911 あの日、言葉を持たなたかった私たちは、けれど今日も歩き続ける
18年前の今日、私は友人の電話で目を覚ました。
「よかった、家にいたんだな。」
寝起きの頭では彼の言葉の意味がわからなかった。
うながされるままにテレビをつけた。
けれど、映し出されたものを理解することはできなかった。
煙を吹き出すビル。まっすぐに向かって来る機体。
声を出すこともできない私の前で、景色は変わっていった。
いつ電話を切ったのか、テレビを消したのか、全く覚えていない。
それでも私はコーヒーを入れてトーストを焼いた。
食べたけれど味がしなかった。いや、むかむか