父親のふるさとはバスが1日6本との情報。
父親のふるさとに行ったことがない。
父方の祖父母に、会ったこともない。
いとこ、おじ、おば。
記憶にない。
名前も顔も、分からない。
今更探して会う気は一切ないのだが、
父親のふるさとに興味はあった。
あっちをみたら海、
こっちをみたら山。
高校受験をオール白紙で提出して、半ば家出同然で地元を飛び出した、らしい。尾崎か。
いや、尾崎のほうがだいぶ後だ。
バイクは免許がないからきっと盗んではいないと信じている。
幼いながら、この話だけは覚えていて
だから魚を捌けるのかと納得したのはずいぶん先の話だ。
日曜の昼間に、よく魚を捌いていた。
塩辛をよく作っていた。
いつも夕方に出かけていった。
ばつが悪そうなときもあれば、たくさんお菓子をくれたこともあった。
どこに行っていたかは、わりとすぐに知ることになるんだけど。
それはいいとして。
いつか行ってみたいと思っていた。
しかし、一筋縄ではいかない場所なので
1週間は休暇が必要だった。
仕事を辞めたタイミングはこれまでもあったが、経済的に難しかったりした。
しかし、今。
行く条件は揃っている。
行くしかないんじゃないのか。
♡♡♡
Google Earthで調べてみたら
道が舗装されてないみたいだった。
電車の駅はない。
バスは1日6本、通ってはいるらしい。
空港から電車で2時間
最寄りの駅からバスで2時間で
ふるさとにやっとこさつくやうだ。
ホテルは、ない。
民宿はある。
おひとりさまの民宿は流石に勇気がいる。
ネットでどこも予約出来なかった。
電話で予約をするらしいが
2名様からだった。ですよね。
弾丸で行くしかないな。
♡♡♡
わたしの本籍は、わりと最近まで
父親のふるさとの地名だった。
もうすでに誰も住んでいないそうだが、
本籍住所をGoogleearthで見てみたら
空き家がどん!と出てきた。
絶対ここやん。
生家やん。
なんでだろう。
なんか行ってみたいんですよね。
海と山に囲まれて育った。
何もない、と言っていた。
ただ見てみたいんですよね。
魚の食べ方が綺麗と
周りの人間や、旅館の人に褒められる。
どんなに生ぐさい魚もぺろりと食べられる。
英才教育の賜物だと思う。
ただ、写真を撮って
セイコーマートとラッキーピエロに寄る旅かもしれないけどね。
きっと、移動中はwinter,againを聴くんでしょうな。わたしのことだから。
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