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耳で読む教育基本法・第14条

教育基本法を朗読しました。
今回は第14条です。

第14条は、「政治教育」について。なかなか重いテーマですね。
政治的中立と合わせて、人権教育・市民教育について考えてみます。

「教育の政治的中立」とは、

教育が、特定の政治的立場や政党を
支持したり批判したりすることなく、
中立的な立場で行われるべきだ
という考え方です。

これにより、生徒たちは、
自分の考えを自由に形成し、
偏った視点に影響されることなく、
多様な意見や視点を理解する力を
養うことができます。

教育基本法第14条は、この理念を守るための重要な規定です。

人権教育や市民としての教育は、

個人の尊厳や権利を尊重し、
民主主義社会の一員としての責任を理解し、
積極的に社会に参加する力を育むこと
を目的としています。

これは、
他人の権利を侵害せずに自己表現する方法、
社会のルールや法律を理解し守ること
などが含まれます。

これら二つの教育理念を、
どのように調和させるかが非常に重要。

政治的中立を保ちながらも、
人権教育や市民教育を推進するためには、
いくつかのアプローチが考えられます。

まず一つ目は、多様な視点の提供です。

授業では、特定の政治的立場を強調せずに、
多様な視点を提供することが重要です。

例えば、
歴史や社会の問題について議論する際には、
異なる立場や意見を紹介し、
生徒が自分の考えを深める機会を提供します。

これにより、生徒たちは自ら考える力を養い、
偏りのない視野を持つことができます。

二つ目は、批判的思考の育成です。

生徒が情報を批判的に評価する能力を
育てることも大切です。

情報の信頼性を判断する方法や、
偏見やステレオタイプに対して
自覚的になることを含みます。

批判的思考を身につけることで、
生徒はより深く考え、
情報を正確に理解する力を持つようになります。

三つ目は、人権と民主主義の基本原則の教育です。

人権や民主主義の
基本原則について教えることは、
政治的中立性と矛盾しません。

むしろ、
これらの基本原則は
普遍的な価値観として尊重されるべきです。
生徒は公正で平等な社会の構築に
貢献する意識を持つことができます。

四つ目は、学校環境の整備です。

学校全体として、
開かれた議論を奨励する環境を
整えることも重要です。

生徒が安心して自分の意見を
述べることができる雰囲気を作り、
教員もまた、
自らの意見を押し付けずに、
あくまでファシリテーターとしての
役割を果たします。

こうして、生徒たちは自由に意見を交換し、
互いの考えを尊重することができます。

このように、「教育の政治的中立」と
人権教育・市民教育を両立させることは、
生徒が自由で公平な社会の中で
自らの役割を理解し、
積極的に参加する力を育むために
欠かせないことです。

教育の場では、
多様な視点を提供し、
批判的思考を育て、
人権と民主主義の基本原則を教えること、
そして、
開かれた議論を奨励する環境を整えること
が重要です。

生徒たちは自らの考えを持ち、
これからの社会を
より良くするための力を養うことができるのです。


第二章 教育の実施に関する基本


(政治教育)

第十四条 良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。

  • 2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。



BGMは、ぶんちゃん @bunbunmarufumi の楽曲「ゆうしゃのむらの朝」をお借りしました。


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