見出し画像

猫様の声に耳を傾けトイレを研究。猫様トイレ開発者インタビューvol.1:ライオン商事さん

猫様のトイレ環境の整備は、猫様と暮らす上で飼い主さんが頭を悩ませるもののひとつ。

なにしろ、猫様はこだわりの強い一面を持つ生き物。トイレのお好みも様々です。
トイレが気に入らないと、トイレを我慢してしまったり、粗相を起こしてしまったりする猫様もいらっしゃいます。出来ることなら、猫様にとって最高のトイレ環境を整えたいものです。

一方で飼い主さんとしては、日々のお片付けの簡単さや消臭力、砂が散らばるかどうか…といった点も気になるところですよね。

しかし、数多くの猫様トイレ製品がある中では、選ぶのも一苦労です。

そこでRABOでは、実際に猫様トイレ製品を開発・販売しているメーカーさんに、それぞれの製品の特徴や推しポイントをインタビューしてみることにしました!

トイレ環境についてお悩みのある猫様と飼い主さんに、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

第1回は『ニオイをとる砂』などで人気のライオン商事製品について、ご担当の井上さん(ライオン商事 獣医師)にお話をうかがいました!

画像1

ライオン商事株式会社
事業推進部 獣医師
井上悠美様

猫砂は種類によって、特徴が様々。

井上さん、本日はよろしくお願いします!
早速ですが、まずライオン商事さんで取り扱われている猫砂の特徴について教えていただけますか?

井上「ライオン商事の猫砂ブランド『ニオイをとる砂』は皆様に愛されて、来年で30周年を迎えます!その長年の経験を活かし、多様な種類を揃えているので、どんな猫様・ご家族様にも喜んでいただけると思っております!」

たくさんある中で、今回は7種類の猫砂をお持ちいただきました。

井上「今回お持ちした中では、『ひのきでニオイをとるチップ』だけがシステムトイレ用の固まらない砂ですが、その他はすべておしっこを吸収して固まる猫砂です。実は、猫様とお暮らしの多くの方が固まる猫砂をご利用されているんです。」

画像2

同席したCCOブリ丸も興味津々です。

画像3

※①ひのきでニオイをとるチップ、②ポプラでニオイをとる砂、③ニオイをとるおから砂、④お茶でニオイをとる砂、⑤ニオイをとる紙の猫砂、⑥ニオイをとる砂軽量タイプ、⑦ニオイをとる砂

井上「様々な種類の猫砂がある中でも、一番人気なのが『鉱物系』の猫砂です。」

①鉱物系の猫砂

鉱物系といってもその中での原料の違いはありますが、ライオン商事さんの製品『ニオイをとる砂』では「ベントナイト」という天然の粘土鉱物を原料にした猫砂だそうです。

井上「『ニオイをとる砂」の特長としては、粒が小さいこと、固まる力が強いこと、そして消臭力が高いことが挙げられます。」

たしかに、他の猫砂と比べて明らかに粒が小さいですね。

鉱物系(ベントナイト)の猫砂には水分を取り込む特殊な構造があるので、おしっこを素早く吸収し、猫砂が固まるのだそう。

井上「弊社の『ニオイをとる砂』は独自技術の消臭・抗菌※1材が配合されているので時間とともに発生するアンモニア臭も長時間抑制しますし、猫様のおしっこ特有の悪臭物質※2のニオイもしっかり消臭します。」
※1すべての菌に対して抗菌効果を有するわけではありません。
※2猫尿特有の悪臭物質:3-メルカプト-3-メチル-1-ブタノール

また、ライオン商事さんでは、鉱物系素材にとうもろこし由来の素材を混ぜることで軽量化を図った、ハイブリッドな『ニオイをとる砂 軽量タイプ』も販売されているとのこと。

井上「店舗で猫砂をご購入される方で、重い荷物を避けたい方にオススメです!」

②紙系の猫砂

井上「次に紙系の猫砂です。紙系の猫砂の特長は、軽い!そして、燃やすゴミ※として出しやすい!という点です!」
※お住まいの自治体の指示がある場合にはそれに従ってください。

燃やすゴミとして出しやすいのは、飼い主さん的には嬉しいポイントですね!
今回お持ちいただいた紙系猫砂は2種類ありますが、その違いはなんでしょうか?

