンス前)を移植。
実は数年前に、玄関先でナイアガラとコンコードを育てていましたが、
日照不足と過湿でダメにしてしまったんです。なので今度こそ。
ブドウ棚、アメリカでは結構人気があります。絵になりますもんねえ。
時間はかかるかもしれませんが、じっくり向き合っていこうと思います。
しかし!これが夏の間、ちっとも大きくなりませんでした。もう秋、11月。
コスモスはこんなに大きくなったというのに、ブドウは?ブドウはどこ?
それでもブドウの成長を信じて、ブドウ棚作りに励みます。
8フィートの支柱とかつてブドウ用に使ったトレリスを組み合わせ、
腐食防止も兼ねて、フェンスと同じ黒をペンキで塗っていきます。
脚立に上ったり下りたり、刷毛を片手に長時間ずっと上向きのこの作業、
地味なようでなかなかに手強かった、いやあ本当、疲れました。
そんなバタバタな私の足元で、すっかり冬眠モードのブドウたち。
どこにあるのかもわからない(涙)。うん、お願い、来年は頑張って。
そうそう、色のつながりがイマイチだったので、ガーデン内のブロックを
4枚分、アーチの下に並べた小さいレンガの組み合わせに替えました。
これで統一感が出ましたし、明るくなって雰囲気がぐっと良くなりました。剥がした4枚は、もちろん活躍の場ありです。ブドウ棚の下へお引越し。
風が随分冷たくなってきました。気温が下がってバラも落葉し始めますが、イングリッシュローズはまだまだ咲きます。クレアにストロベリー・ヒル。
陰影が深くなって、バラの花色が引き立つ晩秋の風景もいいものですね。
そんなバラたちを見ながらもう一仕事です。シラー・シベリカの球根。
オランダから買いました、200球!しかし、さすがは球根王国です。
おまけで1袋余分にもらった上に、送料入れても驚きの破格値でした。
これをブドウ棚の下、フェンス脇に並べていきます。
春には青い絨毯になる予定。まあ、まだしばらくかかるとは思いますが。
3月にはテキサスから憧れの青バラ、最強の青バラ、ノヴァーリス到着。
青というのはこの業界では、青みを含んだ紫色のことを指します。
青ざめた感じ、とでもいうべきでしょうかねえ(笑)
とかく弱いとされるこの色、しかしノヴァーリスは強いと大評判なのです。
さらにはこの名前ですよ。そう「青い花」のノヴァーリスです。
もちろん私の本棚にもありますよ。夢に見た青い花に憧れて旅する青年。
ああ、ロマンですよねえ。想像が果てしなく広がってしまいます。
でもね、アメリカではポセイドンなんです!ノヴァーリスじゃなくて。
……強そうですね、ええ、まさに最強の名前だと思います(苦笑)。
このポセイドン、じりじりと移植のタイミングを見計らっているうちに
室内の暖かさで急成長し、蕾までつけてしまったので、
これはイケナイ!と、慌てて予定した場所に植え付けたのですが、
とんでもないことにそのあと雪が降って……やられました……。
4月になったというのに、こんな大雪が降るなんて!
凍傷でうなだれてしまった蕾を見て、さすがにショックでした。
春の雪の被害はこちらにも。4月1日に開花したシラー・シベリカたちです。
150球ほどが一気に開花して喜んでいたら、まさかまさかの悪天候、大雪。
いくつかはどうにか立ち直りましたが、多くは雪で凍って潰されて、
なんとも痛ましい姿に。ブルー絨毯への道はなかなかに厳しいようです。
それにしてもあとの50球ほどは一体どうしたのでしょうか。
モグラにやられたのか、はたまた運悪く腐ってしまったのか。
でも咲き終わった花から、不思議な形の種が沢山落ちましたから、
来春は思いがけず広範囲に広がるかもしれません。
どんな結果になるのか、ちょっと楽しみです。
そうこうしているうちに、5月の風が新緑をそよがせ、バラに目覚めを呼びかけます。そして太陽の微笑みが深まれば……June is Rose Month !!!
少しずつ花色も増えた2018年、ティーパーティーの予行演習もしましたし、
馥郁たる香りの中、バラの季節を十二分に堪能できたように思います。
そして、凍って痛みながらも1つだけ残っていたノヴァーリスの蕾が開花。
私、思わずウルウルしてしまいました。ダメだと思っていましたから。
なんという健気さ。そしてなんという強さ!
土に馴染む前に雪にやられて、せっかく伸びていた新しい枝も可愛い蕾も
みんなダメにしたというのに……本当に本当にありがとう。
傷んだ花びらの色さえも、愛おしくたまりませんでした。
この年の花はこれっきりでしたが、ゆっくりじっくり大きくなって欲しい。
さらに嬉しいことに、あのシャイな(笑)ブドウたちがめきめきと成長し、
あっという間にブドウ棚のトップまで競い合うように駆け上がりました。
嬉しすぎて、ニヤニヤと見るてばかりだった私、すっかり忘れていました。
早いうちにブドウの葉を何枚か取って塩漬けにすべきでした……。
成長しすぎると茹でても筋が残り、食感が良くないのです。
こんなに葉っぱがあるというのに、ああ、痛恨の極み。
来年はしっかりといただいて、ドルマス作りに励みたいと思います。
そして2019年春、新たなイングリッシュローズのオーダーも済ませました。
オースチンからの3年ぶり3箱目、到着予定はいつも通りの3月です。
このまま雪が降らないことを願うばかりです。
そんな今日の最後は、2018年6月時点でのローズガーデンのティータイム。
ああ、花咲く春が待ち遠しいですね。
ということで、ローズガーデンレポートはしばしおやすみとなりますが、
新しいバラたちが到着次第、また追加していきたいと思います。
随分と長文になりましたが、最後までおつきあいありがとうございました。
*庭作りのその1 からその6 まではマガジン" A Way to My Rose Bower " にまとめてあります。
サポートありがとうございます。重病に苦しむ子供たちの英国の慈善団体Roald Dahl’s Marvellous Children’s Charityに売り上げが寄付されるバラ、ロアルド・ダールを買わせていただきたいと思います。