水曜(親の勉強):第97週(スウェーデンのKlarnaとは?)
「親が変われば世界が変わる」CCC HUMANです。
水曜日は『親の勉強』です。
先週はユニコーン企業3位のStripeを紹介しました。
今日はユニコーン企業4位のKlarnaを紹介します。
Klarnaは日本ではあまり知られていませんが、
ヨーロッパでは有名なスタートアップ企業で、
その特徴を知って、世界的な流行りを理解することは
子育てにとっても大事なことだと思います。
●Klarnaとは
Klarnaはスウェーデンの会社でクラーナと読みます。
何をしている会社かというと、
BNPLという種類のフィンテック企業で
BNPLが何の略かというと「Bun Now, Pay Later」という意味です。
日本語で言うと、「今買って、後で払う」となります。
つまり、ネットなどで買い物をする際に、
モノを買って、お金は後で支払うということです。
このBNPLを日本では「後払い決済」という言い方をして、
日本ではあまりメジャーではないですが、
ヨーロッパで流行っているそうです。
他にも後払い決済で有名な企業があり、
アメリカの企業Affirmは2014年に設立、
オーストラリアの企業Afterpayは2015年に設立、
このスウェーデンのKlarnaは2005年に設立と、
この分野では先駆け的存在です。
●後払い決済とは
日本ではクレジットカードが主流ですが、
クレジットカードは以下の問題があります。
クレジットカードは今現金がなくても、
支払いは後でいいという意味では、
後払いで同じでは?
と思うと思いますが、
クレジットカードを作るためには信用リスクを
確認するために住所や年収、ローンの状況など
記載したうえでカード発行まで時間がかかります。
また、ネットショッピングで
クレジットカードを記載するというリスクも
ユーザーからすると心配になりますよね。
Klarnaはこのいくつかの問題を解決する方法として、
入力する情報が郵便番号とメールアドレスだけでよい
という方法を取っています。
●なぜ後払いができるのか
なぜ後払いにできるかというと、
ここに独自の信用リスクを図るノウハウがあるからです。
簡単に言うと、Klarnaの後払いは最初は大きな金額は扱えないのですが、
Klarnaを使って決済して、しっかり後払いを済ませれば、
この人は信用できるとなってより徐々に多く決済できるようになります。
その他、その人の購買行動や購入履歴、
そして、どういった特徴を持つユーザーが信用リスクが高くなるかなどを
多くのユーザーのデータから分析し信用リスクを測定します。
この分析によりクレジットカードよりも素早い後払いの判断ができ、
クレジットカードのように何日も待たされるということはありません。
●後払い方法
Klarnaは3種類の後払いを用意しています。
1.30日以内の後払い(利息ゼロ)
2.2週間ごとに4回に分けて後払い(利息ゼロ)
3.6カ月から3年までの期間を設定し、毎月支払い(利息がかかる)
日本ではクレジットカードが主流で、
さらには一括払いが多いため、
ユーザーからするとメリットが感じにくいかもしれません。
しかし、欧州ではデビットカードが普及しており、
4回分割払いができ、かつ利息がなく、審査も不要。
今現金がなくても購入できる点で流行っているそうです。
ただ、やはり支払いが滞るケースもあるため、
そこはリスクがあるのかもしれませんね。
若者が使いすぎるという問題もあるとか。
●設立者はセバスチャン・シェミャートコフスキ
Klarnaを設立したセバスチャン・シェミャートコフスキは
共同創業者兼最高経営責任者となります。
(共同なので3人で設立しています。)
彼は言うには、スウェーデンの高福祉制度に
助けられたと言っています。
スウェーデンは以前にメルマガでも紹介しましたが、
税金がかなり高い分、高い福祉が受けられます。
例えば、子どもの教育費は大学まで無料です。
さらに1990年後半にかけては
家庭へのコンピュータの普及を行い、
インターネットの接続環境への投資も早かったそうで、
彼はその中で、16歳からプログラミングを始めたそうです。
●まとめ
先週に引き続きフィンテック企業でしたが、
あまり日本で知られていない企業を見ることは
世界観を広げるのに役に立つと覆います。
世界の企業を見ることで文化の違いも分かるし、
今世界ではどのようなことが流行っているのかを
把握することができれば、
子どもにもいろいろな視点を与えてあげられるでしょう。
是非このような情報にアンテナを立てて、
子どもに幅広い知識を伝えられると良いですね。