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不登校カウンセリングの現在地/認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店

皆さん、こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店の担当者です。
今回は、「不登校カウンセリングの最新情報」についてお話ししたいと思います。不登校支援について最新の状況をご紹介します。


不登校支援者としてのプロフィール

まず初めに、私の不登校支援への取り組みをご紹介いたします。大学院を卒業後、心療内科や私設の心理相談室で、具体的な数はわかりませんが、多くの不登校生徒やその保護者にサポートを提供してきました。さらに、小中学校で6年間にわたりスクールカウンセラーとして働き、不登校の生徒やその家族だけでなく、学校の教師や通院先の医師など、様々な関係者と連携を取りながら支援を行ってきました。
私が臨床心理士として心理カウンセラーになる道を選んだきっかけは、子供や思春期の専門家として、孤独に苦しむ子供たちの助けになりたいという強い思いでした。しかし、正直に言わせてください。私の支援がすべての人に対応できたのかどうか、それは分かりません。臨床経験やカウンセリングの回数が多くても、すべての人の期待に応えることはできないのが実情です。私たちは最善を尽くしていますが、時には力不足を感じることもあります。伝えたいことは、今後不登校支援についてお話しする際に、それが何ものにも代えがたいものであること、また絶対的な解決策ではないことです。

不登校支援とは

まず、不登校支援とは具体的に何を指すのでしょうか。この問いに対する答えは、文部科学省が令和元年10月に掲載した通知文に明確に示されています。


不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。また,児童生徒によっては,不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で,学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること。

文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方について

先述の文章を元にすると、不登校支援は単に「再登校」や「教室復帰」といった形式だけで解決されるものではないことが明らかです。学校以外での学びの機会については、以下のように示されています。

児童生徒の才能や能力に応じて,それぞれの可能性を伸ばせるよう,本人の希望を尊重した上で,場合によっては,教育支援センターや不登校特例校,ICTを活用した学習支援,フリースクール,中学校夜間学級(以下,「夜間中学」という。)での受入れなど,様々な関係機関等を活用し社会的自立への支援を行うこと。
その際,フリースクールなどの民間施設やNPO等と積極的に連携し,相互に協力・補完することの意義は大きいこと。

文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方について

不登校支援において、学校以外の機関における社会的自立をサポートすることも非常に重要です。ただし、「再登校」や「教室復帰」もまた重要な選択肢の一つであることに留意する必要があります。これは、目標とする方向性に制限を加えるのではなく、多様な支援方法を提供するという観点からです。

選択肢拡大の懸念点

支援の選択肢が広がることは多くの利点を持ちますが、選択肢を慎重に選ぶ必要があります。たとえば、「教室復帰」が可能かもしれない状態で、最初から他の選択肢を選んでしまうこともあります。もちろん、本人や家族の意向によって選ぶことは問題ありませんが、選択肢の多様性が逆に制限を引き起こす可能性もあることに留意する必要があります。したがって、単なる短期的な視点だけでなく、中長期的な視点も考慮することが重要です。

選択肢が広がることで、一時的に社会生活上の困難が見えにくくなる可能性もあります。たとえば、社交不安症状が悪化し、社交場面での負担から不登校になる場合が考えられます。このような場合、社交不安症の存在が明らかにされれば良いのですが、気づかないまま人と関わらずに学習する機会を選ぶことで問題が先送りされてしまうことがあります。

どの選択肢を選ぶにしても、まず現状をしっかり把握し、不登校の発生要因と維持要因を慎重に整理することが不可欠です。不登校は複雑な要因が絡み合っているため、慎重な分析と理解が必要です。

不登校支援としてのカウンセリング

不登校支援のカウンセリングにおける私のアプローチについてご紹介いたします。私のカウンセリングは、主に認知行動療法に基づいていますので、他のカウンセラーが行う方法とは異なる場合があります。これを踏まえ、ご理解の上でお読みください。

  1. 目標の共有と調整
    不登校支援を行う際には、関係者それぞれの期待や希望を聞き入れ、支援の目標や方向性を明確にすることが重要です。私は、カウンセラーが独断で方針を示すのではなく、全員が納得できる方向性を共有し、調整していく方法を取っています。特に注意が必要なのは、子供に無理な方向性を押し付けず、子供と共に目標を設定することです。

  2. 不登校の背景の理解
    お子さんの過去から現在に至るまでの状況を把握するために、成長環境や不登校の原因、日常の過ごし方、人間関係などを丁寧に聞き取ります。必要に応じて、医療機関や関連機関との連携も行います。しかし、学校に関する話題は子供にとってストレスとなることがあるため、無理なく話せる環境を提供するように心がけます。

  3. フィードバックと可能性の提案
    不登校の状態が続いている要因や可能性について、客観的なデータをもとに説明します。ただし、不登校だけでなく、社会生活や学習状況など、広い視野で問題を整理し、考慮します。解決策の方向性を見つけるためには、状況を包括的に理解することが不可欠です。

  4. 解決策の検討
    不登校支援に限らず、解決策は人それぞれ異なります。療養が必要な場合もあれば、少しずつ不安を克服していく必要がある場合もあります。適切な支援策を見つけるためには、関係者と協力し、適切なペースで進めることが重要です。急ぎすぎず、かといって手をこまねかせず、適度なスピードで進めていきます。

  5. 経過観察と方針の再評価
    支援が順調に進んでいる場合は、状況の経過を観察し、必要に応じて調整を行います。一方で困難が生じた場合には、その要因を特定し、方針を再評価して適切なサポートを継続的に提供します。持続的な観察と調整が、効果的な支援の鍵となります。

認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店

認知行動療法カウンセリングセンター沖縄店では不登校支援のカウンセリングも実施しています。是非お気軽にお声がけください。



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