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私のピクニックバスケットは何処、記憶がどうも怪しい今年の早春

春になったら、花が咲いたら、バスケットを持って。
A.E. ハウズマンが "A Shropshire Lad(シュロップシャーの若者)" の中の "The Lent Lily" でも歌っています。

サンザシ、プリムローズ、アネモネ、ラッパ水仙、イースターまでに水仙は枯れてしまうから、今。「さあバスケットを持って行こう 春の装いの上」

なのに私は行かなかった。だってNYのイースターはまだ寒い。でも、庭の水仙が咲いても、ムスカリがシラーがチューリップが咲いても。ついには桜が咲いても。そう、ピクニックへの情熱をすっかり忘れていました。

何をしていたんだろうか早春。ああ、そうでした、初のお人形ドレス作りでした。ノイバラのお茶会に彼女のドレスを!なんて思ってあれこれ模索中でしたね。

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けれどそんなブランカのドレスもなかなか思うような型紙が見つからず、七転八倒でした。結局ドレスは間に合いませんでしたが、ノイバラのお茶会だけは頑張ってみた覚えも。それで力尽きたんですかねえ、私の春は終わってしまったように思います。

なんということでしょうか!思い出せ、私、よみがえれ、情熱!

ああ、ピクニック、それは私にとって大いなる憧れのイベント。英国のマナーハウス奥に流れる綺麗な小川の前、みたいな場所にちょっと厚手のチェックのブランケットを広げ、お気に入りのバスケットを開いて、シャンパンにパテにきゅうりのサンドウィッチ、フルーツにチーズに小さなデザートなんかを取り出すとか、ああ、なんて素敵、これぞピクニック!

と、しばし妄想を炸裂させて至福の時に浸ってみますが、実際、そんな理想はなかなか成就しないもの。せめてお気に入りのバスケットでも用意しようと思ったのが2年前(その前にすったもんだの数年間がありました)。ようやく実を結んだそれ、憧れを詰め込めだそれは、、、

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かなりの重量級でした。一緒に購入したから写しただけで、右手前のディナープレートは流石に入れませんよ。奥の白い皿は元々の付属品ですからこれも使いませんが、用意したアペタイザー皿が少し小さめなので、予備に青のメラミン皿もプラスです(写真では1枚だけどプラス3枚)。小さなワイングラスはステンレス製に変更したので軽くなったはずなのに、あれ?

・・・ああ、夢って重いのね・・・とにもかくにも使ってみようと出かけました。WAVE HILL のピクニックエリアはテーブルのみなのですが、まずはそこで。並べてみて思う。う〜ん、グラス、背が高すぎた、、、悪くないけど、悪くないけど、、、

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ピクニックというよりはテラスでランチですね。むむむ、我ながらいい選択だったと思ったけど、まだまだ詰めが甘かったようです。ちなみにこれ、ディナープレートと一緒だと納得の一品なのです。ということでその夏、庭で使い倒したのは言うまでもありません。

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これは次回までに何か考えなくては!なんて、その時点ではあれこれ思い巡らしていたのですが、気温が下がると同時に情熱も鎮火し、気がつけば春を超えて、初夏を超えて、さらにぐるっと一周回って、また春が来た時にはもうすっかり、、、

今、秋の庭で深く反省しております。本当、何をしていたのでしょうか春以降。何だか庭仕事も中途半端に終わっているし、どうもダメダメだったとしか言いようがありません。紅葉は綺麗ですが、この時期はもう寒くて外では正直、食事はしたくないですしね。時すでに遅しです。

いやいや、気を取り直して宣言などしてみよう!来春こそはピクニックです!もうマナーハウスとかワガママは言いません!小川が流れていなくたって我慢します!花が咲いたらまずはうちの庭から!(アメリカにも素敵な公園は多いですけど、ピクニックというよりはウォーキングとかトレッキングとかですからね)

ベッドの脇に置いたままの大事なピクニックバスケット。猫さまが爪とぎに最適と狙っていて死守する日々ですが、そうです、道具は正しい場所で使ってなんぼです。春に備えねば!

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春といえば、、、先述の "The Lent Lily" の中ではラッパ水仙が咲いたらピクニック(春)ですが、間違いなく寒いです。日本では2月の水仙もNYでは3月です。時々嘘みたいに暖かな日が続くことがありますが、まだまだ雪が降ったりと油断できません。軟弱な私にはハードルが高い時期。

でも、水仙の後もまだまだアネモネは咲いていると詩にもあります。「ウインドフラワーも遊んでいるのが見られるのだ、あらゆる風と思いのままに」うん、いい感じではないですか(アネモネは英語では windflower と呼ばれたりもします)。水仙は好きですが、ここはひとつ、アネモネで手を打ちましょう。風にそよぐ windflower とともにピクニックを開始したいと思います(まだ植えてないけど)。


*トップ写真は The Frank Melville Memorial Park どんなところかはこちら




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