見出し画像

今更ながらジブリ作品を本気で観てみた② 魔女の宅急便・もののけ姫

今年の7月に宮崎監督の最後の作品になるかもしれない映画が公開予定。

45歳手前になる前にまさかジブリ作品にハマるとは(笑)。

というより今まで真剣に観てなかったんだなと(笑)。

改めて観て…単純に面白い。

そして…宮崎監督ってかなり映画に関しては妥協したんだなと言う風に今観て分かる部分も多い。

エンターテインメントを重視するジブリ作品にとって興行も大事だったのが歴史を観ると分かってきた。

例えば先日視聴した風の谷のナウシカの原作本を購入してみた。

世界観は映画ナウシカと通ずるものがあるが内容は別物。

もし原作本の風の谷のナウシカを映画化するなら最低でも三部作にしても完結はしないだろう。

こんな秘話もある。

複雑な絵コンテを書いているのに時間が足りないとなったら破り捨てる。

本当はやりたかったことを映画公開に向けて期限を守るために妥協してとりあえず完成させる。

だから本人としては納得出来ていないからこそ毎回監督しては降りる発言している。

これには先輩であり仲間であった故高畑監督にあるなんて話をインタビューで答えたりする。

これもあまり知られてないけど、魔女の宅急便ととなりのトトロまでは赤字経営。

もののけ姫で大ヒット飛ばして当時の年間興行収入1位を獲得する。

それからグッズ販売やジブリ博物館にジブリパークなどでようやく映画で成功を収める。

金に興味のない宮崎監督だが、興行の状況はかなり気にしていたなんて話もしている。

その中で作られたのが「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」なんですよね。

あんまりラストに解釈とかを求めなくなってからのジブリは飛ぶ鳥を落とす勢いで、日本アニメーションのトップに躍り出た。

「魔女の宅急便」は音楽に松任谷由実を迎え新たなアニメーションの可能性を広げたと言っても良い。

今までコンセプトとしてかなり未来の話が多かったのだが、魔女の宅急便でよりファンタジーだけどどこか現代風にシフト。

だからかなり観やすくなったアニメーションになったと個人的には思う。

魔女の宅急便の逸話としては主役のキキの声優高山みなみ(コナンなど)さんが二役を演じきったこと。

途中で出てくる絵描きのお姉さんとキキのオーディションを受けていた高山さん。

ジブリの方から両方合格してしまい、宮崎監督に「責任もって二役演じてください」と言われたらしい。

実はあの山寺宏一さんも何役もこの作品で演じている。

これもアンパンマン(アニメ)で2人とも鍛えられたスキルを引き出された。

また相手役のトンボは後にコナンという役でまさか工藤新一(コナン)とダブル共演するとは思わなかっただろう。

ファミリー向けに作られた作品だが、猫好きな方も虜にした作品でもある「魔女の宅急便」。

人との絆を描いた青春映画。

猫好きの私にとっても大好きな作品になりました。


もののけ姫は私が20代の時に劇場で鑑賞した作品。

当時は立見席が出たほど社会現象を起こした作品である。

ただ当時観た感じだと「よく分からん」というのが率直な感想。

ただそのよく分からんものを理解したいがために何度も映画鑑賞するリピーター作品であった。

そして今あらゆる知識を得て観た感じは…「歴史的に興味深い作品」なのです。

実はこの「もののけ姫」は最初に考えていたプロットとは別物。

本当は「トトロ」のような妖怪?神様?との話だった。

しかし企画が頓挫したあと、縄文人や弥生人をテーマに神々の神話を合わせた作品へと変更。

しかし別の意味でトトロはモチーフに使われている。

言霊というキャラクターが後に森の妖精になりトトロとなったなんて話がある。

実際最初のプロットではトトロのようなキャラクターと少女が描かれている。

ただ映画の方向転換することで新たなジャンルの日本ファンタジーとして未だにファンも多い作品となった。

「神様」という概念は大昔重要な象徴であった。

しかし人間が戦を始めるようになり、神々を信仰しなくなったことで神々が人間に呪いを発動し「タタリ神」と変貌。

それぞれの立場を考えるとこの「もののけ姫」は人間の立場や神々の立場での正義と思惑が描かれている。

何度観ても難しいテーマで本当は「アシタカせっ記」という縄文人のアシタカの物語だったというのは有名な話。

プロデューサーの鈴木さんが公式会見で「もののけ姫」と発表したことで宮崎監督が激怒。

そこから右往左往しながらも作品を完成させる。

最後は観客に投げる形で終幕。

それでも大ヒットしたのは日本人独特のイズムが心に刺さったのではないだろうか。

犬神のモロに育てられた「サン」の方に注目がいきますが実はアシタカの物語なんですよね。

何度も観ると本当は森や山の神々は決して人間に恨みを持ってる訳ではなく、信仰を辞めてしまった人間に寂しさを感じているというのを私は感じた。

また人間の愚かさを描いている作品で恐らくですが、山神に育てられた「サン」は神への捧げ物として山に捨てられたと思う。

個人的に調べている「山」や「村」では大昔生贄は割と普通だったりする。

現代では考えられないかもしれないが、そんなオカルトっぽい所も取り入れたのがもののけ姫なんです(笑)。

アシタカが村を追い出された話というのが本筋。

その中にはそれぞれの立場の思惑があったとも捉えられる。

人間の本質を描いた作品とも言えるのだ。

ついさっき3度目の視聴したのだが…最初で出てくるアシタカを慕う「カヤ」と後に出会う山神に育てられた「サン」は同じ声優さんで石田ゆり子さんなんですよね。

深い意味はないと思うけど…カヤにもらった短剣を後にサンにあげるって少し切ないなと思いました(笑)。

ただ慕うというのは「永遠に結ばれる」とは違う。

ここがまたこの時代の考え方なんだと改めて感じた。

本当に宮崎監督って映画の中で説明しないよなぁ。

漫画では結構説明してたのに笑。

さて、次は何を観ようかな(笑)。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

ご縁に感謝。