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空想の扉

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考えることが好き。日々つらつらと、理由とか目的とはなく、ただこぼれ出したあれこれを、そっとまとめておこうと思います。
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#エッセイ

巣立っていく日のテーブルへ向けて

俺たちの子供時代のホリデーって、これが最後なんだよなあ。 長男17歳、高校4年目最終学年。…

大切な場所〜図書室〜

自分の中で、いつまでも鮮やかな場所ってありませんか? もうすでにこの世界からなくなった場…

911 あの日、言葉を持たなたかった私たちは、けれど今日も歩き続ける

18年前の今日、私は友人の電話で目を覚ました。 「よかった、家にいたんだな。」 寝起きの頭で…

親愛なるあなたへ

あなたが私を想って作ってくれた指輪は 驚くほど私の指に馴染んでいます。 朝露に濡れるバラ…

白鳥との遭遇はファンタジーへのいざない

もうずっとずっと前のこと。 初冬の、霧雨降るロンドンの公園で、 小さな川の流れを見ていたこ…

薔薇色の天球の下で

時々、はっとするほど美しい空色に出合うことがある。 その中でもとびきりだと思ったのが薔薇…

言葉と共感、今日私が考えたこと

世界には言葉があふれている。 心に響くものも、相容れないものも。 私は思う。 何が正義で何が悪であるか答えられないように、 万人に当てはまる言葉の意味は、多分ない。 強いも弱いも、時には黒か白でさえ。 言葉は己の表現方法であって、 知らない誰かのためのものではない。 だから、自分の考える意味はこれなんだと、 躍起になって押しつける必要も にじり寄って同意を求める必要もない。 そんなことをするからややこしくなる。 私が、私としての想いを、私の言葉で綴る。 私として完結す

涙のわけ

午後のお茶を飲みながら、ふとその人は言った。 昔はね、甘いものが全くだめだったのよ。信じ…

とてつもなく長いなにかを書くということ

日常を狂わすことなく回しながら、 そこに非日常を落とし込んで潜り込む。 上手く切り替えら…

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最強の「猫踏んじゃった」

サハラ砂漠という夢、そしてタンジール

砂が、特にサハラの砂が、というかその砂漠がとても好きなんです。 初めてサハラ砂漠を見たの…

兄と私 生きるということ

自分は自分にしかなれないし、 自分でしか生きていけない。 それはすなわち、自分にとっての…

私は美しい放任主義を貫きたい

私には16歳(11th grade)と12歳(7th grade)の息子がいる。 彼らはアメリカのというか、こ…

光の花を咲かせる誓い

2月という、まだ薄ら寒く、けれどふとした瞬間に昨日よりも増した光を感じる、そんな季節が巡ってくる度に私は思い出す。 当時、練っていた物語の中で使われる、形だけだった小さな伝承。それを取りあげて終わりまでちゃんと作り直したものが、小さな賞を取ったのは数年前のこの時期だった。 同じ賞を取った彼女との帰り道、初めておりた駅でお茶を飲んだ。帰国子女の彼女とは考え方がとても似ていたため、話していて楽しかったし、少しお姉さんの彼女の体験には、あれこれ頷かされることも多かった。 夢物