井上「『ニオイをとる紙の猫砂』の猫砂は粒が大きく設計されており、猫様の肉球の間に粒が入りにくく、飛び散りにくいのが嬉しいポイントです。
また、『お茶でニオイをとる砂』は天然茶葉と銅イオンのWの消臭効果で、消臭力が高いのが特長です。」

なお、「ニオイをとる紙の猫砂」は猫砂の色が白に近いため、猫様のおしっこの色がわかりやすく、万が一異変があった時に気付きやすそう!
一方で、「お茶でニオイをとる砂」はカラーチェンジ機能がついていて、猫様のおしっこした部分がわかりやすくていいですね。

③木系

木系の猫砂は、粒が細かく燃やすゴミ※として出しやすいのが特長です。
※お住まいの自治体の指示がある場合にはそれに従ってください。

井上「『ポプラでニオイをとる砂』は、おしっこやうんちのイヤなニオイをさわやかな香りに変える、独自のハーモナイズド技術を採用していますので、飼い主様にも快適に使っていただけることが特長です。」

また、こちらも『お茶でニオイをとる砂』と同様、カラーチェンジ機能がついているということで、猫様のおしっこにもすぐに気が付けますね。

④おから系

おから系の猫砂の一番の特長はなんといっても「トイレに流しやすい※1」ということでしょうか?

井上「そうですね!また、素材が食品由来成分というところも、特徴的なポイントです。」

ライオン商事さんの「ニオイをとるおから砂」では豆腐を作る際に出てしまうおからを使用しているそうです。
※1"トイレへの流しやすさ"に関する2つの品質基準※2を準用した評価で、流しやすさを確認済み。
※2トイレットペーパーの「ほぐれやすさ」試験(JISP4501)、大便器の「性能」試験(JIS A5207)

人気の猫砂は?実際に猫様のお声を聞いて探究!

猫砂によって特長は様々なんですね・・・!
沢山種類がありますが、この中で特に猫様に好まれる猫砂はいったいどれなのでしょうか?

井上「ライオン商事では、猫様に好まれる猫砂を研究するべく調査を行いました!」

猫カフェにライオン商事製品のいろいろなタイプの猫砂を設置し、どの猫砂のトイレが一番使ってもらえるかを調査したそうです。

画像4

井上「同じ条件のトイレ容器にシステム系・木系・おから系・紙系・鉱物系の猫砂を入れ、17時間ほど観察を行いました」

画像11

一目瞭然の結果が出ました!これは圧倒的に鉱物系が人気ですね!

井上「はい、調査の結果、鉱物系でのトイレ回数が19回と最も多く、猫様に一番人気であることが判明しました!砂漠にルーツを持つ猫様にとっては、粒が細かい、適度に重みのある猫砂が本能的に好まれるようです。」
出典:クレア・ベサント,ネコ学入門,p225(2014),築地書館


(調査の全編はこちらから:ライオン公式チャンネル「ニオイをとる砂/「ネコちゃんが好きなトイレって??」/1分55秒/ライオン」)


鉱物系の砂には、飼い主さんにとっても嬉しいポイントが。

ちなみに、猫様飼われ主としてはニンゲンにとっての便利さも気になるところですが、その点はどうでしょうか。

井上「鉱物系は固化力に優れている点で、飼い主さんにとってもオススメです!」

固化力とは、猫砂の「固まる力」を指します。

井上「実際にそれぞれの猫砂の固化力を見てみましょう!」

というわけでRABOオフィスで猫砂の固化力について実験を実施!
それぞれの猫砂に同じ量のモデル尿を注ぎ、同じ時間でどれだけ砂が固まるかを見ていきます。

画像6

実際に猫様がおしっこをする高さからモデル尿を注ぎ…

一定の時間が経過したあと、トレーに猫砂を移してその固まり具合を見てみます。

画像7

どの猫砂も固まっていますが、塊のサイズには違いがありますね!
鉱物系や、紙系が比較的小さめにまとまっているでしょうか。

井上「ぜひ実際に触ってみてください。それぞれで、固まり方にも差があるんですよ!」

画像8

鉱物系と木系の猫砂はかなりガッチリ固まっていて、多少の衝撃を与えても崩れませんでした
一方、紙系の猫砂はポリマーで吸水することで固まるので、触ってみるとポワポワしています。

井上「ちなみに弊社製品の中では、消臭力が一番高いのも鉱物系の猫砂なんです!」

固化力も消臭力にも優れている鉱物系の猫砂。猫様に人気なだけでなく、飼い主さんにとっても嬉しいポイントがたくさんありますね。


トイレ本体も猫様にとってベストなものを。

ライオン商事さんでは猫砂以外にも『獣医師開発※ ニオイをとる砂専用 猫トイレ』も販売されていますよね。
※東京猫医療センター服部獣医師とライオン商事㈱獣医師の共同開発

井上「はい、実はライオン商事ではこれまでトイレ容器の取り扱いがありませんでした。でも、猫様に最高のトイレ環境を提供するためには、トイレ容器も欠かせないという思いがありました。」
井上「そこで、猫様ファーストなトイレを作ろう!と思い、猫のスペシャリストである東京猫医療センター服部獣医師と、弊社獣医師が共同開発したのが、『獣医師開発猫トイレ』です。」

トイレ容器を「猫様ファースト」なものにしようとすると、どのような点が重要になってくるのでしょうか?

