男子中学生がなりたい職業ランキング

「男子中学生がなりたい職業ランキング」というのがTwitterで流れてきた。なりたい職業のTOP5を日米で比較した画像である。ちょうど先日妻とこのような話をしたばかりだったので、今日は「男子中学生がなりたい職業ランキング」について感じたことを書いてみる。

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さて、このような内容の画像とともに「日本の中学生しっかりしろw」という趣旨のコメントが添えられていた。この投稿者の心情を添えられた一言で推し量るのは難しいが、どちらかといえばネガティブな視点での投稿であると思えた。(今の中学生に悲観したり憤っているのではなく、自虐的に揶揄したようなニュアンスだったが)

これを見たとき自分の学生時代のこと思い出した。小学校の卒業が近づくと文集をはじめとして様々な媒体で、やたらと将来の夢を書かせられる。僕にはそれが辛かった。夢なんてないのだ。僕はある時には「ゲームを作る人」と書き、ある時には「バスケットボール選手」と書いた。当時、毎日プレステをしていたし、少しの間だがミニバスのチームに入っていた。一番身近で、興味がある(と思われる)ものがこの二つだったのだ。

ちなみに中学に入り僕はテニス部に入り、ゲームは次第にしなくなった。

さて「ユーチューバー」や「eスポーツ」というある一定以上の年齢の人からすると、馴染みの薄い(理解の浅い)職業が上位に選ばれていることが、ネガティブな意見を呼ぶ原因の一つだと思う。「アメリカの学生を見てみろ。もっと現実に目を向けろよ」ということなのだろう。

しかし今の日本の男子中学生にしてみれば、恐らくこれが圧倒的なリアルなのである。一番身近で、興味がある(と思われる)のがこの職業なのだ。そして稼げる。特に上位2つは実際「お金」という文脈で語られることが多い。プロ野球選手、サッカー選手がなりたい職業の上位に上がっていた一昔前と構造的には一緒なのだと思う。

これらの理由から、このランキングを元にで現在の中学生が揶揄されるのは可哀想に感じる。おそらくこの結果をもたらした背は僕たちが中学生だった頃と大きく変わっていないはずだからだ。(もっと前と比べたら分かりませんが)

しかし、実際に同時代の日本とアメリカの比較でこのような結果が出たことについては十分留意すべきであると思う。アメリカでもユーチューバーもeスポーツ選手もいるからだ。市場的には日本よりも大きいだろう。この結果を日本的な視点で見れば、アメリカの学生の方が社会貢献できる職業につきたいのだなという見方は容易に可能だ。しかしあくまでもそれは予想の範疇を超えない。おそらくアメリカにはアメリカなりのこの結果に対する複雑な背景があるはずだ。(例えば1位の医師については、トランプ大統領が廃止してしまったオバマケアをはじめとするような、医療保険制度などが背景にあるのかもしれない)

一つ面白いなと感じたのは、アメリカ4位のデザイナーである。正直僕は中学時代デザイナーという職業を、漠然と絵を描く人?程度にしか思っていなかった。世の中にどの程度存在しており、どんな仕事をしているのなんて全く知らなかった。アメリカでは上位に来ていることから、日本よりもデザイナーという職業が身近なのだろう。

北欧などの先頭に欧米諸国では、初期教育の時点から将来を見据えた、生きていくための実学を重視した授業が行われるという。「例えばもし自分が逮捕されたらどうするか?」のようなテーマが授業のカリキュラムとして組まれているらしい。このような実学重視の授業の中で、社会の仕組みというもをある程度理解し、どのような職業によって自分たちの生活が成り立っているのか?ということを知識として身につけているのではないか?そもそも知っている職業の手持ちが違うのである。(日本の5位が社長であるのを見るとあながちこの説間違ってもいない気がする。日本の学生にはなりたい職業を挙げようにも手持ちがないのだ)

日本は海外に比べると、まだまだ実学という点で遅れているのだろう。その結果、そもそもこの世界にはどんな職業によって成り立っているのかを知らず、今回のような結果になったのではないかと感じた。

長々と偉そうに書いたが、これはほとんど僕の話である。実際僕は世の中を何も知らないまま、なんとなく大学に進学し、就職活動まで流れ込んだ。もう少し社会について自覚的な学生時代を過ごせたならば、様々な局面で違った選択肢を選べたかもしれない。なんか気づけば暗くなってしまった。結局全て社会のせいにしてしまっているじゃないか。30歳きっとまだまだこれからですよね。

今日の一曲
夏が来る。先日ハイム姉さんたちのインスタをフォローしたが最高である。


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