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Cの時代

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私たちが日々感じている「何か」を書き起こした連作小説です。
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2019年4月の記事一覧

Cの時代 〜時の流れに身を任せ〜

Cの時代 〜時の流れに身を任せ〜

――2か月後。
「お疲れ~」
「わあ、久しぶり!」
原宿駅の表参道口改札を出てすぐの柱に立っていた二人の友達が私を見つけるなり駆け寄ってきた。年末の原宿は普段以上に人で溢れていた。彼らはやり残したことを今年中に片付けたいというようにどこか急いていた。その流動する空気の中にいると、自身の時間感覚もまた早まっていくような気がした。
「人が多いね~」
「それねー、外国人とか多くない?」
「なんか、海外っ

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