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菅原道真とイエス・キリストをつなぐものって知ってる??―日本と西洋の「神」と「神を描く作品」―

新年、明けましておめでとうございます。
2020年初回は、さらっとしたコラムです。初詣にちなみ、神社の神様にはいろいろあること、そして「神」を描く作品を3つ紹介し、それらの関係を見ていきます。


新年と言えばやはり「初詣」。
みなさまは、「神社」「寺院」のどちらに行かれましたか?
「行ったけど…どっちだっけ?」という方もいらっしゃるかと思います。意識して気にかけないとわかんなくなったりしますよね…。
 
(私は今年は神社と寺院の両方行きましたが、神社で行うべき「二礼二拍手一礼」を寺院でやりそうになりました…。)


いろいろと違うところがある「神社」と「寺院」。
まずは「祀られている対象」をさくっと確認してみましょう!


寺院 …「仏様」を祀っています。
けれども、いろんな仏様を祀っていますね。阿弥陀如来、不動明王、薬師如来、釈迦如来、大日如来、弘法大師(川崎大師)、地蔵菩薩、観音菩薩…。

[詳しくないけど調べてみました!]
阿弥陀如来…全国の寺院の半数以上の本尊は阿弥陀如来だって![1]
不動明王…いわゆる「お不動様」。深川不動尊、成田山新勝寺。
弘法大師…真言宗の開祖、空海のことでもある。高野山真言宗の総本山「金剛峯寺」の持仏の本尊、川崎大師。

神社 …「神様」を祀っています。
とはいえ、キリスト教やイスラム教などの一神教とは異なります。そう、日本にはたくさんの神様が!神社もそれぞれ異なる神様を祀っているのです。

[それぞれの神社仏閣が祀っている対象を詳しく知りたい方へ]
祀られている対象から神社や仏閣を検索できるサイト「八百万の神」をお勧めします[2]。


神社のいろんな神様

さて、ここからは神社に話を絞りましょう。それぞれの神社にいろんな神様が祀られているのですが、その神様たちはどんな神様なのでしょう?

日本神話に出てくる神様、神道の神様
いわゆる「神様」、ですかね?

伊勢神宮 …「天照大御神(あまてらすおおかみ)」
多賀大社 …「伊邪那岐(いざなぎ)、伊邪那美(いざなみ)」


実存した人物を神と崇めて祀る

これも「神様」になるのが「日本的」かなぁと思います。まさに「神格化」

明治神宮 …「第122代天皇の明治天皇と昭憲皇太后」
日光東照宮 …「江戸幕府初代将軍・徳川家康」


一貴族の「菅原道真(すがわらのみちざね)」

これが最も面白いと思います!
有名だったとはいえ、天皇や将軍ではないのに「神様」になるなんて…!!

太宰府天満宮
湯島天神

神としてあがめられたのは、道真の死後、いろいろな異変が起こったからですが、これは本筋ではないので置いておきましょう。知りたい方はこちらがおすすめです[3]。


「菅原道真」

さて菅原道真(845-903)に話を移しましょう。彼が今回のコラムの要です。

菅原道真

(Wikipedia:「菅原道真」)

・通称「学問の神様」。
・たくさんの和歌を作った人。例えばこの和歌↓。

 「此の度は 幣も取り敢へず 手向山 紅葉の錦 神の随に」

 意味:この旅は、慌てて出てきたので捧げもの(幣(ぬさ))を用意できませんでした。代わりに、手向山に生える美しい紅葉を捧げます、どうか神の御心のままにお受け取りくださいませ。


「菅原道真」を扱う作品

彼、菅原道真は、日本音楽史においても重要な人物!
日本伝統芸能の「人形浄瑠璃」(通称「文楽」)で、彼を扱う作品があります。
それは、浄瑠璃三大名作の一つ《菅原伝授手習鑑 (すがわらでんじゅてならいかがみ)》
人形浄瑠璃の映像は文化デジタルライブラリー(こちら)で見られます![4]

この作品は人形浄瑠璃で人気を博し、その後歌舞伎にも取り入れられた演目です。

(Youtube:歌舞伎《菅原伝授手習鑑》 道明寺の段)

[興味のある方へ]
・それぞれの解説は以下をご参照ください!
 浄瑠璃の解説歌舞伎の解説
・この作品は能《雷電》の影響も受けていると言われています。それも知りたい方はこちら[5]。


この《菅原伝授手習鑑》は、1746年に作られました。

………1746年、そう!西洋ではバッハやヘンデルの生きていた頃!!

(唐突につなげてすみません、、もちろん、これだけで結びつけるのは安直で表面的なのですが、時代感を知るにとてもいいかなと思った次第です。)

同じく「神」である、キリスト教の神様を題材にした音楽と言えば宗教音楽ですが、その中でも大作かつ有名なものとして、J.S.バッハ《マタイ受難曲》(1727年)とヘンデル《メサイア》(1741年)が挙げられるのではないでしょうか。

・J.S.バッハ《マタイ受難曲》(1727年)

(Youtube:オペラ対訳プロジェクト、J.S.バッハ《マタイ受難曲》第1部)



・ヘンデル《メサイア》(1741年)

(Youtube:G. F. Handel: Messiah HWV 56 )


さて、お気づきでしょうか?今回、このコラムに、ちょっと強引にもバッハとヘンデルを登場させたのは、これらの制作年に、

制作年3

という関係があったからなのです!

もちろん、先ほど申したように、これは表面的なつながりにすぎません。
けれども、1700~1750年の日本と西洋の文化の関係を知るに面白いかなと思います。


まとめ

今回は、神社の神様はいろいろいること、そして「神」として祀られる菅原道真と、キリスト教の「神」を巡る作品として、
  ・人形浄瑠璃(文楽)の作品、《菅原伝授手習鑑》
  ・バッハ《マタイ受難曲》
  ・ヘンデル《メサイア》
を取り上げ、それらの制作年の関係を見てきました。


それぞれの時代、それぞれの地域で、何が起き、何がなぜ作られたのか。それらに思いをはせつつ、今回のコラムは締めさせていただきます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!


参考サイト

[1] 仏教入門Web講座:「阿弥陀如来(あみだにょらい)とは?」
https://true-buddhism.com/character/amitabha/

[2] 八百万の神:祀られている対象から神社や仏閣を検索できるサイト
https://yaokami.jp/kyoto/gd/

[3] 菅原道真はなぜ学問の神様なの?道真の生涯と神様になるまで:
https://hotokami.jp/articles/114/

[4] 文化デジタルライブラリー:文楽編《菅原伝授手習鑑》
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc23/com/com_scene6.html

[5] 文化デジタルライブラリー:文楽編《菅原伝授手習鑑》> 背景を知る||影響を与えた先行作品
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc23/bgd/bgd_conse1.html

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