「大卒よりもむしろ高卒の採用を増やしています」と、今までと比べて、高校生に期待する声がとても多い
就職氷河期を経験した親にとって、今の高校生の就職状況は、イメージしづらいのでは?
景気には波がある。
今は、景気が良い。
物価が上がっているのであまり実感はないけれど、最低賃金の引き上げで、全国平均が1000円を超えた。
少子化と労働人口の減少が相まって、高校生の求人倍率が跳ね上がっている。
2024年3月時点でも、全国の高卒求人倍率3.98倍(大卒の1.71倍)と、地域差があるものの、大卒よりも求人倍率が高い。
7月に高卒求人の公開が解禁になったけれど、進路指導室に届く求人票は、すでに昨年度の3倍以上になった。
業界も職種も増えた。
人手不足が顕著な建設業、運送業の求人が多いけれど、飲食業、アパレル業、事務系と幅広い。
求人票の解禁日以降、採用担当者が続々と進路指導室を訪れている。
企業の採用担当者と話をすると、
「今年度から、初めて高卒を採用することにしました」
「大卒よりもむしろ高卒の採用を増やしています」
と、今までと比べて、高校生に期待する声がとても多いのだ。
月給も20万円以上、ボーナスも3か月以上、休日は年間120日以上、と好条件の企業も、めちゃくちゃ増えているし。
さらに、
「業務に必要な資格や免許は、会社がその費用すべて支払います!」
「資格を取る勉強は業務時間内にしてもらいます!」
と、高校生が働きやすい環境を整えている企業も、増えたきた。
子どもが、大企業で働きたい、いわゆる国家1種を目指したい、と、大学での専門的な学びや経験が必要な業界で働きたいと考えているようなら、大学を目指すことを応援するのがいい。
ただ、大学に進学しても、いずれは働くことになる。
中小企業で働く人は、日本の労働者の7割。
大学を卒業して、全員が大企業で働くわけではない。
就職氷河期を経験した親だからこそ、就職活動をするタイミングは大事だったと振り返ることができると思う。
高卒は、大卒よりも就職に不利というのは、マボロシになった。
子どもの進路選択は、子ども本人が決めるものだ。
大学・短大・専門学校への進学だけではなく、高卒で就職する方法を、親が知っておくだけでも、子どものより良い進路選択につながる。
9月5日に、高校生の採用選考書類(履歴書など)の受付が始まる。
大学のオープンキャンパスに参加するのと同じように、この夏休みに求人票を見て職場見学に行くのはどうだろう。
(職場見学は、学校を通して申し込みます。)
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