井上「国際猫医学会(ISFM)と全米猫獣医協会(AAFP)が出している猫様の飼い方のガイドラインにある、理想的なトイレ環境についての記載を参考にしています。また、トイレ容器に関しても実際にどのようなものが猫様に好まれるのか、調査を行い、それを元に開発を行いました。」

調査!ライオン商事さんでは実際に猫様のお好みを確かめることを大事にしていらっしゃるのですね。

トイレ容器の調査も、猫砂の調査と同様に多くの猫様からご意見を頂くため、猫カフェで行われたそうです。

奥行き・高さは同じで、横幅のみを変えたトイレを設置し、猫様によるご利用状況を観察してみると…。

画像9

井上「調査の結果、横幅50cm以上のトイレが猫様に好まれる傾向にあることが判明しました!(2019年 ライオン商事㈱調べ)」

たしかに、広さにゆとりがあると、ゆったりと用を足すことができますね。
トイレ前後の砂かきも窮屈に感じることなく行うことができそうです。

井上「こちらの調査結果は、2020年第16回 日本獣医内科学アカデミー学術大会(JCVIM)で発表※も行ったんです!」
※学会発表:ライオン商事㈱ 井上悠美ら.猫が好むトイレ用砂(猫砂)およびトイレ容器の大きさに関する検討 日本獣医内科学アカデミー学術大会(2020)

ライオン商事さんの商品開発の調査にとどまらず、獣医学としても発見だったのですね!

砂がたっぷり入る深さと、入退室のしやすさも重要。

広さの他にも、大事なポイントがあるそうです。

井上「猫様にとって、砂で排泄物を隠すのは本能的に備わった大切な行動。天敵、獲物のどちらにも存在を悟られないようにする必要があるんです。そんな猫様に心ゆくまで砂かきをしていただけるよう、たっぷりと砂を入れてあげるのが大切です。弊社の『ニオイをとる砂』を使用される場合は、深さ5cmを目安に入れてください。」

猫様の入念な砂かきには、本能的な背景があったのですね・・・!
猫様飼われ主としても、深さがあると砂が散らばりにくくて嬉しいです。

井上「ですよね。一方で、深さのある容器で心配なのが、入口の入りやすさです。『獣医師開発猫トイレ』では、若齢猫様や高齢猫様でも入りやすいよう、入口部分の高さを12cmに設計しています。」

深さと、入りやすさが両立するデザインになっているのですね。


ご愛猫様のお好みや、飼い主さんの生活スタイルによって最適なトイレ環境を。

ライオン商事さんの猫様トイレ製品へのこだわり、大変勉強になりました!

画像10

ライオン商事さんでは猫様ファーストな製品開発のため、実際の猫様のお声に耳をかたむけながら研究を重ねていることが印象的でした。
今回ご紹介した内容が、みにゃさまのご自宅でご愛猫様のトイレ環境を整える上でも参考になれば幸いです。

なお、今回は多くの猫様に好まれるトイレ環境についてお届けさせていただきましたが、猫様のお好みは本当に猫それぞれです。

また、猫様のトイレに関する好みは2ヶ月齢頃までに決まるとも言われており、おうちにお迎えする前の環境も大きく影響すると思われます。

今回ご紹介した内容を参考にしていただきつつ、猫様の様子を伺いながら、是非ご愛猫様にとってベストな猫砂やトイレ環境を見つけていただければ幸いです。

理想のトイレ環境が整ったら、そのまま健康管理もはじめませんか?

理想のトイレ環境を整えていただいたら、もっと猫様に幸せに健やかに過ごしていただくため、猫様が日々トイレを利用するだけでできる健康管理もはじめませんか?

『Catlog Board(キャトログボード)』は、猫様の体重や排泄情報をアプリで記録・確認できるIoTデバイスです。

猫様がお気に入りのトイレ容器や猫砂、トイレの設置場所は変えることなく、トイレの下に敷くだけでご利用いただけます

画像11

※Catlog Boardは現在開発段階であり、実際の仕様は画像と異なる場合があります。

毎日の体重と排泄に関する情報を自動で記録し、アプリ上で簡単に振り返ることが可能になります。
ダイエットが必要な猫様、泌尿器系の症状に不安のある猫様にもオススメです!

トイレ環境の整備と合わせて、是非ご検討くださいませ。
猫様トイレ開発者インタビューの第2回はこちら、第3回はこちらからご覧いただけます。


すべては、猫様のために。


今回ご紹介したライオン商事さんの商品一覧はこちらからご覧いただけます↓
ニオイをとる砂
ニオイをとる砂 軽量タイプ
お茶でニオイをとる砂
ニオイをとる紙の猫砂
ニオイをとるおから砂
ポプラでニオイをとる砂
システムトイレ用 ひのきでニオイをとるチップ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?