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7年目の真相は幻だった、らしい

必要な写真を探していたら、思わぬものを発見。
2008年の5月のある日。11年前の写真だ。
あらあら、微笑ましい、なんてのんきに眺めていたが、はたと気づく。

これは!ソファーの上ではないか!

そう、それはブルックリン時代に友人から譲り受けたアンティーク。
ロングアイランドに越してきてから生地の痛みが激しくなったので、
リビングルームからベッドルームの窓際へと移動させ、
カバーをかけてそっと置物状態で保管してあった。

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その上で惰眠を貪っている(たであろう)一匹と一人。
クッションやら猫ベッドやらも持ち込んで随分と大荷物。
カバーも外れまくりで随分乱れているご様子。
見つかった瞬間の静(12歳)と動(2歳2ヶ月前)の対照的なこと。
けれどきっと、当時は特に気にすることもなく、
あら、かわいい、なんて思ってシャッターを切ったに違いない。

この4年後、2012年の春に引っ越した我が家。
時同じくしてソファーの座面下の支えがまん中でぼっきりと折れ、
ソファーはいまだ物置の中で沈黙したまま。
経年劣化かしらねえ、仕方がないわと思っていたけれど、
けれど、けれど、ちょっと、待ったあ。

もしや、このお二方、飛び乗りに飛び降りは日常茶飯事。
たまには上でジャンプなど、致しておったのかもしれません。
犯行は密やかに、しかし白昼堂々と、さらに彼らは標準より「大」。
その4年間の、軋轢による疲労の蓄積が、まさかのソファー骨折に?

追求しようにも、キジトラなお兄ちゃんはもう6年前に旅立ってしまい、
残された弟はと言えば、3歳前のことは記憶にないなあと黙秘中。
真相は今や闇の中。もはや時効は成立なのか。
と鼻息荒く迫ってみたものの、ここでまたはたと気づく。
いや待て、これは保護者の監督不行き届き?責任は私とか?

「・・・・・・・」
7年目の真相かと思ったけれど、見なかったことにする。
知らなくてもいいことはきっと、世界に幾つも存在するのだ。
ただ言えること、それは、、、
腕のいい職人さん(もしくはお店)を見つけてソファーを運び込み、
もう一度この子に日の目を見せてあげることかもしれない。


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